コードネーム U.N.C.L.E.
THE MAN FROM U.N.C.L.E.(2015)
★★★★★☆☆☆☆☆ 5
「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」は大好きだったのですが、以降はどうも作品にムラのあるガイ・リッチー監督作品。こんな人におすすめ。
- 「スタイリッシュ」「クール」「オシャレ」という言葉に弱い人。
- 王道・正統より覇道・異端なものが好きな人。
- ストーリーより映像センス重視な人。
1960年代のイギリスのTVシリーズ「0011 ナポレオン・ソロ」を、キャストを一新して映画化したスパイもの。
スパイといえば「007」「ミッション・インポッシブル」などが有名ですが、どちらかというと「キングスマン」に近いノリです。ただキングスマンほど過激路線に振り切っている訳ではないです。
主演は、当初トム・クルーズという話もあったそうですが、スケジュールが合わず「スーパーマン」のヘンリー・カヴィル。
だから、という訳ではないはずですが興行的に大コケ。
役者陣とキャラクターはとても魅力的だと思います。
ソロ(ヘンリー・カヴィル)とイリヤ(アーミー・ハマー)のコンビは、話が進むにつれ良い相棒になっていき、さながら「あぶない刑事」のよう(古い)。
ヒロインのギャビー(アリシア・ヴィカンダー)も、60年代のフレンチ・アイドルのように可愛く魅力的。
そして、ヒュー・グラント。え?ヒュー・グラント?
とても好きな役者さんですが、最後の方でヒュー・グラントだと気付きました。年取って気付かなく、もとい、見事にオーラを消されていたようで…
ヒットしなかったのは、大衆性が少ない、マニアックな作りにあると思います。
ガイ・リッチー監督といえば「シャーロック・ホームズ」ですが、ホームズは一般受けするよう作られていました。
それに対し「コードネーム U.N.C.L.E.」は、通常のハリウッド映画ならここぞという見どころで盛り上げようとする場面を、コマ割りでミュージックビデオのように編集してしまう大胆さ。大多数の人には響かないけれど、好きな人は好き、という潔さです。
そういう意味では「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」のテンポに近いものがあるのですが、はたしてスパイものという題材でこの軽いノリが合っていたのかどうか。
感情移入が出来ず、映像を「見させられている」感。
映像や世界観はかっこいいのだけれど、緊張感がいまいち感じられませんでした。
明らかに続編があるような作りですし、このキャラクター達はまた観てみたいです。ただ、同じような演出だと斬新さが失われ、飽きられてしまうのではないでしょうか。
キャスト・スタッフ
監督:ガイ・リッチー
キャスト:ヘンリー・カヴィル、アーミー・ハマー、アリシア・ヴィカンダー、ヒュー・グラント