チャッピー
CHAPPIE(2015)
★★★★★☆☆☆☆☆ 5
タイトルやポスターからは想像つかないくらい、実際観てみるとバリバリのSFアクション「チャッピー」。この映画はこんな人におすすめ。
- 脚本やストーリーの細かいアラに寛容な人。
- 登場人物がクズだらけでも気にしない人。
- 将来AIが人間に取って代わると信じている人。
もし人類の身体が機械になったら、ひょっとしたら戦争もなくなるのではないでしょうか。
人間は身体というものに縛られています。
空腹を満たすため動物を殺し、領土を奪うため他の民族、国を侵略します。
身体の不調がストレスを誘発し、欲求不満が犯罪を生みます。
もし自分の身体が機械だったら…
色々な悩みとおさらばできるかも、でもやっぱり味気ないな、などと考えさせてくれる映画「チャッピー」。
チャッピーは人工知能搭載ロボット。
自分で考え、感じ、成長することができます。
ストリートギャングに誘拐された時に起動するのですが、子供のように純粋無垢。
バッテリー残量が5日分しかなく、どう生き抜くか試行錯誤する中、様々な敵が襲ってきます。
監督が「第9地区」のニール・ブロムカンプなので、癖があり、好みが分かれる作品だと思います。
VFXはレベル高いですが、勢いだけでもっていく演出のため、いささか観客が置いてきぼりになるような感じ。そんなアホな、という展開に笑ってください。
ヒュー・ジャックマン、シガニー・ウィーバーといった大物も出演していますが、主役はあくまで機械のチャッピー。
人間の登場人物がことごとく狂っていて感情移入できないので、なおさらチャッピーのマトモさが光ります。これが何ともいじらしく、憎めない。
なぜ憎めないかというと、生きるために懸命なのが伝わってくるからだと思います。
生きたい、と思うのは本来生きとし生けるもの全てに備わった本能。
「なぜ生きるのか?」などと答えのない闇の中に落ちてしまうから、自ら命を絶つ若者が後を絶ちません。悩める人は、シンプルに生きたいと願うチャッピーの姿を目に焼き付けましょう。
冒頭の話に戻りますが、機械になっても生きたいと思いますか。
私はやっぱり、自分自身は肌のぬくもりを失ってまで生きたいとは思わないです。でも大切な人だったら…機械でもいいから生きてほしいと願ってしまうかもしれません。
キャスト・スタッフ
監督:ニール・ブロムカンプ
キャスト:シャールト・コプリー、デーヴ・パテル、シガニー・ウィーヴァー、ヒュー・ジャックマン