1945年9月～:胡差市
1946年4月～:越来村
1956年6月13日～:コザ村
1956年7月1日～:コザ市
1974年4月1日:コザ市と美里村が合併、沖縄市誕生
もともと「越来村」だった地域がそのまま「胡差（市）」、「コザ（村・市）」に改称したわけである。「コザ」の名前は戦時中米軍が「キャンプ・コザ」という基地を造ったことが発端。終戦後収容所が建てられ、「胡差市」（当時は「胡差」という漢字が当てられた）となった。住民が集められた収容所をもとに暫定的に作られた自治体は「市」と呼ばれ、胡差市もその一つだった。翌年、収容所にいた人々の多くが帰還すると、越来村に戻った。1956年6月13日に「コザ村」に改称、7月に市に昇格した。
越来村からコザ「村」に改称してから1か月足らずでコザ「市」に昇格した。越来からコザに改称した時「町」になる人口には十分足りていたはずだが、「コザ町」にならず村のままだった。
「コザ」の地名の由来には諸説ある。
一つは、「胡屋（ごや）」に由来するという説で、米兵によって「Goya」が誤って「Koza」になったという説。
「ご」と「こ」、GとKは濁音（有声子音）と清音（無声子音）の違いなので、混同はありえる。あと、漢字の「胡」も「ご」とも「こ」とも読む。琉球が日本に組み込まれ沖縄県が設置された後、これまで琉球語（ウチナーグチ）で読んでいた地名が大和風に読み替えられるようになったが、その際複数の読みが生じたものもあり、例えば糸満市の「喜屋武」は現在「きゃん」と読むが、かつては「きやむ」とも読まれたようで、戦時中に米軍が作成した地図で「Kiyamu」と表記したものが見られる。これを考えると、胡屋も濁らずに「こや」と読まれたことももしかしたらあったかもしれない。
「Za」に関しては、アルファベットの順番でYの次にZが来るため、タイピングか文字の選択でYをZと取り違えたこと、あるいは、グアムのチャモロ語ではYを[z]と発音するため、グアムにゆかりのある米軍関係者がGoya(Koya?)のYを[z]で発音してしまったことも考えられる。
もう一つは、「古謝（こじゃ）」がなまって「コザ」になったという説。ただし、古謝はコザ市ではなく美里村にあり、コザ市と接してもいない。「コザ」の名が公式に登場したのはキャンプ・コザが最初。離れた場所の地名を施設名に用いたのは、泡瀬から離れた地域に「泡瀬ゴルフ場」があったのと同様といえる。
胡屋と古謝の二つの地名が混同して「コザ」という地名が生まれたという説もある。
もとの地名は「越来（ごえく）村」だった。越来はウチナーグチでは「グィーク」または「ギーク」。いずれも「コザ」の発音とはかけ離れている。無理矢理こじつけて「越える（こえる）」の「こ」だけが共通音。
また、日本語に理解のある米軍関係者が漢字または仮名を誤読したものである可能性も考えられる。
「胡屋」の「屋」が「座」という字に似ているため混同して「コザ」と読み間違えた、あるいは仮名の「ゴヤ」または「ごや」を「コザ/こざ」と読み間違えた可能性もありそうだ。
日本語の誤読に由来するとした場合、「越来」由来説も考えられる。「来」の旧字体は「來」で、当時は「越來村」と表記していた。「來」が「座」に似ている（「人」が2個あるところが）ため、混同して、「越→コ」、「來→ザ」で読んでしまったのではないか。あるいは、縦書きにカタカナで書いた「ゴエク」を「コザ」と誤読したのではないかとも考えられる。
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