地震が来たとき 実家の母はいつも 不可解なことをする。

ある暮れ方に地震があったとき、母は何を思ったか家中を駆けずり回って窓という窓をぜんぶ開け放った上、家に2カ所ある換気扇のスイッチを入れた。地震が止んで静かになった家の中を夜の風が吹き抜け、換気扇がぶーんぶーんと間抜けに唸っていた。 興奮さめやらぬ母に代わって父と二人、家中の窓を閉めてまわったものである。

また別の地震で、パジャマ姿で裸足のまま玄関先に飛び出した母の右手には何故かテレビのリモコンが、左手にはご飯しゃもじがしっかりと握られていた。

何をするか分かったもんじゃないのである。

首都圏直下型地震、南海トラフ地震など 遠くない将来に予想され、 液状化、火災、ライフラインの寸断などなど、将来来たるべき大地震にまつわる心配はいろいろとあるが、我が きのぴお家の場合には「いざというとき何をするか分からない母」という懸念事項が余分に付いてきてしまうのだ。

とは言うものの、そういう突拍子もないことをしたり言ったりする人のことが僕は嫌いでもない。

(写真・文:きのぴお・ぴーぱーたん)

 

 

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