映画「ギルバート・グレイプ」の中で、ギルバートの弟アーニーの誕生会の段取りを家族であれやこれや出案する場面がある。その場で、母親がおもむろに言う。
「ベーコンはカリカリに焼かなくっちゃだめよ。」
どんな料理を出すか、ということについてはその母親がイニシアティブをもっているようであるのに、調理の仔細について母親は、その「ベーコンはカリカリに」という一点しか言わない。
だから僕にはそのセリフがとても印象に残るのである。
その映画が理由というわけではないけれど、僕もベーコンはカリカリに焼く。かなりよく火を通して水気がすっかり飛び、元の大きさの半分くらいに縮んだベーコンはスナック状の歯ごたえがしてとても美味い。
卵のほうはいまひとつであるけれど、今日もベーコンはカリカリ、いや、いささか火を通しすぎて「バリバリ」の域に入ってはいるが、まぁ合格点の範囲に焼くことができた。
朝食の調理が思い通りにゆく、なんとも幸先がいい。