だれかが僕に「あなたの仕事はなんですか?」と聞かれたら僕は即答する。
「仕事をスケジュールどおりに進めること」と「部下がうつ病にならないこと」とのバランスをとるのが僕の仕事です。
民間企業で日々の実務をきりもりする僕ら下層管理職にとって メンタルヘルス対策は主業務の一つだと言ってよいと思う。
今のところ 僕の部下たちに メンタル不調で休職・退職したケースは一人も出ていない、
けれども 僕らは常に、薄氷をふんでいるのだと思っていなければならないと思う。
メンタルヘルス研修で 先生がよく言うセリフ。「心の病気は だれでもなり得るのです」
それはつまり どの部署でもメンタル不調者は発生し得る ということだ。
ふと、こんな風にも思う。
僕の部下たちが 毎日 元気に出勤してくれていることを、僕は当たり前だと思ってはいけないのかも知れない。
放っておいたら一瞬のうちに崩れてしまう危うい均衡にたよりきっている、というのが真実かも知れない。
たとえて言うならば、部下たちは梯子(はしご)のてっぺんで曲芸をしているのだ。
そして、その梯子を下で支えているのが僕なのだ。
写真・文:きのぴお・ぴーぱーたん