この物語は、とある中学2年生の男子が
「エンピツ王子」と自称する謎の家庭教師と
受験に臨む、リアルタイムストーリーです。

※前回のお話⇒「5.僕の挑戦
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『朝6時に起きて復習する』


眠い目をこすりながら

僕は昨日勉強した内容の復習をしていた。




いつもより1時間も早く起きているから

さすがに眠いなあ・・・






でも、昨日やった内容を

次の日の朝にやるのは効果がありそう。




いつもなら「やりっぱなし」だったから

ほとんど定着していなかったけれど

復習をしてみたら案外あたまに残る気がした。







それともうひとつ。

朝に復習をしてみて気づいたことは

時間が思ったよりも掛からないという事。




めんどくさいな~と思いつつも

想定していた時間の半分くらいで終わるので

おお、コレ良いかも!と

心から思い始めていた。





王子は、というと

僕よりも早起きしてマンガを読んでいる。。。



なんてお気楽な人なんだ。



あ~うらやましい。



「ん?どうした?」

「何か質問でもあるのか?」



僕の視線を感じたからか

王子が振り向いて聞いてきた。




『あ、いや、復習するって

意外と良いもんだな~って思ったので』





じ~~っと僕を見つめたあと

まあ、いいかって感じで口を開いた。



「だろ?復習は簡単なんだ」

「その割に効果もあって、良い事づくめ」

「これをやらないのって損だよな」


「お前さんたち中学生は勘違いしている」

「復習はめんどうくさいって」

「でも、すぐにやれば全然そんな事ないんだ」


「すぐにやった方がずっと楽」

「後回しにしていい事なんて1つもないからな」




確かにそうだ。

何となく後でやろうと思って

結局やらずにいたことが多かった。



そのせいでテスト前に復習すると

全然わからないことだらけだったもんな。





「それに気づけただけでも成長だな」



王子の何気ない一言がちょっぴり嬉しい。




『それより、明日のテスト大丈夫ですかね?』



いよいよ明日、定期テストがある。




「大丈夫だって」

「自信持てよ!」




『はぁ・・・』

『でもそんなにやったわけではないし』



今まで書いてきたメモを

パラパラとめくりながらつぶやいた。





「前を見てみ」



王子が小声で言ってきた。



「お前の目標は400点なんだろ?」

「達成できるって信じるんだ。」

「そうすれば必ず達成できる!」




・・・なんで小声なんだ。

まあ、でもめんどくさいからツッコまない。



目標を書いて、信じるだけで

達成できるなんて

そんな魔法のようなこと

本当にあるのかな。。。




そんな僕の肩をぽんっと叩いて

王子は言ってきた。



「で、テストで全力を出し切ったら」

「お前さんはどうするつもり?」




『え?そりゃまあ、気が楽になるというか』

『ちょっと晴れやかな気持ちになると思います。』




「ほ~そんで?その日はどうしたい?」



『そうですね~その日はのんびりとしたいですね』

『ゲームやったり』

『マンガ読んだり、お風・・・んご!!』


お風呂と言いかけた時

王子はどこから出してきたのか

パペット人形で口をふさいできた!!




『んもう!何するんですか!!』




あはは、という感じで笑いながら王子は



「だろ?そこなんだよ、そこ」

「テストが終わった時こそ」

「本当の自分の気持ちがわかるんだ」




ん?どういうことだ?



「前に、お前は勉強にシールド張ってるって言っただろ?」

「まさにそれなんだよ」

「テストが終わってのんびりしたいという事は」

「それだけ勉強がストレスになっているんだ」



「例えばゲームなら」

「クリアしても負けても」

「よし、もう1回!ってなるだろ?」



「勉強もそれと同じに捉えてほしい」




『つまり、どういうことですか?』



「テスト終わりで必ずやってもらうのは・・・」





・・・



・・・



・・・




「テストについて説明することだ!!」




はい?説明?




『誰に何を説明するんですか?』




「俺だよ、お・れ」

「テストについて全教科」

「問題を解いているときの気持ちとか」

「ここ出た、ラッキー!、みたいな感じで」

「全教科、全問解いているときの気持ちをな」




なぬう~~~!

そんなめんどくさいことやるのか!




「だからテスト受けてる時から」

「どうやって説明しようかちゃんと考えておけよ」



腹話術士のように

パペット人形が話しているように動かした。




とにかく、意識しながらテストを受けよう。



【今週の宿題】

テストを人に説明する


次回:僕のテスト体験記



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