食文化を守る前にまずは食材を守ろう!歴史と食、先人に学ぶ暮らしの知恵とは? | 医者ギライ・クスリギライのための1日10分!医食同源・自然食実践ブログ

医者ギライ・クスリギライのための1日10分!医食同源・自然食実践ブログ

自然食業界歴15年の管理人が1日10分で医者にもクスリにも依存しない自然食実践術を公開。衣食住、生活環境、医を含めた医者ギライ・クスリギライのあなたに贈る!実践術をブログで毎日公開中!

「ソース」


“黄金のソース”
“七色のソース”


じっくり煮込んだコクのあるソース。

料理の肝は

 

 

「ソースにあり」

 

 

あなたにも、きっとお気に入りの味があるのではないでしょうか?

“あの店はスバラシイわ”
“私なんかお皿をぺロぺロしちゃうわよ”
“邪道だね、オレはもっぱら醤油ソースさ”


このように人それぞれなのでしょう。

食とは、単に空腹を満たすだけのものに

 

非ず

 

カラダはもちろん、ココロも同時に豊かにしてくれるもの。

 

それが食の役割であり、使命であるともいえるのです。

 

その意味において、外食とは、

 

究極の

 

「サービス業」

 

このようにいえるのではないでしょうか。

 

どうせ行くなら、

 

”非日常”

 

を思いっきり満喫してみたい。

 

ドレスアップをして、最高のソースを

 

「堪能」

 

してみたい。

 

そう思うのは自然なことではないかと思います。

 

料理人の側も

 

“感動の一皿”

 

を目指し、努力と研鑽を重ね、ソース作りに

 

「心血」

 

を注いでいく。

 

本来の意味での外食とは、

 

“夢とロマン”

 

に包まれたもの、こんな風に思うのです。

ソースは料理の主役。

 

そしてその店がその店であることの

 

“象徴”

 

ともいえる。


でも、

ソースがどのようにして考えられ、どのような背景で

 

“作られてきたのか?”

 

これについてはあまり詳しく教えられなかったようにも思います。


そこで今回は、「ソース」について考えることで、

 

医者を遠ざけ、クスリを拒む。

 

そんな生き方のヒントについて述べてみます。




■食文化と食材
その民族の歴史には、必ず

 

“食の歴史”

 

が付随するもの。

 

私たちはそれを

 

「食文化」

 

と呼んでいます。

 

変容をしつつも、今日までしっかり受け繋がれている。

 

それは人類的資産といえるものかもしれません。

ソースはヨーロッパで普及し、伝承されてきた食の体系。

 

高級品のように思われていますが、そもそもを考えれば

 

「ちょっと違う」

 

食材を絶対に

 

“ムダにしない!”
 

その強い信念の結晶、それがソースであると思うのです。

「豚一頭」

ヨーロッパにおいては、これをすべて食べ尽くす努力をします。


腸は肉を詰めソーセージになり、耳はテリーヌになり、

 

舌はトロトロの煮込み料理に仕上げていく。

 

豚足はもちろん、膀胱は素材を入れて容器にする。

 

そしてソーセージには、豚の

 

“血”

 

までをも入れていく。

 

使えるものなら何でも使う。

 

こうした体系が西洋料理の

 

「基本」

 

になると解説されるのです。

そして、本体である豚肉を炙ると、脂が

 

“ポトポト”

 

と垂れていく。

 

それを受け皿にとり、食材に活かしていく。

 

うまみの凝縮した脂にさらに味付けを施し、

 

炙った肉と再び

 

「合体」

 

させていく。

 

これがソースの原型ではないかと想像されるのです。

 

華やかなソースの裏にある民族の歴史。

 

そこには、

 

“暮らしの知恵”

 

が隠されている。

 

文化の裏に背景あり、こうしたものでもあるのです。


■厳しい食環境

ヨーロッパは

 

「乾燥地帯」

 

で、雨が少なく、河川も短い。

 

そのため、食用植物が少なく、食品は実に

 

“乏しい”

 

こうしたエリアといえるのです。

 

ヨーロッパの歴史とは

 

「飢え」

 

との闘いの歴史。

 

食べものが少ないからこそ、

 

“大切”

 

にし、使い倒していく。

 

肉からしたたり落ちる脂すらも、絶対にムダにしない。

 

その精神が

 

「ソースの心」

 

というわけです。

 

かつてヨーロッパにおいて、コショウ一粒は

 

“金一匁”

 

に相当するといわれていました。

 

肉の保存にコショウは欠かせないものであったからです。

 

重要であるからこそ、キケン承知で、荒れ狂う海を渡っていった。

 

大航海時代を迎えたのが経緯です。

 

食品をいかに

 

「保存するか?」


これは民族の生死を揺るがすほどの、

 

“死活問題”

 

危険な海を渡り、見知らぬ大陸を目指そうとする。

 

いや、目指さなければ

 

「生きられない」

 

行動の背景には、厳しい食料事情があったわけです。

ヨーロッパが

 

“豪華絢爛”

 

なイメージを持つのは、あくまで産業革命以降の話。

 

300年くらい前からの新しい出来事になります。

 

それ以前は、食べものに執着せざるを得ない事情があった。

 

ソースはこのことを静かに物語っているのです。




■巧みな使い分け
それは日本においても同じです。

温暖で雨の多い気候。

 

日本は旧石器時代から人口密度が世界一高い国といわれています。

 

豊かな食用植物に恵まれてきたことが理由と解説されますが、

 

やはり食べものを巡って、さまざまな

 

「困難」

 

もあったのです。

 

温暖で雨が多いと、どうしても

 

「湿気」

 

の多さに悩まされてしまいます。

 

食べものを保存しようにも、スグに

 

“腐敗”

 

してしまう。

 

そこで先祖たちが考え出した方法が、

 

「カビを以ってカビを制する」

 

という発想。

 

味噌や醤油などの発酵食品は、その知恵の

 

“結晶”

 

といえるものなのです。

また、厳しい年貢の取り立てに悩まされ続けた農民たちは、

 

「品種改良」

 

という手段で、対抗する術を編み出していきました。

 

この面積の田んぼなら年貢は

 

“このくらい”

 

太閤検地でも、徳川幕藩体制でも、年貢米は面積ベースだった次第です。

 

農民たちは、この点に着目し、

 

「打開策」

 

を見出していく。

 

1本の稲になるべく多くの粒が実るようにと、

 

“品種改良”

 

の努力を怠らない。

 

穂数の多い稲の品種を育て、

 

一粒でも多く

 

「手元に残す」

 

このような努力をしていたことが分かっているのです。

 

実際に、室町幕府後期、

 

戦国時代に書かれた『親民鑑月集』には、

 

当時すでに

 

“96種類”

 

もの稲の品種があったことが書かれています。

 

飢饉に強い品種、デンプンの多い品種、穂数の多い品種・・・。

 

このように稲の品種を使い分けることで、あらゆる事態を想定し、

 

「栽培」

 

していた、そんな工夫が垣間見えるのです。

稲のみならず、麦24種豆32種と記されていて、

 

“高地用・低地用”

 

などといった具合に、品種のバラエティーを巧みに

 

「使い分けていた」

 

その様子を窺い知れるのです。


■非常時への対策
家の中にも、工夫がありました。

 

よく、土壁に

 

「ワラ」

 

が混ざっている。

 

そんな旧家の壁を目にした方も少なくないと思われます。

 

とかく、ファッションやデザインの

 

“一環ではないか?”


と思ってしまいがちなのですが、

 

「そうではない」

 

あれは飢えに備えた

 

“非常食”

 

といわれているのです。

飢饉の際には土壁を壊し、ワラを取り出し、水洗いをする。

 

潰して煎じることで、その汁を


「飲む」

 

そのことでワラから出るデンプンを体内に

 

“補給”

 

する。

 

飢えへの備えが土壁のワラには

 

「込められている」

 

と説明されるのです。

 

塩の乏しい山間地帯においては、壁に塩を入れて

 

“いざ!”

 

という時の備えとしておく。

 

また山間地帯では、塩や味噌の塩分含有濃度を

 

あえて高くすることで、

 

「塩不足」

 

への備えにした。

 

塩の供給が不安定な地域では、

 

日ごろから漬物も発酵食も、塩分濃度を高くしておくことで

 

“不測の事態”

 

に備えていたというわけです。

食べものを決して

 

「ムダにしない」

「粗末にしない」

 

そして食べものへの無上の

 

“感謝と尊崇の念”

 

これらの事例から感じるわけなのです。



 
 

■食材先にありき!

最近は

 

「食育」

 

の重要性について盛んにいわれています。

 

”食文化を守れ!”

 

なんてスローガンをよく見かけますが、食文化の前に

 

まずは食材が

 

「先」

 

にあるはずのもの。

 

食材を語らずしての食文化は

 

“あり得ない!”

 

ものといわねばならないのです。

食糧問題はこれまで

 

「量」

 

の面ばかりに比重が置かれ続けてきました。

 

でも現在は、それに加えて農薬、添加物、肥料といった

 

“質”

 

の問題もクローズアップされてきているのです。

食材の質と量とを同時に保つ。

 

そこに環境と調和した永続性のある

 

「食と農」

 

のあり方が常に求められている。

 

そして肥料も農薬も使わない「自然栽培」は、

 

“質・量、そして永続性”

 

の問題に対して、具体的な

 

「解決策」

 

を提示できる農法ではないか?

 

そのように思う今日この頃です。
 

今度お気に入りのレストランにいったら、ソースを眺めて味わって。

 

そして豊かな気分になったらこのブログのことでも、思い出して下さいね。


今回は「ソース」について考えてみました。

 

 

■参考文献

 

 

無肥料無農薬米・自然栽培と天然菌の味噌・発酵食品の通販&店舗リスト

 

 

自然食業界キャリア15年のOBが綴る

無投薬・無医療の生き方マガジン!

 

 

 

にほんブログ村 健康ブログへ
にほんブログ村