Photo: Carlos Zahumenszky (Gizmodo)
「買い急ぐ必要はないかも」
ヨーロッパの田舎に住んでいると、嘘でしょ ?って思うくらい真っ暗な道路を運転しなくてはいけない場面が度々あります。高速道路なのに車のヘッドライトや脇の反射板だけが頼り...というエリアもあったり(本当に暗いので、助手席に座っていると星がきれいに見える!)、つい先日は暗くなった住宅街を走っていたらいきなり鹿が飛び出してきたり...。
今回、米Gizmodoがレビューしたガジェットは、そんな暗闇でのドライブをサポートしてくれる「Lanmodo ナイトビジョン」。使いやすく便利な一方で、ドライブレコーダーや駐車に便利なバックモニターの機能もあったら最高だったのに...という感想も。詳しいレビューがこちらです。
Lanmodo ナイトビジョンシステムは、ほんのちょっぴりバットモービルっぽさを味わせてくれる車用の暗視システム。夜間のドライブもまるで昼間のように変えてくれます。設置から実際に使うまでのプロセスもかなり簡単。専門的な知識も要らないのは助かりました。...というのもこのガジェット、結構な値段がするんです。
私が住んでいるドイツでは、光害やエネルギーの大幅な削減に対して積極的に取り組んでいます。そのため高速道路も暗闇です。どんなに交通量が多い高速道路も例外ではなく、十分にライトアップされていません。
街から街へ移動するときも、とにかく道が暗いので自分の車のライトだけが頼りです。ただ、車のライトだけで十分かといえば、さすがに暗すぎるよなーと感じるときもあります。というわけで、Lanmodoナイトビジョンシステムは私にとってかなり魅力的なガジェットだったんです。
Lanmodo Night Vision
Photo: Carlos Zahumenszky (Gizmodo) これは何:真っ暗な道の運転をサポートする自動車用ナイトビジョンシステム。
いくら:500ドル/600ドル(後部カメラモジュール付)、日本では3万8000円/4万6000円
気に入った:インストール〜使用までのプロセスが簡単。基本的には接続するのみ。とにかく画質が良い。
気になった:価格の割に機能性が乏しい。ドライブレコーダーやセキュリティカメラとしても使えたら良かった。
Lanmodoナイトビジョンシステムは主に、8.2インチのフルHDスクリーンと1台のカメラ、デバイスの背面から伸びるOBDケーブルなどで構成されています。カメラはどこに設置してもスイベルで動かせるので、自分視点での映像になるよう調整しやすいです。
コントロールに関しては、デバイス上部(設置する向きによっては下部)にボタンが7つ配置されています。
Lanmodo ナイトビジョンシステムと接続コードたち Photo: Carlos Zahumenszky (Gizmodo) 背面カメラはスイベル上にあり、位置調整が可能。フォーカスダイヤルがありそうな外観ですが、実際はありません。 Photo: Carlos Zahumenszky (Gizmodo) 付属アクセサリーたち。 Photo: Carlos Zahumenszky (Gizmodo) OBD接続ケーブルのほか、シガーライター接続ケーブルもあります。 Photo: Carlos Zahumenszky (Gizmodo) ライターアダプターとコード。 Photo: Carlos Zahumenszky (Gizmodo) スクリーン調整用のボタン。 Photo: Carlos Zahumenszky (Gizmodo)設置から実際に使ってみるまで
自動車系アクセサリのセットアップは複雑なイメージがあって、モノによっては業者に頼まなくてはいけないこともありますが、Lanmodo ナイトビジョンに関してはとにかく設置が簡単です。GPSの設置と同じくらいシンプルで、基本的にはプラグアンドプレイで使えるようになります。
作業としては、ケーブルをダッシュボードの下に通して、車のOBDケーブル(あるいはライター用コンセント)に接続するのみ。フロントガラスの内側に吸盤アダプタやダッシュボード用の滑り止めマットが同梱されているので、好きな場所を選んで置くことができます(どちらもバッチリ機能してくれます)。
設置が楽だったのと同じくらい、使いやすさも評価できます。プラグを差し込んだ状態でエンジンを入れると、システムが自動で起動します。周囲の光を認識して、最適な画像モードを選択するのも自動でやってくれます。フロントガラスに取り付けている場合のみ、画像を上下逆にする必要があります。それも10秒かからないくらいなんですけどね。
じゃあ先述の7つのボタンでは何ができるのかというと、電源のオン/オフ、スクリーンの明るさやコントラストの調節、画像の回転、白黒/カラーの選択などがあります。オプションの背面カメラ(100ドル)があれば、前面カメラと切り替えることもできます。
スクリーンに映し出されるのは、カメラでキャプチャされた2つの画像を組み合わせたもの(光を拡大するSony MCCDセンサーから最初の画像を取得し、赤外線センサーから2番目の画像を取得)になっています。周辺光が少ない場合には色情報が消える可能性があるので、赤外線のみに切り替えるのが得策です。
ただLanmodo ナイトビジョンは、外部光が検出されない場合(暗い高速道路でライトをオフにしたときなど)にかぎって、自動的に赤外線に切り替わります。赤外線センサーは他のセンサーほど高い解像度をキャプチャしないため、画質は1080pから480pに落ちて、白黒画像になります(外部光源がなく車のライトも消灯している、完全な暗闇でのみなので、非常に限定的なケースかと思います。)
白黒画像(480p)の方には猫が映っているのがわかりますか? Photo: Carlos Zahumenszky (Gizmodo)スクリーンはどんな感じ?
それ以外では画質は素晴らしく、不快になったり危険を感じたりするタイムラグもなかったです。画面上の情報のみを頼りに運転することは危険なのでお勧めしません。改めて私が言うことでもないですが、道路から目を離さないでくださいね。
ひとつ気になっているのは、濃霧でもどれくらい視認性向上に役立つのか。レビューを書いているあいだは霧に遭遇するタイミングがなかったのでまたこれは別のときにお話できればと思います。
ライター用コンセントに接続してみると、こんな感じになりました。 Photo: Carlos Zahumenszky (Gizmodo) 日中の画質はこの通り素晴らしくて、タイムラグもゼロ。 Photo: Carlos Zahumenszky (Gizmodo) 画面だけで得られる情報は、フロントガラス越しに見える情報よりも圧倒的に限られているので、運転するときは道路から目を離さないよう注意です。 Photo: Carlos Zahumenszky (Gizmodo)ナイトビジョンが大きな役目を果たすのが、夜間です。自分の目とヘッドライトだけでは得づらい情報を見せてくれます。スクリーンが映し出す視野は36度、約300メートル先までの距離。道路の暗い地点がハイライトされるので、ヘッドライトの範囲外に潜んでいる動物やその他物体もよく見えるようになります。
夜間でも、まるで昼間のような視界が得られる。 Photo: Carlos Zahumenszky (Gizmodo) 低光な道路の運転でも頼りになるスクリーン。 Photo: Carlos Zahumenszky (Gizmodo) 唯一の問題は、対向車の光を遮れず、スクリーンの一部がパッと白浮きすること。 Photo: Carlos Zahumenszky (Gizmodo)田舎道をゆっくりとテスト運転していた際に、画面に黒い物体が映ったことがありました。ライトをつけても目視では見えず、画面で確認すると小さな猫だったことがわかりました。
一方、夜間に使用していた際は、対向車の光が画面に入り込むと白く飛んでしまう傾向がありました。この問題には、画面の明るさを下げることで大幅に改善できたのですが、そうでなければ目がくらむので注意です。
どんな人に向いてるガジェット?
総じて、Lanmodo ナイトビジョンはどんな運転手にも向いているシステム...とは言い切れません。道路が十分に明るく、車のリアライトも良好であれば、特に必要ないかと思います。
ただ、私のように古い車(2008年のフォードフォーカス)を使っている人や、田舎に住んでいて、暗い道や舗装されていない道路を運転しなければいけないことがある人にはかなり役立つはずです。森林技術者や農場を持っている人は、Lanmodoナイトビジョンシステムによって車の運転がガラッと変わるのではないでしょうか。
でも、ここまで便利なのにボトルネックとなるのが500ドル(背面カメラを含めると600ドル)という金額。(編注:日本では1万円ほど安く、4万円~5万円ほど。)値段のわりに、機能の幅が狭すぎるように感じています。ドライブレコーダーやセキュリティカメラとしても使えたら良かったんですけどね...。
Lanmodoは、今年後半にクラウドファンディングのIndiegogoで新世代のナイトビジョンシステムのキャンペーンを予定しています。その際にはまた最新版との比較をしてみたいと思っています。というわけで現時点で言えるのは...暗闇で運転する機会がさほどないという方は、急いで買う必要はないかもしれません。
README
・昼も夜間もとにかく画質が良い。
・設置するのも使うのも、かなり簡単。
・多機能ではないのが残念。夜間のドライブをサポートしてくれる、それだけ。
・できることは限られているのに、良い値段する。
(出典 news.nicovideo.jp)
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