4年以上も記事更新がなく放置されております。ブログ主のオケアノス銀龍です。

ブログ主は現在「西洋占星術」を用いての鑑定・講座は一切行っておりません。

 

 

四柱推命についての専門的サイト↑を立ち上げ、現在はそちらを主として鑑定・オンライン講座を行っています。東洋占術にご関心がおありの方はご覧ください。

 

思うに、新宿や渋谷の「占い館」であったり、横浜中華街の占いコーナーなどを見てみても、タロットと占星術で占います系の占い師は「掃いて捨てるほど」大量におられます

 

つまり、西洋占星術(特にモダン占星術)&タロットをやっています、と言うだけでは「他の占い師との差別化にはなりにくいのではないか?」と感じます。

 

そこで東洋占術の出番です。

 

四柱推命は、東洋占術の中心にある占いですが、流派や系統によって教えている内容がまちまちで「当たり外れの大きい占い」です。ちまたに流通している「通変星・元命星占い(いわゆる泰山流の四柱推命として認知されているもの)ははっきり言ってあまり当たりません。

 

上記の専門サイトでは、ちまたの書店の四柱推命本コーナーでは学ぶことが難しい、陰陽五行論に則った「本来あるべき推命学」の理論をお伝えしています。

こうした本来あるべき正しい四柱推命の理論は、モダン系の西洋占星術と比べても非常に高い的中率を誇り、具体的な開運方法やアドバイスも立てやすい占術です。

 

他の占い師との差別化を考えたい方、東洋占術を何か1つ極めてみたい方、ちまたに広く流通している泰山流から派生した「通変星・元命星」しか見ない四柱推命にうんざりしている方、に新しいオプションを提供できるかと思います。

 

あちこちの「占い館」などを見てみても、最近は「東洋占術」を専門にされている占い師はかなり少なくなってきているようです。その意味では差別化を図っていくのには最適なのではないでしょうか?

四柱推命、中国風水、易占(断易や周易)の3つをマスターすれば、東洋系占術のプロとしても十分やっていけると思います。

10天体12サイン(および3モダリティ4エレメント)、アスペクト理論が終わりました。

(個々のアスペクトの詳細=天体×天体の組合せと象意についてはまた別途書く予定です)

 

 

西洋占星術の基礎論のうちで残っているのはハウス理論です。

あと支配星(ルーラー)についてもまだきちんと書いていませんね。

 

読者の皆様はここまでの記事をきちんと理解されているでしょうか?

 

天体、サイン、ハウス、アスペクトという4つの基礎理論が分かっていないと

資質や性格、適職、恋愛結婚、相性判断、未来予測といった中級以降の内容を

正しく理解することができません。何事も基礎からの積上げ(土台)が大事なのです。

 

さて、今回は「そもそもハウスって何なのさ?」というカラクリのお話です。

さらに言えば、サインとハウスは働きや役割がどのように違うのか?ということです。

 

 

ネイタル図を見れば、外側の円周は12サイン(黄道)を示しています。

それに対して、内側の部分は12ハウスに仕切られているわけです。

 

つまり、1枚のホロスコープ(平面図)の中に

外部の円周(サイン)内部の円周(ハウス)という

性質が異なる2種類の円周がハイブリッドされている構造になっているのです。

 

 

「外周」を構成している「ゾディアック」(黄道12宮)の12サイン

1年をかけて太陽が通っていく公転軌道であり、四季の変化を表します。

(牡羊座が春分点、蟹座で夏至、天秤座で秋分点、山羊座が冬至ですね。

ちなみに、太陽の移動速度は 夏の期間はやや遅くなり、冬場はやや速くなります。)

 

これは地上世界とは関係がなく、天上の世界だけで完結しているお話です。

天空において1年をかけて太陽が通っていく専用の通路(王の道)です。

 

この黄道上の12区画が「サイン」で、そのどこに入居しているかによって

そこに入る惑星が帯びる性質や色づけが変わってくる

あるサインと別のサインにある天体間では「アスペクト」が発生する

というのがサインやアスペクトの理論です。これらは全て天の世界でのお話です。

 

 

それに対して、ホロスコープ内部にある12ハウスの分割というのは

斜めに輪切りになっている黄道帯を、地上のある地点から眺めながら

 

太陽の上昇点(東の地平線)南中点(天頂)下降点(西の地平線)北中点(天底)

という東西南北の起点となるポイントを定めて、空間を12分割したエリアです。

 

 

ですから、こちらの方は、天空の世界の話なのではなく

あくまでも、地上のある1地点から捉えた「地上の視点」です。

だからこそ、ハウスが意味するのは、地上の具体的な物事の領域なのです。

 

あるサインに入っていて、あるアスペクトを持っている天体が

地上のどのハウスに降りてくるのかによって、その天体の作用が

どの領域や分野や事象のなかに現れてくるのかを表示するのがハウスの機能です。

 

という抽象的なお話をしても、おそらく大多数の読者にはよく分からないでしょう(笑)

なので、具体的なケースを見ることで、ハウスの構造と作用を体感してみましょう。

 

◆ 出生時刻が変われば ハウス配置が大きく変わる!

 

同じ日(1/29)に生まれた人で、出生時刻が異なる4枚のホロスコープを分析しましょう。

明け方、正午ごろ、夕暮れ、深夜 で どのようにハウス配置が違ってくるでしょうか?

 

ちょうどこの日付の星の配置は半球だけに偏っていますので説明に好都合です。

 

 

明け方に生まれた場合は

太陽の位置は 東の地平線(上昇点=アセンダント)あたりにありますね。

この人の場合、全ての天体が「東半球」に偏っています。(1・2・3・10・11・12ハウス)

 

東半球に天体が偏る場合は、他人の立場や意見を全く考慮しない

自分の考えや思いだけで突っ走る傾向が強くなります。

東側のASC=第1ハウスでは「自分軸」「能動性」が強調されます

 

 

この出生図のように、第1ハウスに太陽がある人は、

基本的に他人の話は聞かず、糸が切れた凧のように気儘に行動します。

第1ハウスにある天体は「三つ子の魂 百まで」の修正しにくい先天的性格を示します。

 

 

さて、では正午頃に生まれた人ではどうでしょうか?

今度は太陽はMC(南中点=天頂)あたりにやってきます。

 

注意してほしいのは、先ほどと個々の天体の位置はほとんど変わっていません

月が22度から25度に動いただけで、他の9つの天体はほぼ同じ度数にあります。

つまり、出生時刻が変わっただけでは、天体の相対的な位置関係はほぼ変わりません。

 

しかし、地上から見た区分である「どのハウスに入るか?」が全く違ってしまうのです。

 

このように、多くの天体が南半球に偏っていて(南半球は 7・8・9・10・11・12ハウスです)

太陽が10ハウスにあり、MC付近に天体が多く集まっているタイプの人は

社会生活がとにかく華やかになります。

 

天頂=MCは、そのチャートで最も太陽が高く昇って輝きの頂点を極めるポイントです。

正午の太陽光線が明るく燦燦と降り注ぐわけですから

大衆からの評価や、社会におけるスポットライトや称賛を浴びて

目立つ公的ポジションで活躍し、脚光を浴びる生き方を求めるのです。

 

社会・会社・仕事のために人生の大半の時間を過ごすことで充実感を感じます。

逆に言えば、北半球が空っぽなので、プライベートな個人生活は空疎になります。

仕事がoffになり長期休暇になると、何をしたらいいのか分からなくなるタイプです。

別の言い方をすると、きわめて外向的なキャラです。

 

 

 

さて、夕方ごろの出生時刻ではどうでしょうか?

月は25度から28度まで進みました。もうすぐ魚座から牡羊座に入りますね。

太陽は西の地平線=下降点(ディセンダント)にあります。

 

この出生時刻では、MCにある天王星を除くすべての天体が

西半球(4・5・6・7・8・9ハウス)に集中して偏っています。

 

 

DSC=第7ハウスは、他者(相手)、対人関係、パートナーを示す領域です。

そこに太陽やその他の天体が集中する人は、受け身的で、他人に合わせる人です。

「他者軸」で「受動的」に生きようとします。

 

明け方生まれの東半球に天体集中していた人とは真逆になります。

自分はこう思う、自分が決断して断行して何かをするという能動性が欠落して

周囲の人がそう言ったから、他人にそう求められたからそうする、という生き方になります。

 

この人は、自分があまり無い、自我や能動性が不明確なタイプなので

常に周囲の目や他者の意見を気にして左右されやすく

他者との「社交関係」が人生における中心テーマになってきます。

 

 

さらに、深夜生まれだとどうなるでしょうか?

月は魚座28度から進んで、ついに牡羊座1度にサイン自体が変わりました。

 

月は性格を決める「3大感受点」の1つなので、魚座と牡羊座では全く変わってきます。

その他の天体では、太陽、水星、金星が明け方と比べて約1度ほど進んでいます。

 

天体の配置では、太陽は北中点=ICのあたりに沈んでいます。

真夜中ですから、昼間の天頂=MCの反対側に来ます。

北半球(1~6ハウス)に、天王星以外の天体がすべて入っています。

 

北半球集中型は、社会における「地位や肩書」にはあまり関心がありません。

人からどう社会的に評価されようがされまいがあまり気に留めないし

社会活動に重点を置くよりも、マイホーム生活や自分の趣味に時間を費やす人です。

 

別の言い方をすると、きわめて内向的なキャラです。

あまり好んで外に出て行って、多くの人の注目を集めたいとは思わない人です。

 

というふうに、同じ1日にも関わらず、出生時刻が変わるだけで

天体がどのハウスに配置されるかが全く違ってくることがお分かり頂けたでしょうか?

 

月以外の天体の相対的な関係(度数)は大きく変わりませんが

ハウス配置が変わることで、その人がどんな生活スタイルを好み

どの領域で自己表現して生きていこうとするのか?

がまったく天と地ほども変わってくるのです。

 

さらに、ASCや月のサインが違ってくると、基本的なキャラクターにも違いが生じます。

このように、西洋占星術は「出生時刻」に大きなウエイト(個人差)を置いています。

個人差やオリジナリティが端的に表れるのが「出生時刻の違い」なのです。

 

このあたりが、出生時刻をあまり重視せず、日付(月と日の関係)だけに注目する

東洋占(四柱推命)とは大きく違っている点でしょう。

(なので、私は出生時刻が不明ならば、四柱推命に重きを置きますが

正確な出生時刻が分かるならばホロスコープに重きを置いて鑑定します)

 

ホロスコープの語源は「東の空」という意味で、出生時刻のASC(上昇宮)を指しています。

 

古代ギリシャ人たちは、個々人の運命の具体的違いを産み出すのは、

「生まれた時刻」の違いである、と考えていたことになります。

サインの3区分(モダリティ)をふまえて90度スクエアの作用を考えていきましょう。

 

3つ離れた90度の位置関係になるサイン同士は

「活動宮」「不動宮」「柔軟宮」というモダリティ(3区分)が同じです。

 

 

同じような行動パターンでアクションしようとするが

属するエレメントの折り合いが悪いために同時に両立することが難しく

葛藤や困難を経験して、横やりを入れられる関係が90度スクエアです。

 

「行動パターンは同じ」にも関わらず

関心を向ける対象や方向性が大きくズレるという関係性です。

 

例えば、蟹座と天秤座で 90度スクエアがある場合は

「活動宮」という点では同じなので、今すぐに行動しよう

自分からアクションを率先して起こそう、という行動パターンは同じです。

 

しかし、一方の蟹座は「水サイン」なので「気持ちレベルの深い共感」が最優先されます

蟹座は狭い範囲内の少数名とだけ家族的な共感を温めたいという閉鎖性を持っています。

 

どころが、一方の天秤座は「風サイン」で情報交換というライトな付き合いしか望みません。

天秤座は「不特定多数の他者」と誰でも開けっぴろげに付き合える開放型です。

 

結果として、この2つの方向性はそう簡単には両立しません

 

「あちらを立てれば、こちらが立たず」という両立不能性に葛藤しやすいのです。

これが90度スクエアが不調和座相(ハードなアスペクト)と言われる理由です。

 

うまく2つの方向性を両立したり、折り合いを付けて「統合」していくには

最初は困難や葛藤が伴います。努力とチャレンジが必要となるのです。

 

 

180度オポジション「対向するハウスやサイン」にもともと「相補性」があり

 

エレメントの関係で見ても、火と風、地と水という もともとの親和性が高い

60度セクスタイルと同じような4元素の組合せになっています。

 

なので、オポジションはハードアスペクトの中では比較的「統合」しやすいのです。

 

それに対して、90度スクエアでは、4元素の関係は

火と水、風と地火と地、風と水、とあまり親和的とは言えない組合せになります。

火と地、風と水は、Dry同士やMoist同士なので、まだ少なからず親和性があります。)

 

ゆえに、なかなか両立させることが困難で、

あちらを立てればこちらが立たずという葛藤や困難さを覚えることが多いのです。

ゆえに、本当の意味でハードなアスペクトは90度だけだ、という人もいます。

 

 

土(Hot&Dry)に対して、水(Cold&Moist)ですから、その性質において正反対です。

風(Hot&Moist)に対して、地(Cold&Dry)ですから、その性質において正反対です。

これら反属性は、媒介する共通要素が皆無なので相互に転換することがありません。

 

(いちばん統合が困難なのは、火と水=牡羊座と蟹座、獅子座と蠍座風と地=天秤座と山羊座、水瓶座と牡牛座です。例外は、射手座と魚座、双子座と乙女座で、これらは共通する支配星としての木星や水星を媒介することで折り合いが付けやすい関係となります)

 

例えば、太陽と月が90度スクエアになっているケースを考えてみましょう。

 

「太陽」は、お仕事や社会的役割や自己実現における活動なのに対して

「月」は、女性の場合は「家庭の中での妻の役割」をも意味します。

 

太陽と月が90度スクエアを持っている女性は、結婚した後に

「家の外で社会的な仕事=自己実現の活動をしたい」という公的欲求

「家庭の中での家事育児などを疎かにできない」という内的必要性との間で

大きな葛藤や両立困難さを体験しやすい傾向があるようです。

 

太陽と月がソフトアスペクトである場合は、お仕事と家のことが調和しやすく

両立がスムーズにいきやすいわけですが

 

太陽と月がスクエアであれば、仕事の最中には「家のこと」が気になるし

家事をしていても、仕事のことが気に掛かって落ち着かない傾向です。

 

◆ ハードアスペクトとモダリティの関係性

 

ちなみに、90度や180度といったハードアスペクトは

どのモダリティ(活動・不動・柔軟)に属するのか?によって違いが生じます。

 

 

「活動宮」における90度スクエアだと

AとBという両立が難しい2つの事柄について

 

とりあえず、先にAだけに専念してすごい勢いでガーッとやって

そのままの勢いで、今度はBにシフトしてこれまた勢いだけでガーッとやって

というふうに、勢いに任せてパワフルにどちらも着手しようとします

 

どちらも中途半端に終わり、ストレス溜まって悲壮感が残るという傾向があります。

これは「活動宮」の行動パターンや時間間隔が「いつやるの?今でしょ!!」

という「今すぐ着手しないと気が済まない型」だからです。

 

基本的に、活動宮において90度や180度のハードアスペクトができている人

非常に活発で行動的です。いつもじっとしていられず何かに急かされて

強迫観念的に「次はアレをしなければ」と焦りと衝動に動かされている人でしょう。

 

先ほどの「太陽と月の90度」を例に挙げると

活動宮の90度ならば、家庭内のことをとにかく猛スピードにこなしつつ

次のタイミングでは、外のお仕事のことを猛烈にこなす直列方式

とにかく回転数を上げていって、勢いで2つの事柄をタンデム処理しようとします。

 

 

これに対して、「不動宮」における90度はまったく様相が違っていて

AもBもやらないといけないという緊迫した意識は持ちながらも、

不動宮の人が、実際にやっているのは、AかBかのどちらか1つだけです。

 

それは、不動宮の行動パターンとして、1つのことに着手すれば

過去から未来まで一貫してずっとそのこと一事に専心して維持していくからです。

 

Aをやっているモードから、Bに取り掛かるモードへ切り替えること自体に

大きな心的労力を要する(一度降ろしたお尻がなかなか上がらない)のが不動宮です。

転がっているボーリングの球がそう簡単には方向転換できないのと同じです。

器用にあれもこれも2つの事を両立することが不得手なのが「不動宮」です。

 

 

それに対して、「柔軟宮」における90度はまったく違います。

柔軟宮のハードアスペクトはあまり困難さや両立不可能な葛藤を感じません。

 

それは、もともと「柔軟宮」の行動パターンが

同時進行であれもこれも並行処理するという特性を持っているからです。

 

ゆえに、AとBの両立が難しそうでも、意外と隙間をぬって

器用にチョコチョコとやり繰りして、同時並行処理が可能なのです。

なので、柔軟宮のハードアスペクトには困難さや葛藤が少ない傾向があります。

抜け道やガス抜き穴があちこち空いているようなイメージでしょうか。

 

90度スクエアは、このように両立が難しく、統合していくことに

最初は困難さを覚え、葛藤を感じるものですが、そのチャレンジングな課題を

乗り越えて解決できれば、その後は非常な「強み」に転化します。

 

その際に、モダリティの関係性から

両立と統合のために有効なのが「次のモダリティによる補助」です。

活動宮は不動宮の、不動宮は柔軟宮の、柔軟宮は活動宮の補助が必要なのです。

(セクスタイルやトラインで補助的に作用する天体・サイン・ハウスが課題を解く鍵となります)

 

この視点は、オポジションやスクエアの両立困難性や統合課題をどこに着目して、

新しい視点を補って、うまく解決して折り合いを付けて消化していくかのヒントになります。