サインの3区分(モダリティ)をふまえて90度スクエアの作用を考えていきましょう。

 

3つ離れた90度の位置関係になるサイン同士は

「活動宮」「不動宮」「柔軟宮」というモダリティ(3区分)が同じです。

 

 

同じような行動パターンでアクションしようとするが

属するエレメントの折り合いが悪いために同時に両立することが難しく

葛藤や困難を経験して、横やりを入れられる関係が90度スクエアです。

 

「行動パターンは同じ」にも関わらず

関心を向ける対象や方向性が大きくズレるという関係性です。

 

例えば、蟹座と天秤座で 90度スクエアがある場合は

「活動宮」という点では同じなので、今すぐに行動しよう

自分からアクションを率先して起こそう、という行動パターンは同じです。

 

しかし、一方の蟹座は「水サイン」なので「気持ちレベルの深い共感」が最優先されます

蟹座は狭い範囲内の少数名とだけ家族的な共感を温めたいという閉鎖性を持っています。

 

どころが、一方の天秤座は「風サイン」で情報交換というライトな付き合いしか望みません。

天秤座は「不特定多数の他者」と誰でも開けっぴろげに付き合える開放型です。

 

結果として、この2つの方向性はそう簡単には両立しません

 

「あちらを立てれば、こちらが立たず」という両立不能性に葛藤しやすいのです。

これが90度スクエアが不調和座相(ハードなアスペクト)と言われる理由です。

 

うまく2つの方向性を両立したり、折り合いを付けて「統合」していくには

最初は困難や葛藤が伴います。努力とチャレンジが必要となるのです。

 

 

180度オポジション「対向するハウスやサイン」にもともと「相補性」があり

 

エレメントの関係で見ても、火と風、地と水という もともとの親和性が高い

60度セクスタイルと同じような4元素の組合せになっています。

 

なので、オポジションはハードアスペクトの中では比較的「統合」しやすいのです。

 

それに対して、90度スクエアでは、4元素の関係は

火と水、風と地火と地、風と水、とあまり親和的とは言えない組合せになります。

火と地、風と水は、Dry同士やMoist同士なので、まだ少なからず親和性があります。)

 

ゆえに、なかなか両立させることが困難で、

あちらを立てればこちらが立たずという葛藤や困難さを覚えることが多いのです。

ゆえに、本当の意味でハードなアスペクトは90度だけだ、という人もいます。

 

 

土(Hot&Dry)に対して、水(Cold&Moist)ですから、その性質において正反対です。

風(Hot&Moist)に対して、地(Cold&Dry)ですから、その性質において正反対です。

これら反属性は、媒介する共通要素が皆無なので相互に転換することがありません。

 

(いちばん統合が困難なのは、火と水=牡羊座と蟹座、獅子座と蠍座風と地=天秤座と山羊座、水瓶座と牡牛座です。例外は、射手座と魚座、双子座と乙女座で、これらは共通する支配星としての木星や水星を媒介することで折り合いが付けやすい関係となります)

 

例えば、太陽と月が90度スクエアになっているケースを考えてみましょう。

 

「太陽」は、お仕事や社会的役割や自己実現における活動なのに対して

「月」は、女性の場合は「家庭の中での妻の役割」をも意味します。

 

太陽と月が90度スクエアを持っている女性は、結婚した後に

「家の外で社会的な仕事=自己実現の活動をしたい」という公的欲求

「家庭の中での家事育児などを疎かにできない」という内的必要性との間で

大きな葛藤や両立困難さを体験しやすい傾向があるようです。

 

太陽と月がソフトアスペクトである場合は、お仕事と家のことが調和しやすく

両立がスムーズにいきやすいわけですが

 

太陽と月がスクエアであれば、仕事の最中には「家のこと」が気になるし

家事をしていても、仕事のことが気に掛かって落ち着かない傾向です。

 

◆ ハードアスペクトとモダリティの関係性

 

ちなみに、90度や180度といったハードアスペクトは

どのモダリティ(活動・不動・柔軟)に属するのか?によって違いが生じます。

 

 

「活動宮」における90度スクエアだと

AとBという両立が難しい2つの事柄について

 

とりあえず、先にAだけに専念してすごい勢いでガーッとやって

そのままの勢いで、今度はBにシフトしてこれまた勢いだけでガーッとやって

というふうに、勢いに任せてパワフルにどちらも着手しようとします

 

どちらも中途半端に終わり、ストレス溜まって悲壮感が残るという傾向があります。

これは「活動宮」の行動パターンや時間間隔が「いつやるの?今でしょ!!」

という「今すぐ着手しないと気が済まない型」だからです。

 

基本的に、活動宮において90度や180度のハードアスペクトができている人

非常に活発で行動的です。いつもじっとしていられず何かに急かされて

強迫観念的に「次はアレをしなければ」と焦りと衝動に動かされている人でしょう。

 

先ほどの「太陽と月の90度」を例に挙げると

活動宮の90度ならば、家庭内のことをとにかく猛スピードにこなしつつ

次のタイミングでは、外のお仕事のことを猛烈にこなす直列方式

とにかく回転数を上げていって、勢いで2つの事柄をタンデム処理しようとします。

 

 

これに対して、「不動宮」における90度はまったく様相が違っていて

AもBもやらないといけないという緊迫した意識は持ちながらも、

不動宮の人が、実際にやっているのは、AかBかのどちらか1つだけです。

 

それは、不動宮の行動パターンとして、1つのことに着手すれば

過去から未来まで一貫してずっとそのこと一事に専心して維持していくからです。

 

Aをやっているモードから、Bに取り掛かるモードへ切り替えること自体に

大きな心的労力を要する(一度降ろしたお尻がなかなか上がらない)のが不動宮です。

転がっているボーリングの球がそう簡単には方向転換できないのと同じです。

器用にあれもこれも2つの事を両立することが不得手なのが「不動宮」です。

 

 

それに対して、「柔軟宮」における90度はまったく違います。

柔軟宮のハードアスペクトはあまり困難さや両立不可能な葛藤を感じません。

 

それは、もともと「柔軟宮」の行動パターンが

同時進行であれもこれも並行処理するという特性を持っているからです。

 

ゆえに、AとBの両立が難しそうでも、意外と隙間をぬって

器用にチョコチョコとやり繰りして、同時並行処理が可能なのです。

なので、柔軟宮のハードアスペクトには困難さや葛藤が少ない傾向があります。

抜け道やガス抜き穴があちこち空いているようなイメージでしょうか。

 

90度スクエアは、このように両立が難しく、統合していくことに

最初は困難さを覚え、葛藤を感じるものですが、そのチャレンジングな課題を

乗り越えて解決できれば、その後は非常な「強み」に転化します。

 

その際に、モダリティの関係性から

両立と統合のために有効なのが「次のモダリティによる補助」です。

活動宮は不動宮の、不動宮は柔軟宮の、柔軟宮は活動宮の補助が必要なのです。

(セクスタイルやトラインで補助的に作用する天体・サイン・ハウスが課題を解く鍵となります)

 

この視点は、オポジションやスクエアの両立困難性や統合課題をどこに着目して、

新しい視点を補って、うまく解決して折り合いを付けて消化していくかのヒントになります。