マツタケの生産量が日本で激減した原因は里山の放置。今後の対策についても考える

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松茸

私が子供の頃は1年に何回かは必ず「マツタケご飯」を食べていました。傘の開いた値段の安いマツタケを買っていましたが、とても良い香りがしたことを懐かしく思い出します。

ところが近年は、国産マツタケは高級料亭で出されるくらいで、一般庶民の口にはほとんど入りません。今や日本市場のマツタケの95%が外国産です。

中国産やカナダ産、アメリカ産などがスーパーに少し並ぶ程度になり、我が家でも全くマツタケを食べない年もあるようになりました。

あまりにもマツタケが高値なので、我が家では「エリンギ」に「松茸風味」を混ぜて炊き込んだ『マツタケご飯(もどき)』を食べたこともあるくらいです。

マツタケの生産量推移

今回は、マツタケの生産量が日本で激減した原因と対策について考えてみたいと思います。

1.マツタケの生育環境

マツタケは、腐植質の少ない比較的乾燥した土壌のアカマツ林に生育するキノコです。

マツタケのシロ(菌糸)が残っていれば、毎年マツタケが生えてきます。

分厚い腐葉土でふかふかする「富栄養化」した「豊かな森」ではなく、どちらかと言えば下草などの生えていない痩せた土地」の方がマツタケの生育には適しているのです。

その理由は「マツタケ菌は競争力が極めて弱い」ため、「富栄養化した豊かな森」になると、「他の雑多な菌が繁殖して、それらの菌に負けてしまう」からです。

このデリケートさが「人工栽培できない」大きな理由ですが、もう一つは「他のキノコ類が『死んだ木』に生える」のに対して、「マツタケは『生きたアカマツに生える」ということです。

マツタケ山

アカマツの樹齢が20年から30年になるとマツタケが出来るようになり、30年から40年が最も活発で、70年から80年になると出来なくなります。人間が成人して老衰するまでのライフサイクルと似ていますね。

マツタケ独特の芳香の成分は「1-オクテン-3-オール」という不飽和アルコールで、一般には「マツタケオール」とか「マツタケアルコール」と呼ばれています。

「香り松茸、味しめじ」と言われるようにマツタケの魅力はあの香りですが、欧米人には全く不評ですので、「外国人のおもてなし」には不向きな食べ物です。欧米人にはマツタケの香りは「革靴に籠った臭気」とか「軍人の靴下の臭い」と感じられるそうです。

「セミの声が西洋人には『雑音』としか聞こえない」という話を聞いたことがありますが、人種や民族によって感受性がこれほど違うとは驚きです。

2.日本のマツタケの生産量・輸入量の推移

マツタケの生産量・輸入量推移

日本のマツタケの生産量は、1941年(昭和16年)の12,000トンをピークに、近年では100トン前後にまで激減しています。1975年(昭和50年)ごろから輸入が始まり、日本人のマツタケ消費需要に対応しています。

ところで、日本人にとっては不思議なことですが、欧米人はマツタケの香りを好まず、マツタケを食べません。中国人や韓国人も日本人ほど好んで食べないそうです。

このことは、「日本食ブーム」でクロマグロが不足するような事態にならなくて、日本人には幸運なことと言うべきかもしれません。

3.生産量激減の原因

「酸性雨」とか「松枯れ病」、「里山の放置」、「地球温暖化」、「環境破壊」などいろいろな説がありますが、いまだに原因の科学的証明はなされていないそうです。

しかし、中国や北朝鮮、カナダ、アメリカなどではそれなりに収穫されていますので、日本特有の原因としては、「里山の放置が大きいと思います。

マツタケは「栄養の乏しい土地」に育ち、その土地が豊かになるにつれて姿を消していくのです。「土地が豊かになる」とは、下草や竹が生い茂り、落葉が降り積もって腐葉土が厚く堆積し「富栄養化した土地」になることです。

戦前は里山は肥料にするために落葉を集めたり下草刈りをしたりしました。また燃料にするために枯れ枝を集めて薪にしたり、木を伐って炭焼きをしたりシイタケの原木(ほだ木)にしたりする「人手」が入っていました。戦後、林業を続ける後継者がいなくなったり、腐葉土や薪炭を利用しなくなったこともあって、里山の山林が放置されてしまったのです。

4.生産量増加の対策

(1)法人による山林管理

一番効果があると思われるのは、「里山の手入れの復活です。これには、高齢化した山林の所有者だけでは無理な話なので、「農業法人」と同様に「法人による山林管理を全国的に進める必要があるのではないでしょうか?

その法人が複数の山林をまとめて管理するやり方です。マツタケだけでなく、シイタケ栽培も大規模化すればスケールメリットも出るのではないかと思います。

また、間伐材を「割りばし」に積極的に活用したり、「バイオマス」に利用することも有効だと思います。

(2)林業に従事を希望する都市出身者の活用

近年、山村の活性化や、荒廃した山林の整備のために「林業を志望する若者も増えているそうです。現在はこれらの若者の窓口としては、伝統的な「森林組合」「森林組合連合会」がありますが、近代的な民間の会社組織がもっと増えた方がよいのではないかと私は思います。

(3)ニートやフリーターの活用

都会での生活に疲れて、自然の中での生活を好むニートやフリーターであれば林業に興味を持つ人もいるのではないかと思います。彼らを労働力として活用することも一法だと思います。

もちろん、正社員として林業に従事することを希望する若者を採用できれば、それが理想的です。

(4)外国人労働力の活用

私は、「なし崩し的な移民」になるような外国人労働者を大規模に入れることは反対です。しかし、(2)(3)の方法でも労働力が不足するようであれば、外国人労働力に頼ることもやむを得ないかもしれません。


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