戸籍女子の性同一性障害ですが男子トイレを使ってます | 占い師を目指す人のウラガワ

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性同一性障害関連の裁判のニュースがあったので、私も当事者としてコメントします。

どんな裁判だったかと言いますと。


経済産業省の職員の方は、MTF(男子生まれ、女子と自覚)は、ホルモン治療はしているものの、まだオペをしていないので、戸籍上は男子のままだけど、治療と見た目の容姿は女性化しているのもあり、女子トイレを使用したいと。

でも、お堅い経産省では、女子トイレを使うなら、人目につかないような遠いところのトイレを使うように、と言われたそうです。

また、人事異動に関しても、戸籍が男子のままというだけで不利益を受けており、戸籍上の性別をカミングアウトせよ、と強制的なことを言われたそうです。

それで原告の方は、上からのパワハラ(うちの業界で言うソギハラ)で精神的に病んでしまい、休職なさったそうで。

注:ソギハラ=SOGIハラ
性自認や性指向について嫌がらせを受けること
つまりLGBT当事者に対する嫌がらせ

それで、経産省の対応はイカンということで、訴訟を起こした結果、国に賠償金が支払いなさい、という判決が出ました。


私なりにこの裁判と判決をまとめていうと、

性同一性障害で戸籍の性別を変更していなくても、ホルモン治療(私のようなFTMであれば胸オペまで)していれば、戸籍上の性別とは異なるトイレを使っても可能

です。


原告のようなMTFの方には、勇気づけられる判決だったと思います。

MTFの方は治療を受けてても、どこか男子の名残が残ってしまうのと、日本社会が男社会なので、この手の問題には世間はシビアなようです。

同じ性同一性障害でも、MTFの方のほうが社会的に大変だなあと、個人的には思います。


私のような、女子→男子のFTMの場合、ホルモン療法をしていれば、男にしか見えない外見になってしまいます。

だから今の容姿の状態で、戸籍上の性別である女子トイレに入ると、

キャーーー!!男がいるーーーー!!!

と女子の皆さんに言われて、通報されてしまいます。

ですので、戸籍の性別がどうだろうと、容姿が男になってしまったら、女子のみなさんに迷惑をかけないために、男子トイレに入ってます。

ホルモン治療をはじめてから10数年がたちますが、男子トイレで何か問題があったことは一度もありません。

もちろん個室オンリーです。

男子トイレでは私は、男として認識されているようです。

ですので、FTMについては、ホルモン治療以上のことをしている方なら、必然的に男子トイレに入らざるをえないので、トイレ問題はないんですね。



しかし、FTMは容姿問題はないのですが、戸籍上の性別の問題はあります。

ただし、銭湯、温泉、プールなど、オペをしていないと女子であることがわかってしまう場には、先方に迷惑をかけてしまうので行きません。

問題があるのは、今回の裁判に出てきたように、性同一性障害であることを職場にカミングアウトするのかどうか、とか、パートナーが戸籍上同性の場合に、法的に婚姻できないとか。


私の場合は後者で、現在のパートナーは同じFTMで、戸籍上の性別は2人とも変えていないので、同性パートナーです。

なので、性同一性障害であることの不利益はあまり受けていませんが、同性婚ができないことで不利益はこうむってます。

同性婚は裁判が継続中なので様子を見守ってます。



私は、自分が性同一性障害、LGBTであることはたまたまで、特別だとは思ってません。

でも、LGBTであるというだけで、他人に危害を加えていないのに、生きてるだけで偏見や不利益があるのは人権的にどうか、と思うので、なんとかならんかな、とは思います。

ふつうに日本人として生きたいだけ、なんですけどねえ。



私が人権的に望むのは、

・戸籍の性別変更の要件を緩和
・戸籍の性別変更の要件が緩和しないなら、同性婚を認めてほしい

この2つです。

どちらも表立って活動されてる方々がいるので、ささやかながら応援、支援を続けていきます。



LGBTだろうと、パニック障害だろうと、がん当事者だろうと、

ふーーーん、そうなんだ

となんにも問題がない社会になるのが理想ですね。

日本は、国際的に人権遅れの後進国のレッテルをはられてるので、良い方向に変化するには時間がかかりそうです。