今回は飛鳥時代に創建されたお寺で、世界遺産にも登録されている法相宗大本山、薬師寺(やくしじ)です
山号はなしで宗派は法相宗大本山、開基は天武天皇で御本尊は薬師三尊(国宝)です
薬師寺の創建は西暦680年、天武天皇が鵜野讃良皇后(後の持統天皇)の病気平癒のために藤原京に建立されたのが始まりとされます
実際には天智天皇は完成を見ておらず、完成したのは文部天皇の代だと言われています
その後薬師寺は西暦710年の平城京の遷都の際に現在地へと移転しており、出土した木簡によると西暦716年に移転が開始されたとされています
元々の薬師寺はその後もしばらく存続し、平安中期頃に廃寺となったようで、元の地は現在“本薬師寺跡”として特別史跡となっています
730年に「始薬師寺東塔立」とあることから、この頃まで造営が続いていたと思われます
しかしこの東塔や御本尊の薬師三尊像などは本薬師寺から移されたのか、それとも新造されたのかはハッキリ分かっておらず、現在東塔は新造が通説とされていますが、いまだ決着はついていません
薬師寺は西暦973年の火災で金堂、東塔、西塔以外は焼失しており、また西暦1528年には大和国の戦国大名筒井順興の兵火によっても多くの建物を失っており、現在まで残る奈良時代の建物は東塔のみとされています
この東塔はもちろん国宝に指定されています
その他の建物の多くは1967年に管主となって薬師寺再生に生涯を捧げ、「話の面白いお坊さん」と呼ばれ慕われた「青空法話」の高田好胤さんが中心となって行われた復興事業によって再建を果たしており、1976年に金堂、1981年に西塔、2003年には大講堂など、そして2017年には食堂が再建され、老朽化で荒れていた薬師寺を見事に復活させています
再建には総木材で再建する主張と、鉄筋コンクリート補強がいいとする主張とで意見が衝突したそうで、結果としては金堂の内陣を鉄筋コンクリート、西塔は鉄の使用を極力少なくして木材再建したそうです
個人としては、法隆寺などでも江戸時代の修復作業で当時の流行りの細工を施しているなどがありますが、ありのまま、本来の物が一番で、どうしても技術自慢や他方へのアピール、仕事を取りたいという観点からのものとしてしか受け取れないです
実際に見た感想でもやはり本来の総木材で忠実に再現する事が一番美しく、また、昔のすごい技術を継承していて素晴らしいと思いますね
⚫︎寺号標
それでは御朱印です
⚫︎薬師寺
◆薬師寺ホームページ◆