今回は浜名湖の北、徳川四天王の1人である井伊直政を輩出した井伊氏発祥の地である井伊谷に鎮座する建武中興十五社の1社、井伊谷宮(いいのやぐう)です
井伊谷宮の創建は明治5年(1872年)で、比較的最近の創建なのに官幣中社の社格を受け、今も別表神社とされている格式高い神社です
その理由はこの神社が南北朝時代の始まり、建武新政の時に征夷大将軍として各地で戦った後醍醐天皇の皇子の1人、宗良親王を祀っているためです
これは明治維新で王政復古がなされた時、明治天皇が同じく武家政権から本来の天皇中心の社会に戻した建武新政に尽力した人を祀る神社を創建した中の1社として建てられました
ちなみに以前ブログにあげた鎌倉宮の御祭神・護良親王は異母兄弟にあたります
井伊谷にこの神社を創建したのは、当時彦根藩の知藩事でこの地から輩出された井伊家の末裔である井伊直憲が出願、創建に尽力しています
これは井伊家が宗良親王に仕え、当時の当主・井伊道政が南朝の勢力が弱くなり宗良親王の立場が危うくなった際にこの井伊谷へ招き入れており、親王はこの地で過ごして薨去されたという繋がりから来ています
このため社殿裏には親王の墳墓もあります
宗良親王は武勇での活躍はそれほど知られてはいませんが、歌人として有名であった人で、この神社も合わせて品のある感じがします
天皇家と井伊家、鎌倉時代末期にここまでの繋がりがあったというのは全然知らなかったので、ただただ驚きの一言です
⚫︎社号標
それでは御朱印です
◆井伊谷宮ホームページ◆
《建武中興十五社》