朝6時前に目が覚める。



今日はこれから糖尿病検査。
昨日の夜ご飯から、糖分をとらないように言われていた。

6時に看護師さんが来て1回目の採血。

そして、ブドウ糖の入った炭酸水を飲んで、1時間後と2時間後に採血。
それぞれの時間帯の血糖値がひとつでも、基準の上限を超えたら“妊娠糖尿病”と判断される。



この炭酸水を飲むところからキツかった・・・・

昨日から変わらずある吐き気。
消化不良じゃないかと思うほどの胃の不調。

味はおいしい炭酸水。
だけど、量が多い・・・!230mlくらいだった気がする。



絶不調の空腹の胃袋に炭酸水を流し込むと、すぐグルグルと音がなる。
そして、吐き気が襲う。

・・・・気持ちが悪いえーん



なんで朝っぱらからこんなことせんといけんのだって、心の中で悪態をつきながらなんとか全部飲み干した。





この検査は飲んだ炭酸水を吐いたらやり直しになる。

そんなのは絶対に嫌だ。


1時間後の採血まで、横になり目をつむり、吐かないよう意識を他のことに集中させながらなんとか耐えた。




そして、2回目の採血。


あとはもう1時間後の採血のみ!
そう油断した瞬間

いきなり胃が逆流し、のどまで炭酸水を押し上げてきた。

そこでいったん留めるも、2回目のダメ押しの逆流で、ついに吐いてしまった。


1回出たものは留まることをせず、何度も嘔吐を繰り返し、飲んだ分の炭酸水をすべて出したとこで止まった。




気持ち悪さはなくなった。
ただ、気分は良くなかった。

タプタプに炭酸水の入った袋をしばらく見つめて、
看護師さんに見つかる前に処分してしまおうかとも考えた。


ただそんなことしても、誤った検査結果が出たら、お腹の赤ちゃんのためにならない。

踏みとどまって、ナースコールを押す。


看護師さんに吐いたことを告げ、袋を渡した。




再検査は覚悟のうちだったけど、看護師さんは時計を見て、今の時間なら大丈夫だよと言ってくれた。


え!ほんとに?
看護師さんも再検査が面倒なだけじゃない?

なんて思ったけど、ラッキーと考え
その後の3回目の採血を受け、検査は無事に終わった。





11時頃。
再び膀胱が痛み出した。

多いくらいにトイレには行ってる。

“尿管外したあとの痛み”  で色々と調べたら
尿道が傷付いて痛む場合があるということを知った。



でも、自分はそれに当てはまらないように思った。

なぜかというと、それが原因で痛む人たちは
・男の人が多いこと
・痛むのは尿を出す時だけであること
だったから。

なにもないときに膀胱が痛むという人はいなかった。



尿道が傷付いた場合なら、時間経過で良くなる。

でも自分のは原因がわからない。
赤ちゃんに影響することならどうしよう・・・


不安で先生に相談しようと決めたとき、タイミングを見計らったかのように先生が病室に来た。





足のマッサージ機と、血を抜く管を外すためだった。

これが終わったら相談しよう。
そう決めていた。


ベッドの左側で作業がすすむ。

先生「はい、じゃあ管抜くからねー」



そう言われて仰向けに寝ている私は、真っ直ぐ天井を見ながら「はい」と返事をした。



抜いている過程で少しの違和感はあれど痛みはなく、
これで体は完全自由だーなんて考えていたら

最後、針のついた管の先端を体から抜く際






チクッッッッッッ!!!!!
「痛!!!!!!!!」

素で思わず声が出てしまった。



痛んだのは、管の出入口の傷口ではなく膀胱付近。

定期的に苦しめられていたあの痛みと似ていた。


なぜか左腹部から血を抜く管を外す際、膀胱に今まで以上の鋭い痛みが一瞬走り、スーーーーッと消えていった。




先生「痛かったね。もう終わったからねー」

そう言って、着々と片付けていく先生。


終わったら膀胱の痛みを相談しようと決めていたが、このときはもうその気はなくなっていた。




あの管が原因で膀胱が痛かったんだなぁ
ってなんとなくわかったから。

その証拠に今は痛みは微塵もなく、スッキリしている。


それから膀胱の痛みを感じることはなくなった。





午後から、別のことが私を苦しめていた。


ひとつはオナラ。
手術する際、お腹に空気を入れ卵巣腫瘍を摘出しやすくする。

だから術後は、その空気がちゃんと出ていったかどうかを看護師さんに頻繁に聞かれた。
「オナラって出ましたー?」って、、、

腸はちゃんと活動してるにも関わらず全く出る気配なかったのに、この日の午後から急にオナラが止まらなくなった。


4人部屋にしたことをここで初めて後悔した。

夜行バスでも爆睡でき、神経質とは無縁な性格だったため4人部屋でも問題もないと思っていたのに・・・



全く臭くはないと言えども、
術後の正しい生理現象と言えども、
顔は見えないと言えども、

何度も何度も出てしまうのはさすがに恥ずかしかったショボーン






そして、もうひとつ私を苦しめていたものは

よだれつわり


ここにきて、新たなつわりが出現。
よだれが止まらない。
飲み込んでも飲み込んでも溢れ出してくる。

5分も放っておくと口の中がよだれで溢れ、とてもじゃないけど飲み込めなくなる。

吐いたとき用に看護師さんが用意してくれた袋付きの入れ物に、絶えずよだれを出していた。



口の中は常によだれでいっぱい。
吐き出しても、すぐたまる。

だから、看護師さんが不意に顔を出し
「大丈夫ですかー?」
と声をかけてくれても、声で返事ができない。

看護師さんの目の前で、ペッとよだれを容器に出すのも恥ずかしいし。
会話が出来ないのは、思った以上にストレスに感じた。




よだれつわりの一番嫌なところは夜寝るとき。


口の中によだれを含んだ状態で眠れるわけがない。

寝落ちしそうになるとよだれが口から溢れそうになり、慌てて入れ物に吐き出す。

また口にたまる。吐き出す。
そのうち、眠くなる。よだれが溢れる。
慌てて吐き出す。


その繰り返し。

もちろん睡眠不足。





ここからよだれつわりに苦しむ夜が始まった。