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エロゲはやっぱり中古が一番

最高級の謎解き さくらの雲*スカアレットの恋 感想

さくらの雲ようやく終了です。
アメグレと同じような構成で、タイムリープものといえばいいんでしょうか。
失敗ごとに、電報という手段で伝える手法は、「景の海のアペイリア」の日記と同じなんですが、アメグレやアペイリアでは再度やり直すという意識が主人公にはあったのに、今回はタイムリープをしていることを主人公の司は一切知りません。けれどもパラレルワールドの管理者であるアララギよりその都度もらう電報で、どうやらそうらしいと認識することになります。

過去の記憶は一切ないのですが、それ以上に制限された僅か十数文字で何も知らない真っ新な自分に確実に伝えるって中々興味深いですね。
まず日付がまだやってこない未来のもので、差出人は自分。受取人も同じですが、内容はサッパリ不明。これで通じるのでしょうか?


今回はゲームの性質上、ネタバレをさけることができないので、クリアしていない方にとってゲームの面白さを損なう可能性があります。進まれる場合は、すべて自己責任でお願いします。
もちろん最小限に抑えるようにはしていますが、それでも純粋にゲームを楽しみたい方は、速やかに離れられることが一番の選択肢だと思います。




このゲームは単にホームズにあこがれる金髪美女のパロディ、というだけではありません。全編至る所で謎だらけ。ひょっとすると思いあたるような筋道もあり、答えが簡単にわかることもあるかもしれません。

体験版での正答率はいかがでしたか?
遠子の屋敷で見つかった判じ物なんて簡単だったと高を括っていると足を掬われるかもしれませんよ。ご用心ください。
低周波のことまで正解だったのですか?
それはすごい。本編ではさらに難解な事件が起こりますよ。
是非楽しみにしてください。卵型の頭に灰色の脳細胞の詰まったあの名探偵を上回るチャンスです。もちろん全員が、なんてことは決してありません。
まだまだ続きます。最後の最後までわかりませんよ。とっておきのどんでん返しまで用意されていますからね。但しそれに見合った罠もさり気なく仕掛けられているので細心の注意をはらってください。
自室で安楽椅子探偵を気取ってみるのもいいかもしれませんね。




今ならまだ間に合います。ひき返えされるならこれが最後です!






前作のアメグレ同様1本道なんですが、その都度様々な謎が少しずつ明かされていく道程が面白く、つい夢中になってしまいました。違うとすればたった一つ。それは・・・

まずはプロローグからです。

「1920年……?」

2020年に生きる青年・風見司は、
桜の木の下から100年前へタイムスリップを遂げてしまった。

――帝都・東京。
そこは新時代への希望に満ち、
文化の華が咲き乱れた、輝かしき浪漫の都。
「初歩だよ、司。最後に残ったものが真実なんだ」
そんな帝都でひとり探偵事務所を営む謎の英国女性・所長。
日々金欠にあえぐ彼女のもとで、司は数々の事件に巻き込まれていき……?

「――さあ、解決編を始めようか」

枝分かれする彼の運命がたどり着くのは、果たして令和か大正か。

100年の時を超え――
今ここに、桜舞うレトロ・ミステリイの幕が開ける!(メーカーHPより)

ヒロインは4人ですが、1本道で攻略順は決まっています。
キャラ原画はいつも通りの梱枝りこさんで、初回の星恋*ティンクル以来同じです。
私には馴染みがあって嬉しいのですが、マンネリ化をさけるために頻繁に原画をかえるメーカーもあります。シナリオが全く違うにもかかわらず、原画が同じだと、つい以前の世界観を引きずってしまうようなこともありますからね、一長一短です。
でもエロゲはミバが一番!!!
ビジュアルさえよければ、つい、なんてよくあること。それで失敗することもありますが、ブサイクな女ばかりだと、体験版でさえパス、スタートラインに立つことすらありませんね、私は。

話を戻します。史実よりも数年も早く起こった関東大震災。魔人・加藤の仕業⁈

歴史の歪みが是正されず共通ルートが失敗に終わったことを告げるために、アララギが司の前に姿を現します。
ここまでが体験版ですね。
そして白紙の電報を司に手渡すことになるのです。

画面がガラッとかわります。

ここで初めて?????の部分が「枝を渡る」の表題になりアクティブになっています。その「枝を渡る」を選択すると、画面に描かれている遠子の攻略が開放され、物語が進行します。

遠子は旧家・不知出のご令嬢で、一つ下のメリッサというメイドが常にそばにいます。どこか浮世離れした感覚の持ち主ですが、叔父の誕生日プレゼントに「まりも」を見つけてくれたチェリー探偵事務所、特に助手の司にすっかり懐いてしまいます。以来、万年金欠病のチェリー探偵事務所にとって貴重な金づるーパトロンとして逼迫した財政を大いに助けてくれることになります。
ここでも数々の謎が、金髪の所長と探偵助手の司のコンビによって(もっぱら司がメインで?)明かされていくことになるのですが、まずはスタート場面から。
奇妙な電報をアララギから手渡されます。
未来の日付で、しかも自分宛。おまけに本人以外知らないはずのIDが差出人になった電報とは。この時代に100年後に使用していたIDを知っているとすれば本人以外にはありえません。何か意味があるに違いないと考えた司は、理由は不明ながらも所長と一緒に指示された小石川へ夜の11時頃に向かい、暴漢に襲われそうになった老人を助けます。老人の名が後藤新平だと知り、どうやら史実通り関東大震災後に大活躍する後藤新平の場が守られたことに安堵します。その電報のお陰で歪みが一つ是正されたようです。
そこに現れた魔人・加藤憲兵大尉。一目で状況を把握したのか、簡単な職務質問を済ませると、司にだけ聞こえるように囁きます。
「おまえはそう動くのか。未来人」
そして、

それからは体験版でもあった幽霊事件を無事に解決したチェリー探偵事務所に、新たな依頼が入ります。それは怪盗ヘイストを探し出し、捕まえることでした。
そこでわかる遠子の謎。ただ遠子は見かけによらず勘が鋭くて、本来は司が未来人であることを知っているのは所長とマイだけのはずでしたが、
あっさり見破ってしまいます。で、すっかり感激することになるのですが、

以後、司は遠子に振り回されることになってしまいます。
どうやら大正浪漫派女性は、仕草、言葉に似合わず中々に豪胆なようです。

紆余曲折あって全てが無事解決すると、

ヒロインとめでたく結ばれ、ハッピーエンドを迎えます。
「このまま、ずっと、未来まで。私たちの往く枝はーあなたがエスコートしてくださると信じてますわ」

そして画面が変化し、アクティブになった「枝を渡る」を選ぶと再び、振出にもどります。
なんで???


すっかり騙されて、何回苦笑したことか。
でもこんな洒落たオチはいいですね。タイムリープ物にもかかわらず初っ端で満足のハッピーエンドを迎えるのですからね。
ただホンのチョッピリ不満が残ります。他のヒロインをまだ攻略していない、という。
これ以上はさすがにネタバレがひどくなるので、いつも通りお口チャックなんですが、さり気にバラす悪趣味もいつも通りのパターンです。段々よくなるのが〇〇の太鼓なら、年々歳々悪くなるのが私の性格。たまりませんな~。


2番目が蓮。和服が似合う、慎ましいお淑やかな女学生ですが、色々あったのち主人公の司にあてた恋文は情緒タップリ、たちまち司は虜になってしまいます。
そこからがまたすごい。まるで・・・のよう。
たまたますぐ目の前にいたカップルが着陸(今風にいえばラブホに入室)するのを目でおいながら、蓮は司に顔を戻すと舌なめずりでもするように

この目つきなんともいえません。まるで獲物を狙っているような。
すぐその後に、今度は可愛らしく迫ってきます。

これじゃまるで蜘蛛の巣に引っかかった蝶みたいなもの。
これで断る男なんているわけないやろ!
で、最後にこんな事ぬかしやがる


どないせいちゅうんや!

ここでは書けませんがそりゃエゲツないというか、憐れな司くん。
お決まりのタップリ、ネットリ絞りとられた主人公のHPゼロにたいして艶々、しっとり元気ハツラツの蓮。
もちろん100年後の未来へ帰るどころか、

こうなって、
しかもさり気に、
「一蓮托生、私たちはこの世でも、あの世でも。ずっと・・・同じ蓮華の上で」
と一歳年下で十代の女学生に墓まで逃がしませんよと宣言された上に
「さあ、司さん。新婚旅行はどこに行きましょうか」

ちなみにこのルート、謎解きは一切なし。対人関係を中心に極めて深く掘り下げらており、相関図が明らかになることをメインにしています。特に魔人周辺の繋がりがかなり詳細になってくるのですが、私には獲物を捕らえる雌カマキリ物語としか思えませんでした(笑)


この枝はいくら伸ばしても、枯れるしか見えてこない未来とあっては、アララギが、即刻白紙の電報をもって司の目の前に現れたのは言うまでもありません。
でも、アララギの正体って・・・?
確か体験版でも人間ではない、と答えていたはずですが・・・


メリッサルートこそ、この物語の根幹をなすもの、といえるかもしれません。
まずはいよいよお待ちかねの「オリエント急行」ならぬ「急行オーバー・ザ・ミステリートレイン」の招待状がチェリー探偵事務所に届きます。
行先を当てるミステリーツアーですが、終着駅まで何処にも止まりません。超豪華仕立ての特注列車で、全て個室はバス・トイレ付。この日のためにわざわざオランダから取り寄せたというものなんですが、見事行先を当てた参加者には当時の金にして1万円(今の価値で約4,000倍)を進呈するというのです。もちろんチェリー探偵事務所はもろ手を挙げて参加を表明します。他にも主だったメンバーが参加、それが下図のようになります。

各自1日1回の回答権があり、正解が出るか終着駅に到着するまで降りられないことは後で知るのですが、予想通り殺人事件が起こります。誰が死に、誰が生き残るのか、そして誰が報奨金を手にするのか、灰色の脳細胞の詰まった卵型の頭のベルギー人には負けない正答をだしましょう。(ヒントはポアロではなく、エラリー・クイーンのほうです。XYZ)
ちなみに推理小説の三大要素と呼ばれるのが、Who,Why,How(犯人、動機、方法)。この三つ、今回は特に動機が重要で、最終章と密接な関係があります。


司と共に容疑者に仕立て上げられて列車の個室に閉じ込められてしまうのですが、そのお陰で司とはすっかり仲良くなってしまいます。
そして司の明快な推理によって、終着地と犯人を見事に当てて無事に列車から降りることができます。
初めてのデエト、目一杯のおめかしです。メイド服もいいですが、私服もいいですね。
デートコースの最後はもちろん過去と未来を紡ぐあのさくらの木。
そこでとんでもない謎が明かされます。メリッサが司の推理の唯一の間違いを指摘した瞬間、いきなり次の画面へ。


待ちに待った最終章。これまでに明かされた数々の謎が結びつき、いよいよとなった瞬間にアッと驚くどんでん返し。それも・・・いえ、これはぜひ製品で楽しんでください。それこそ最後の最後まで気が抜けませんよ。ハラハラドキドキ、スリル満点です。
そして

左に見えるのは?
今の時代は??
あれ?誰かがやってくるようです。
それは・・・

感動のラストシーン!

私にとって間違いなく今年度最高のものでした。終わった後、しばらくは脱力したほどでしたからね。あれ?でも、つい先日プレイした白昼夢の青写真こそ今年度最高といったばかりじゃなかったっけ(爆笑)


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