成績が伸びる子と伸び悩む子は何が違うのか。


 私が塾の講師をしていて、常々感じていたのは、伸びる子と伸び悩む子には、それぞれ共通した特徴が見られるということです。


 では、どういう子が伸びるのか。


 私の息子は、進学塾の最底辺のクラスから始まり、中学3年生の時には、灘を狙えるクラスまで成績が伸びました。


 うちの子は、最もいい成功例になります。


 私も、塾の講師を辞めてから長いブランクがあり、勉強を教えることは出来なかったので、自分の今までの塾での教育方針を駆使して、主に、勉強する上で重要な精神面のサポートをしてきました。



 箇条書きにして説明して行きたいと思います。



 成績が上がる生徒と上がらない生徒の差はここ!


○生まれ持った才能


 まず、伸びる子と伸び悩む子で、すぐに分かる違いが、生まれ持った才能です。


 塾に入って来た時点で、既に、学習する上でのセンス、要領が先天的に優れている子が確かにいます。


『こいつ、頭がいいな。』と、すぐに分かる子がいます。


 遺伝子の影響もあると私は思います。
 

 この子たちは、伸びる可能性が非常に高いです、と言うか、九割九分伸びます。


 しかし、中には、いい勉強センスを持っているのに、伸び悩む子もいます。


 その多くは、精神面の弱さです。


 高い才能を持っているのに、自分に自信の持てない子もいますし、逆に、やらなくても出来るという気持ちを持ってしまい、努力をしないようになり、結果的に伸び悩む子もいます。




 親が子供の才能に気づかず、結果的にいい方向に導いてやることが出来ず、才能を開花させることがないまま終わる子がいることも事実です。


 要するに、小さい頃から子供の才能に親が気づき、親がより能力を伸ばす工夫をしている子は伸びます。


 すごい潜在能力があっても、結局、大事なことは、最終的にその才能を伸ばし見事に開花させれるかどうかです。


○負けん気が強いかどうか


 今の時代、公立の学校では、競争というものを避ける傾向にあります。


 競争がいいとか悪いとか、はっきり言いましていいところもあれば、悪いところもあります。


 ズバリ言いますと、学力面で言いますと、競争は必要です。


 子供に順位を付けるのは良くないと言っても、それは理想です。


 受験は紛れもない競争です。


 競争に負けた子は、不合格となるのが、現実です。


 社会では、競争は当たり前です。


 負けん気の強い子は、負けたら、それをバネにして、より高いところに行く努力をします。


 負けて、くよくよするくらいなら、受験を戦い抜くことはできません。


 負けん気の強い子は、進んで競争し、お互いを高め合い、成長していきます。


 良い悪いは別としても、進学塾などでは、負けん気の強い子供たちが、日々、互いの勉強する姿を見て、切磋琢磨しています。


 そして、最難関校の合格切符を手にしています。


 負けても、それをバネにして頑張る負けん気の強い子は、伸びます。


○好奇心旺盛かどうか


 好奇心旺盛の子供は伸びます。


 色んなことに好奇心を持ち、それについて知識を得たい、経験して知りたいという気持ちを持っている子供は伸びます。


 色んなことに疑問を持つことは大切なことです。

 
 子供さんが難しい質問や面倒くさいことを質問してきても、快く答えてあげましょう。


 私は、いつも、『これは何で?、何でこうなるのかという気持ちをいつも持っておかないといけない』と言ってきました。


 そして、分からないこと、疑問に思うことについて、どうすれば分かるのか、どこに聞けば分かるのか、何を見れば分かるのかを考えるように言ってきました。


 

 

○素直に勉強しているかどうか


 これは、親の言うこと、先生のいうことを素直に聞いて、受け入れることができているかどうかです。


 経験上、素直な性格、愚直な性格を持っている子が伸びる傾向にあります。


 勉強の出来ない子、勉強の嫌いな子は、親や先生の言うことに対して、何かと言い訳をして、そこから逃れようとします。


 これは、一重に、子供だけが悪いとは言えません。


 と言うのは、子供が成長していく過程で、自分と関わる人間との信頼関係を十分に持たせることが周りの人に出来なかった可能性があります。


 大人でも、良くあることですが、『この人の言うことに間違いはない。』と思える人が、たまにいます。


 こういう人の意見は、自分の意見と違っていても、一度、聞いてみようという気になります。


 親や先生が子供にとってのそういう存在になれていなかったと言うことが考えられます。


 親や周りの人が、一人でも、子供とそういう信頼関係を持てればいいのです。


 人の意見、親の忠告、先生のアドバイスなどを素直に聞き入れることのできる子は伸びます。

 
 

○勉強する時間がないから勉強できないなどと言ってないか。
 

 時間は、みんな一緒です。


 受験時ともなると、時間が足りないのも、みんな一緒です。


 本当に勉強しようと思ったら、時間をどのように確保するかを考えるはず。


 自分の行動を分析すると、通学時間、トイレの時間など、隙間時間はたくさんあります。


 この隙間時間をぼ~っとして過ごすか、効果的に使うかで、徐々に成績に大きな差が出てきます。


 塵も積もれば山となる


です。


 成功している人は、少ない時間を有効に使っている人でもあり、うまく時間を作っている人でもあります。
 


○自分の勉強に対する性格や傾向を理解しているかどうか



 効率よく勉強を進める為には、自分の性格を理解、把握しているか、そして、その性格に合わせた勉強をしているかどうかが重要です。

 
 例えば、自分は、ごはんを食べたら眠たくなって勉強出来なくなるなら、ご飯を早めに食べる。


 つまり、眠気の少ない夕方に食べるか、あるいは、勉強が終わって食べるかです。


 この教科を最初に勉強すると調子が上がるなど一人一人色んな特徴があります。


 そのようにして、自分の性格や体調の傾向などを把握し、自分の生活の順序を決めたりすることによって、勉強の効率性を図ることもできます。


 これが出来る子は伸びます。



○自分の意見を持って先生に質問することが出来ているかどうか


 まず、先生に、積極的に質問することが出来ているかが大切です。

 
 理解してないけど、まあ聞かなくてもいいか、と消極的になってはいけません。


 その状態が続くと、勉強がだんだん分からなくなってきます。


 また、質問するときは、ただ、分かりませんという状態で質問するのではなく、間違ってていてもいいから、まずは、自分の意見を持って質問することが大切です。


 間違っていてもいいんです。


 試験本番では、間違っていても誰も教えてはくれませんが、試験本番でなければ、誰もが教えてくれます。

 
 分からないままにしておくことこそが、残念な結果の原因と成ります。


 分からないことを先生に聞き、また、悩みなどを直ぐに両親などに相談して、不安材料をなくすことが出来る子が伸びます。


 知らない知識を知って感心する、その好奇心を持っている子供が伸びます。


 いつも『何で?何で?』という気持ちを持ちましょう。



○わからないことを素直にわからないと認めているかどうか


 本当は分かっていないのに、自分は分かっていると思い込んでると、何が本当に分かっているのか分からなくなります。


 分からないところを確実に、修正し、理解を深めることが出来る子は伸びます。



○勉強の内容を理解していることと、点数が取れるということは、全然違うということを認識しているかどうか


 これは、よくありがちなことです。


 例え解き方が合っていても、ケアレスミスをしてしまえば、点数は確実に減ります。  
 

 それを無くすために、数学であれば、計算力を磨き、試験の際は、時間の許す限り、見直しをして、ケアレスミスを最小限にする工夫と努力を普段からしている子が伸びます。


 

 見直しという作業は、とても、重要です。



○ノートはきれいにとるものではなく、見直すためにとる物だとわかっているか

 
 見直さないノートは無意味です。



 ノートの役割を理解し、最大限に活用出来ている子が伸びます。


 重要な言葉は、先生が板書しますが、大事なものは、それに関する先生の言葉や説明です。


 一言一句書く必要はありませんが、少なくとも、それを見れば思い出せるくらいのキーワードはノートにメモしましょう。

 
 そして、それを見直し、理解を深めるのです。


 それでも、理解できないことがあれば、遠慮なく質問しましょう。


 これが出来る子が伸びます。



○ストレス解消ツールを持っているかどうか


 これは、自分なりのストレス解消法があるかどうかです。


 勉強すると通常の子は、大きなストレスを抱えます。


 受験の不安は、受験が終わるまで慢性的に続きます。


 それに更に、成績に対するストレス、学習理解度に関するストレスも抱えます。


 また、勉強に関係ないところで人間関係などのストレスは突然やってくることも多いです。


 
 希望学部が医学部なら尚更です。


 ストレスは勉強の天敵です。


 ストレスがひどくなると、出来るものも出来なくなるかも知れません。


 ストレス解消法を身につけている子が伸びます。




○努力するという才能を持っているかどうか 


 人間の脳は、鉄と同じです。


 鉄は、放っておけば錆び付く。


 だから、日頃から努力して磨くのが大事です。

 
 ダイヤモンドの原石とよく言うけど、ダイヤモンドは磨いた後、錆びることはない。


 でも、人間の脳は、努力を忘れると鉄と同じで錆びつきます。


 常に、磨き続けること。


 努力を続けられるということが、一番の才能です。


 勉強は、予習、授業、復習です。



 コツコツと継続的な努力をすることが出来る子が伸びます。



○テストとは、自分が習ったことを思い出す作業であるということがわかっているかどうか。(勉強というものが知識や考え方を学ぶということだけではなく、脳を鍛えるトレーニングだということを分かっているか。)


 例え、勉強の内容が理解できても、試験の時に思い出せなきゃ点数はとれません。



 また、勉強したことの全てが、将来の役に立つとは限りません。



 しかし、将来、大学にいくには勉強をするしかない。


 『これを勉強することで、何の役に立つのか』等と迷ったり、悩んだりしていてはいけません。



 こんな勉強をするのも、自分の脳を鍛えるための方法なんだ、だからやるしかないんだと考えられる子が伸びます。



 その勉強に自分が納得いかなくて、勉強しなかった場合、結局、行きたい大学に行けず、将来、自分が困ります。



○各教科に対する自分の理解度を述べられるかどうか  


 これは、分かりやすく言うと、自分の能力を自分がどれくらい把握しているか。


 私は、国語が苦手だけど、数学はこれくらいできる、理科はこの分野を押さえたら大丈夫そうなど。


 結局、受験は、テストで合格最低点以上の点数が獲得できればことは足りるんです。
 

 それを考えて、どこをどう伸ばせば点数がより獲得できるか、総合的に考えて時間を有効に使えるかどうか。


 人間は、無理なく自分に出来ることを自然とやりたくなる性質があります。


 勉強しなくてもいいところに時間を掛けたりしていないか。


 無駄を減らせるかどうか。


 それが出来る子が伸びます。




○将来のことを想像して、明確な夢を持ち、危機感を感じて、勉強できるのかどうか。


 夢を持つということは、非常に大事なことです。


 しかし、多くの子が、夢を実現することなく終わっている現実があります。


 将来の明確なビジョンを持ち、危機感を持って勉強出来る子が伸びます。



○自分なりの勉強法を探そうとしているか、また、勉強法を見つけた人は、それが身に付けているか。



 なかなか明確な勉強方法はありませんが、それを追求することが出来る子は伸びます。


 自分なりの勉強法を確立している人は、自信を持って勉強しています。


 自分なりの勉強法を見つける努力をしましょう。

 追求している過程で、勉強に対するセンスや知恵が身についてきます。



○向上心を持っているか。(チャレンジ精神)


 向上心がなければ、勉強なんてしません。


 昨日の自分よりも成長した今日の自分、今日の自分よりも成長した明日の自分を心掛けて、常に上を目指して頑張ることの出来る子は伸びます。




○勉強しなさいと言われなくてもやる(言われたくないから成績だけは取っておく)ことができるかどうか


 今まで、説明してきたものが身についている子は、成績が確実に伸びます。



☆補足☆


 各教科によって、受験勉強に絶対必要なものと、その教科を理解する上で必要なポイントが100パーセント一致することはない。


 要するに、点数をとるための勉強と理解するための勉強は一致しないということです。


 受験は、試験の点数に差を付けて、人をふるいにかける作業です。

 
 受験は、全ての人に、勉強の理解を求める作業ではありません。


 そこを割り切って勉強できる人が、成績も伸びるし、点数の稼ぎ方も身につけることができます。


 よって、合格を勝ち取る子になります。


 P;S

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