ちょっと、受験とは関係ないですけれども、私の昔の思い出を話します。



 最近、恋愛のもつれから重大な事件が多く起こっています。



 自分が一度愛した人を刃物で傷つけてしまう、殺めてしまうという、決してあってはならないことが多く起こっています。



 どうして、そんなことをしてしまうのか。



 ニュースで、そのような事件を知る度に、とても心が痛いです。




 どういう理由があるにしても、相手の幸せを願うということが一番大事だと思うんです。



 私がずっと大切にしている思い出を話します。



 私は、高校の時に、同じ高校の二つ下の女の子と付き合っていましたが、受験を理由に、両方の親から別れさせられました。



 別れさせられた理由は、色々あったと思います。



 当時は、今のようにスマホ何てものもなく、ラインもなく、話すと言えば、家庭にある普通の電話でした。



 その電話で、夜な夜な、何時間も話し続けるので、親が怒るのも、今考えると、無理もありません。

 

 しかし、お互いに大好きなままお別れしたので、二人で密かに、10年後に再び会って、お互いに恋人がいなかったら、また付き合おうって約束しました。


 私は、大学に行き、彼女は、高校卒業後、就職しました。



 私も心の片隅で覚えてはいたものの、いつしか別の女性と付き合うようになりました。



 10年経って、再会するだろうか、もう忘れているだろうと思っていたのです。


 
 当時、私は別の女性とお付き合いしながらも、時々、昔の彼女のことを思い出していました。



 そして、10年が経ち



『若い頃、約束してたなあ。』



と思い出にふけって懐かしく思ったりしていました。



 そんな中、ある日、私のアパートの電話に留守番電話が入っていました。



『元気?』



っていう言葉。




 10年経っていましたが、私は、留守番電話乗り声を聞いた瞬間に分かりました。



 それは、紛れもない高校の時に別れた彼女の声でした。




 私は、既に、実家を出ており、別れてからは一切連絡をとっていなかったので、私のアパートの電話番号も彼女は知らないはずでした。



 しかし、私のアパートに電話が掛かってきたのです。



 私は、留守番電話に入っていた電話番号に、すぐに電話しました。



 電話であらためてその声を聞いたとき、私は、一瞬で高校生の時の私に戻りました。



 卒業してからのこと、昔のこと、二人とも、とても懐かしくて、明け方まで電話で話しました。



 私の電話番号は、私の実家に電話して聞いたということでした。



 そして、私は、内緒で、当時、その女性が住んでいた仙台に、新幹線を乗り継いで向かいました。



 でも、その時、私には別の彼女がいました。



 それで、仙台でその女性と色んな若い頃の思い出を話し、一時の楽しい時間を過ごしました。


 次の日、彼女は仕事だったにも関わらず、仕事を休み、レンタカーを借りてくれて、私を1日観光に連れて行ってくれました。



 あの一日だけは、二人が高校時代に戻った一日でした。



 二人で行ったのは、秋保大瀧。



 二人で手をつないで、勢いよく落ちていく滝を見たことを今でも覚えています。



 滝から歩いて駐車場に戻っていると大きな木があって、その木はしめ縄がしてありました。



 何でも、その木に向かって願い事をすると、その願いが叶うということでした。



 私たちは二人並んで、その木に向かって祈りました。



 私は、その女性に聞きました。



 『何をお願いしたん。』



と。




『あなたが幸せになるようにお祈りしたの。』



 そう彼女は答えました。



 私は、涙が溢れました。



 私は、再会してとても楽しそうにしている彼女を前にして



『今、付き合っている人がいる』



ということを言えないまま、仙台を後にしました。
 


 私は本当のことを結局、言えなかったのです。



 幸せそうな笑顔をしている彼女を見ていると、どうしても言えなかった。



 そして、地元に帰ってから、しばらくして



『本当のことを言おう』



と決心し、公衆電話から仙台のその女性に電話しました。



『俺、言わないといけないことがある』



私は、彼女に言いました。



 するとすぐに



『言わなくていいよ。分かってるよ。彼女いるんやろ。』



と言われました。


 
『私は、あなたが幸せになってくれることを祈ってる』



 彼女は私に言いました。



『ごめん、ごめんなさい。』



と私は彼女に言いました。




『謝らないで。何も悪くない。私は、あなたが幸せになってくれればいい。』




 私は、また、泣いてしまいました。




 結局、私は、その女性と結ばれることはありませんでした。



 ただ、その子にも必ず幸せになってもらいたいと言う気持ちはずっと願いとして持っていました。



『自分だけが幸せになっていいのか?』


『10年前に約束してたのに。』



と自分を責めました。




 それから、また、10年が過ぎ、私が結婚した後、私がお盆に車で実家に帰っているときでした。



 途中で、佐世保バーガーの出店を見つけました。



 『ハンバーガー食べようか。』



ということになり、妻が、お店に買いに行きました。



 直ぐに、妻は、なにも持たずに車に戻って来ました。



『ハンバーガーが出来たら、車まで持ってきてくれるって。』



『そうなんだ。』



そして、10分くらい経った後、店員さんがハンバーガーを持って車に近付いてきました。



 私は、絶句しました。


 
 店員さんは、仙台に会いに行った彼女だったのです。



 私は、とてもびっくりして、咄嗟に普通の友達みたいに話しました。




 彼女は、車の中にいた妻と子供を見て



『奥さんと子供さん?』



と言いました。



 私は



『そうそう、子供と奥さん。ところで結婚した?』



『私も、結婚して、子供が一人いる。』



『そうなんや。そうなんや。』



 その女性も結婚して、幸せになっていました。



 それ以上のことは、話しませんでしたが



『よかった。二人とも幸せになったね。よかったね。』



という思いで、別れ際、二人にしか分からない笑顔を交わしました。




 彼女にも、私の息子と同じ年の子供がいます。



 今でも、彼女のことは、忘れてません。




 ずっとその女性の幸せを願っています。



 その女性も、私の幸せを願ってくれていると分かっているからです。



 今でも、その女性は異性を超えた心の支えとして私の中で生きています。




 私がいつか死ぬ時、もう一回会って、彼女の顔を見て、『ありがとう』と言いたい。




 高校時代、一緒に肩を並べて学校から帰ったり、朝まで夢を語り合ったり、その女性との楽しかった青春の淡い思い出は、今でも、いや、死ぬまで、私の心の支えです。



 大切な思い出です。




 街でばったり合ったあの日、あれから、二十年近くが経ちました。



 今でも、あの子が幸せな人生を送っていることを心から祈っています。




 人を愛すること、それは、自分が関わろうと、関わるまいと、大切な人の幸せを願うことだと思います。



 自分の都合、幸せだけを考えてストーカーになってしまう人が最近すごく多いですが、恋愛がどんな結末になっても、相手の幸せを祈って欲しいと思います。



 それが、本当の愛なのではないかと、私は思っています。



 その子のことを思い出す度に、その当時、聞いていたクリストファークロスの『open up my window』が心の中で今でも流れます。





 素晴らしい思い出をありがとう。



 私は、素晴らしい思い出をずっと大切にしていきたい。



 みなさんも、素晴らしい恋愛をしてください。



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