a journal of sociology

社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

映画『フォックスファイア』を観る

2020年08月20日 | 映画
 
 映画『フォックスファイア』を観たので、それについて。

 この映画、『パリ20区、僕たちのクラス』のローラン・カンテ監督による作品である。映画冒頭は、あまり面白そうに思えなかったのだが、1/3ぐらいから、映画の主題の意味がわかってきて、それからぐっと引き込まれた。

 要は、家庭に問題があったり、様々な虐待を受けたりして、社会や家庭で居場所のない女の子たちが、集まって生きていくのだが……。という映画である。

 この映画、印象に残ったのは、少女たちがグループを作って、自分の居場所を得て解放感に浸りながら夜の街を練り歩くシーン。そこで、スプレー缶で電話ボックスに落書きを残したりするのだが、それが彼女たちにとっては、自分たちが存在することの証明をのこしているというシーンになっている。このシーンを観ながら、私は、現実の街の中にある落書きの意味を知った気持ちになった。

 無論、現実に落書きをするなんて迷惑行為以外の何物でもないのだが、なぜ落書きなってことをするのか? という問いに、「単なるいたずら」という回答をするだけでは意味がない、ということを気付かせてくれた映画だった。

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