2020-06-21

雹(ヒョウ)害 sinistre grêle

Bonjour 町工場社長の地域密着型ブログへようこそ

フランスはロックダウン段階的解除「第3幕」がはじまりました。みなさまいかがお過ごしでしょうか?

遡ること一年前。我が町に雹が降りまして、その

被害とその後のあれこれ

お届けします。

2019年6月15日土曜日

この日は午前中に息子が剣道を始めるというので地元の道場に見学に訪れていました。
「赤門道場」サンテティエンヌの由緒ある道場で、欧州チャンピオンも輩出する実績のある道場です。ここの道場を開設した創始者のムッシューは御年90を超えていますが、いつも道場に足を運んでいらっしゃいます。ここで世間話をしているときに「今日の午後は天気が荒れるらしいから注意してね」と言われたことが今振り返ると頭から離れないのですが、今となっては老婆心のように思えてなりません。地域がら、天気が荒れることはよくあることなので、そのときは大して気に留めていなかったのですが・・・
この日は日本から友人が来仏する日で、午後にリヨン空港まで迎えに行く予定でした。
道場から帰宅後、車をまた午後に使うので路上に一時的に駐車しました。このときあの言葉を思い出してガレージに駐めておけば難を逃れることが出来たのですが・・・
昼過ぎ、自宅にいたのですが、轟音を立てて雹が降り始めました。その光景にあっけにとられるだけでした。


何とゴルフボール大の大きさ!




マンションの三階、雹が西側のガラス戸をたたき始めたので慌てて雨戸を閉めました。フランスでよくあるプラスティック製の巻き取り式の雨戸です。ところが雹の勢いが激しく、雨戸を突きやぶって穴が空いてしまいました。

もうその光景にあっけにとられていて、呆然としていたのですが、ふと車を外に止めていたのを思い出し、ベランダから下の車を見たら、数十台と駐めてあった他の車同様、見事に雹にたたかれて打音(カンカカンコーン)が響き渡っていました。車庫に戻すためあわてて帽子だけかぶって雹の中を車まで走り、エンジンをかけガレージに戻したのですが、ときすでに遅し。どこもかしこもでこぼこになりました。  

このピラーの硬いところまでしっかり雪平鍋状態!
写真では伝わりにくいのですが、全ての面が雪平鍋

プラスティックパーツは見事に被害に!



町の様子
町に降った雹が低いところに転がって集まった交差点付近


公園の木々は葉がもぎ取られました


翌週、保険会社指定のガレージ(町の修理工場)に車を持っていき、査定。ところが話ではこのガレージだけで100台以上が修理を待っているので当分待たなくてはいけないと。いつまで?と聞いても「さっぱり分からない!」とのつれない返事。しかし丁度バカンス前の時期だったので、バカンス明けの9月以降に何らかのアクションが無ければもう一度問い合わせしようという心づもりでやり過ごしました。

2019年10月

ところが10月になっても11月になっても音沙汰無く、保険会社に問い合わせしても「連絡がいっているはずだ」と言われるだけ。ところがじつは指定のガレージが変更になっていて、別のガレージから連絡が来ていたようなのですが、こちらには変更連絡もなく、またガレージにもこちらの連絡先がしっかり伝わっていなかったようで、自分の会社のHPのコメント欄に、まぁ良くある勧誘コメントのような感じでメッセージがあり、自分はそれを見逃していました。なぜ彼らがそこに連絡したのか今も謎です。なんで保険会社からこちらの連絡先が伝わっていなかったのか?もう「フランスあるある」と腹をくくるしかありません笑

2019年12月

そのメッセージを12月に見つけたので、早速連絡。ガレージ(修理工場)では無く、自動車災害を見積もる専門会社でした。指定の日に出向くことになったのですが、一向に指定日の連絡が無く、年明け。

2020年2月

そしてやっと2月になって連絡があり、その査定会社へ車を持ち込み。
専門員が5分くらいかけて被害を査定、のちほど内容を送る、とのこと。
待つこと数週間、一通の正式文書が届きました。
3つのソリューションが提示されました。
  1. 修理費用として4000€の支払い
  2. 保険会社による買い取り 2500€
  3. そのまま現状維持
自分はてっきり修理費用だけもらって適当に直して車両を売り払えば儲かると思っていたのですが「1」に関しては諸手続が山盛りでした。修理したらその履歴を県庁に届けなければならない。また車両売買時にその証明書を発行しなければならない。そして修理費用は見積もり決定額であって、修理時にもし費用がオーバーしても保険会社は費用を負担しない。と言うものでした。
新しい車なら検討の余地はあるのですが、もう10年落ちの190,000kmの車両だったので「2」の買い取りを決意。
ただし車の一般的な評価額が見えなかったので同僚に相談したところ、車種、グレード、年式と走行距離を入力するとおおよその評価額が出るサイトを教えてもらい、評価したら何と4000€。自分の中では2500でも十分いい話であると思っていたのですが、以外にも高値でした。
日本に比べると中古車市場は高く、走行距離が多くても普通に売買される土地柄です。フランスはディーゼル車でマニュアルがほとんどなので、ヘタレにくいと言うのもあるかもしれません。ある日、飛び込みで別の販売店で「車を買い換える」という条件で査定してもらったのですが、結局「0€」でした。

2020年3月

この3選択肢の中から回答を一ヶ月以内に返事をしなければならず、一ヶ月を少し前にして「2.」を宣言したところ、3月初旬、すぐにCovid渦がやってきて、ロックダウン、棚上げ状態に!!!
ここまでじゅうぶん待ちましたが、さらに。。。しかしもう待つしかありませんね。「指定された一ヶ月」も過ぎてしまったが案の定ロックダウン中でどことも連絡がつかず。自分は仕事があったので毎日車を使いながら過ごしていましたが、運悪くサスペンションが壊れるという災難に・・・
幸い会社に出張用のレンタカーがあり、コロナ渦の中、誰も使わないので借りられることに。

2020年5月

時は過ぎて五月後半。ロックダウンの解除がはじまり、やっと査定会社も業務開始となり、連絡再開。指定の一ヶ月は過ぎているが、宣言は有効なので書類の日付を空欄にするよう指示があり、その他を全て記入して持ち込むことに!

2020年6月

その直後、車両の引き取り。電話があってすぐ翌日引き取られ、ドナドナ書類の不備を指摘されている最中だったのですが、車両引き取りが先というこれまたフランスらしい対応!
フランスで初めて買った、思い入れのある戦友でしたが、あまりにも急だったので感傷に浸る時間も無かく、めでたく引き取られて手続き完了しました。

引き取られたのが2020年6月9日、雹害から丁度一年。ロックダウンもあり、故障もあり、今思うとひじょーに長かったです笑

子供達にとっては色々なところへ連れて行ってくれたよき相棒でした
速攻作業でレッカーで持ち去られました

雹害はレアケースかもしれませんが、こう言った査定会社の査定方法とソリューションが提示されること、その内容に触れることが経験出来ました。
手続きごとはすんなりいかないのがフランス・・・しかし最後にはなんとかなるのもフランス。さてこれから次の車を探さねば!
しかし町中至る所に「でこぼこ雹車」が未だに存在するが、保険を使わずにそのままにしているのか?
車に関してはあまり見た目とか気にしない国民性なので、気にならないんでしょうね!!また雹が降るかもしれないしね(^_^;
年配者の忠告と天気予報にはご用心!

雨戸もつい先日、大家の手配で修理屋が来て治りました。これも一年。。。笑
共用部の屋上天窓を打ち付ける音

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それでは À bientôt ! (あ びあんとぅ!)

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