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税金の仕組みを知ろう1 ~所得税をわかりやすく~

確定申告のシーズンですねー。

当ブログでは「初心者向けのお金の勉強」の記事も扱っていきます。

大学まで出ても「お金」のことなんて誰も教えてくれません。自分で学ぶしかないのです。ただややこしい。。。。

そんな人のために最低限の『お金の教養』を一緒に学んでいけたらなー・・・

 

ですので、もう基本なんていらねーよって人はスルーでお願い致します。笑

 

さて、今回は所得税の超基本知識をまとめてみましょう。

 

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はじめに

正直なところ、所得税の計算法など知らなくても生きていけます。知ったところでめちゃくちゃ得するわけでもありません。

ただ、自分たちが支払っている税金や社会保障費がどのくらいなのか、何にどのように使われているかというのは知るとことも重要です。こういうことも政治に関心をもつきっかけにもなります。

ここの内容をマスターする必要はなく、「へー、そういう風にできているんだ~」くらいの理解でいいと思います。

 

所得と収入の違い

まず初心者はここでつまづきます。この違い説明できますか?一般的な会社員の場合で考えてみましょう。(下図参照)

収入:会社から支払われる労働に対するお金(=額面)のことです。

所得:収入から必要経費を引いたもののことです。

 この必要経費と言うものを個人で計算するのは手間なので、給与所得控除(こうじょ)というものがあります。給与所得控除は収入額によって変わります

さらにみなさん社会保険料も払っていますね?年金や健康保険など、これらは全国民強制のものなので経費として引いてくれます。(民間の生命保険なども上限額までは経費にしてくれます。)

会社員は普通、特別徴収(=天引き)なので、会社から実際振り込まれる額は収入(額面)から税金・社会保険料などが引かれています。これが手取りですね。

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このように収入(=額面)と所得は違います。所得税は収入ではなく所得から計算されます。要するに控除が大きければ大きいほど税金がかかる所得が小さくなるので節税になるということですね。

ここからは「所得」と「収入」という単語が何度も出てきますが、ゴチャゴチャにならないようにゆっくり読み進めてくださいね。

 

各種控除

では、次に各種控除について見ていきましょう。控除というのは要するに「必要経費」と考えればOKです。それら必要経費を引いた分に課税しましょうねというルールです。ここでは主な控除について学びましょう。

 

<誰でも受けれる控除>

基礎控除は納税者全員が受けられる控除です。令和2年以降*1、合計「所得」金額が2400万円以下の人(ま、一般人はこれに該当します)は一律48万円控除されます。

あとは給与所得控除です。こちらは会社から支払われる「収入」(=額面)の額に応じて控除額が決まります。令和2年度以降、この給与所得控除額が引き下げられます!

※実質増税と考えれますね。

 

<そのほかの主な控除>

扶養控除:配偶者以外に16歳以上の扶養親族がいる場合。

配偶者控除:配偶者の所得が48万円以下(=額面収入 103万円以下)。※ただし、納税者の所得が1000万円(=額面 1220万円)を超えるとこの控除は受けられません

・雑損控除:自然災害や盗難で被害にあったとき。

・医療費控除:年間10万円以上200万円以下の医療費がかかったとき。

社会保険料控除:年金、健康保険などの社会保険料支払い全額。

・生命保険・地震保険控除:支払った額に応じて控除(上限あり)。

・小規模企業共済等掛金控除:iDeCoなどの掛金の控除。

寄付金控除ふるさと納税などの支払いが控除。

 

所得税の計算

さて先ほどの図(下に再登場)を思い出してください。収入から上で学んだ各種控除を引いたものが所得になりますね。

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ここで、例を挙げてわかりやすく見ていきましょう。

(例)田中氏は35歳で年収600万円の会社員です。奥さんは33歳 専業主婦、子供は5歳です。田中氏はふるさと納税やiDeCoや個人年金はやっていません。生命保険は加入も民間医療保険には入っていません。

さて、ではこの田中氏のモデルをもとに所得税を求めてみましょう。まずはこの人の所得を計算しなければなりません。収入から各種控除を除くわけです。

(注意:これらの計算は令和2年以降の比率で計算します)

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田中氏はふるさと納税もiDeCoも興味なくてやっていませんので、寄付金控除や小規模企業共済等掛金控除はなしです。個人年金もやってませんし、民間医療保険にも入っていないので、生命保険の控除のみの4万円です。また、家族ともに健康で、病院にも風邪で1度かかったくらい(?知らんけどw)ですので、医療費控除もありません。

 

田中氏(仮)の所得税は?

上の図から田中氏は340万円の控除が受けられるので、

田中氏の課税所得:600万円ー340万円=260万円

となります。

この額を次の表に当てはめて所得税を計算します。

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上の図から課税所得が260万円で税率が10%となり、それで計算されたものから右隣の控除額と言うものを引けば所得税となります。

田中氏の所得税:260万円×10% ー 9万7500円 = 16万2500円

ということで所得税は16万2500円になりました。

意外と所得税安くて驚いたのではないでしょうか?

 

最後に

かなりややこしいですが、所得税の基本を簡単に学びました。また、iDeCoやふるさと納税をやる人は税金額も変わってきますが、今回はなしで話を作ってみました。

「所得税は高い」と思われがちですが、実は年収600万円の人では16万円だけだったのですね。給料から引かれてる多くは所得税ではなく社会保険料が高いのです。

これから少しずつ学んでいきましょう。

 

住民税についてはコチラ

www.multilingual-doctor.com

 

*1:2021年の確定申告から