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非資源化に取り組む伊藤忠の財務分析


サマリー


  • 2018年度はファミリーマートを子会社化し、純利益などで業界2位
  • 非資源(金属やエネルギー以外)での利益が多い
  • 非資源率が高い企業は収益力で劣る傾向にあるが、伊藤忠の純利益はトップの三菱に匹敵する。

会社概要



株価



事業セグメント


各セグメント純利益

繊維 298億円 
機械 476億円
金属 792億円
エネルギー 806億円
食料 2079億円
住生活 629億円
情報・金融 684億円
非資源比率が77%


業績ハイライト(FY2014-2018)


  • ファミリーマート子会社化による収益増
  • 純利益は業界2位
  • 子会社の影響で利益率が減少

単位:百万円


子会社等の状況


経営の効率化を図り、積極的に子会社や事業の売却を行っている。連結子会社では94%が黒字。


安全性分析


  • 自己資本比率は28~30%
  • 有利子負債の増加に伴い、DEレシオが悪化
  • 手元流動性比率が低下
  • 当面の大型投資はなさそう



利益構造分析


利益構造は良好、損益分岐点売上比率は69%


競合比較


純利益比較


非資源化率の高い2社(住友・丸紅)は純利益で他社に劣る傾向だが、伊藤忠は三菱に次ぐ2位。


非資源化率比較


業界として二分されるようだ。三菱・物産は資源で稼ぎ、他は非資源で稼いでいる。伊藤忠は、非資源化が進んでいる。


各社の事業セグメント別の利益比率


各企業がどこで稼いでいるかが一目でわかる図

伊藤忠 → 食料
三菱、物産 → 金属
丸紅 → 機械・インフラ
住友 → 機械・インフラ

(そろそろ2019年決算が出てくるので、変化率を分析して、各社がどこに力を入れようとしているかを見てみます)


今後の見通し


五大商社の中では、最も有望な企業だ。ESGの観点から今後エネルギー・金属事業は縮小することが考えられるが、食料・機械・住生活・金融などの非資源でバランス良く利益を確保している伊藤忠は、そうした外部環境に影響される可能性が少ない。今後は、既存事業でどう利益を拡大していけるかが鍵と考えられる。財務を見ると、当面の大型投資は難しいため、選択と集中で投資の効率化、事業売却によるキャッシュインを図っていきたい。


第8カンパニーで閉塞感脱却


伊藤忠は昨年8月に第8カンパニーと名付ける新組織を結成。ファミリーマートや日本アクセス、ポケットカードを移管し、純利益を300億円程度にする見通し。新たな核に。(日経新聞より抜粋)

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