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在庫の積み上がりは利益にプラス?


製造業4-6月期、利益の落ち込みが意外と小さい?


コロナの影響で主に製造業などは製品の納入が後ろ倒しになるケースが増えていますが、そんな中でも意外と利益が落ち込んでいない企業が多々見受けられます。今回はその要因の一つとして、会計上、利益増につながってしまう例を取り上げます。

棚卸資産の積み上がりによって粗利が増加する


売上原価の計算式

  • 売上原価 = 当期期首在庫 + 仕入高 - 期末在庫

上の式より、期末在庫が増えると売上原価が減ります。ゆえに在庫の積み上がりは利益増(粗利)につながるわけです。

次期以降、粗利の減少に注意


上記で見た通り、期末在庫の増減によって粗利が変動するため、2Q以降の動向には注意が必要です。製造業の直近の業績や製造業指数などを見ると、緊急事態宣言が解除されて以来(6月以降)、企業活動がかなり回復してきています。

日本・製造業PMI(出所:Trending Economics)
すると7-9月期では、これまで積み上がっていた受注とともに在庫が減っていくことが予想されます。もちろん、在庫の減少以上に生産が増えれば影響は軽微なものになりますが、PMIの数値を見るとコロナ前とはまだ乖離があるため、そうした状況は想定しづらいでしょう。

まとめ


  • 4-6月期で利益の落ち込みが少ない企業は、在庫の積み上がりが原因の可能性あり
  • 売上原価 = 当期期首在庫 + 仕入高 - 期末在庫
  • 納入が回復してきていることから、7-9月期は粗利が予想以上に減少する可能性

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