magisyaのブログ

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24話 戦いの終わり

 

「ぐっ、なにい? おめぇ・・無傷だとぉ? 

オ、俺は・・元チャンピョンなんだぜえ? 

お、おかしいじゃねえか?

その俺様の勘が外れるたぁ大したもんだぜぇ?

ぐう、こ、この電圧は・・10万数Vはあるぜぇ?

スッゲエ一撃じゃねえか・・ヘッ、流石俺様だぜぇ

おめぇは、俺様が大事に育てたモケポンだもんなぁ?

それだけは未来永劫ぜってえに変わらねえんだぜえ?

そんなおめぇが・・俺様に・・これ位の事が・・

出来ねえようなら・・ぜってえに・・ゆるせねえ・・

ところ・・だっ・・たぜえ?」

バタッ 

 

勝敗は決した。

 

「確かに私はロート一族の末裔まちゅえいという

はなちをおばあちゃまから聞いた事はありまちゅ。

でちゅがそんな血は既にうちゅ

一族の誰ももう雷の力は使えまちぇん

でちゅが・・この力・・本当に?

いや・・私の力ではないでちょう。ここに漂う電力? 

それとも・・成野ちゃまと石出いちでちゃまが

力を貸ちてくれたのかも・・

ピカチュウ感謝かんちゃでチュウ」

 合掌し2人の誰かに感謝するピカチュウ
こうして、社長の制止を振り切り物資を送る事に成功。
彼の活躍がなければ
暑さと飢えで多くの死者が出ていただろう。この様に正義を貫く為なら
上司の理不尽な要求にも屈しないスタイル。
そして、家族思いの優しい父親の一面。
そして最後に漏らした謎の一族の血を引いた
ミステリアスな能力を秘めた部分が合いまり
多くの小中学生達の共感を得て人気を集めた。

 

当時かっこいい変身スーツを装備した
ヒーローが台頭する中で
一般人の薄毛の中年男が主人公のアニメが
人気アニメランキングの上位付近にいる事は
異例中の異例だった為
雑誌の編集者も首をかしげたものである。

だが、子供達は見抜いていたのかもしれない
本当のカッコ良さとは、赤青黄緑ピンク5色の
カラフルな全身タイツで着飾った外見ではなく
禿げていようが強い者に屈せず
一本筋の通った内面だという事を。

一方社長はと言うと、どんなに強い攻撃を受けても
HPが1残るという秘宝

 

【気合の狸】

 

を装備していたので即死は免れた。
しかし、電気の衝撃で前後の記憶が消え
江大のした事の全てを忘れてしまった。

 

 因みに彼の声優は、中年男性の声は初挑戦という

あの、大谷育江さんが声を担当している。

そう、育谷江大の声を女性が

演じてるというから驚きだ。

ピカピカの中年男性発表セレモニーでの

インタビュー時に

 

「江大の必殺技前の口上と言うのがあるんですが

初挑戦でしたが、凄いカッコ良くて

テンション上がるので

演じている内に江大になり切ってました(笑)

皆さんもぜひ見て下さいね!

後、今回初めて野沢雅子さんみたいに

一人3役で、嫁の来中と、娘の秘中の声も

担当したのですが・・声の使い分けが大変です(汗)

野沢さん凄いなーって

自分でやって、その時初めて気付きました。

これは内緒なんですけど・・(小声)

江大のセリフを来中の声で喋っちゃったり(笑)

でも誰にも気づかれず

一発で通っちゃった所もあるんですよ(笑)

で・・誰にも指摘されなかったし

私からは言い出せなくて

まあいっか、今回は許してねって(笑)

え? これ全国放送? 

あ、あの、ここだけカットでお願いします(焦)」

 

「生放送ですwww」

 

「あわわ」

と語っている。

そして、中年男性の声は初挑戦という事で

 

「全力で頑張ります(笑)」

 

と気合が入っていた。

その完全なおっさんの外見から

想像できぬ可愛らしい声で

嫌な上司と戦うおっさん。

あなたも興味が湧いてきたのではないであろうか?

 

何? 

何故10万3ボルトと詳細な電力が分かるのだと? 

そんな事は簡単である。彼は電力会社に勤めている。

電圧計等も幾らでもあるのだ。

多分な・・私も電力会社の内部事情は詳しく分からん

だがな? 電力会社と言う位だから恐らくあるだろう!

あるていで進めていく!

あの事件をきっかけに

自分が電気を出せる事に気付いた江大が

どれ程の電力を出しているか電圧計で

計測し、その数値が10万3Vだったのだ。

そしてその数値をそのまま必殺技名にした。

お分かり頂けただろうか?

 

しかし、社長は技を食らった直後に

大体の電圧の数値を把握していた。

流石電力会社の社長である。

ぬ? 幾ら酷い人とは言え、約10万Vもの電圧を

人に向けて撃ってはいけないであると? 

死なせてしまっては殺人犯じゃないか? 

む、そうであった

確かに凄い技に聞こえてしまう10万と言う言葉。

どういう訳か凄い強い技と言うイメージがある。

 

例えるなら、とあるゲーム内で

技の威力が最高250とする。それは条件付きで250

しかも、自らの命と引き換えでの威力だ。

 

そんな中、よく分からないが

威力95で、命中も100と言うハイスペックな技に

それによく似た名前の技があるらしいのだ。

そのせいで【10万ボルト】という言葉が

とても強くて便利な技という認識が広く知れ渡った。

しかし、実際はそれ程強力ではないのだ。

 

 放つと言っても1cm放電するのに

必要なボルトが3万Vと言われている。なので

頭から3、33334333・・cm程の

射程距離しかないのだ。

故に10万3ボルトという必殺技は

江大の帯電した頭から約3cm程放電した

状態による頭突きの事を言うのだ。

先入観というか、イメージ的に頭から光と共に

電撃を飛ばすと言う技を想像した方も多いであろう。

そして、それは社長も例外ではなかった。

 

そして人は、人自体が強烈な絶縁体と言う事を

ご存知であろうか? 乾いている状態ならば

大体5000Ωの電気抵抗を有しているのだ。

因みに静電気は5千から1万Vである。そして

自然現象の雷は、200万~10億V

スタンガンが、強い物で110万Vと言われている。

その約11分の1の電圧では、人は死なないのである。

社長が倒れたのは電気による物ではなく

江大自身の頭突きによる衝撃で

気絶したと言った方が正しい。

 

        §ゴキィ§

 

という音が響いていたが、それが正に社長の

あばら骨を粉砕した時に響いた音なのだ。

彼は、小中高とラグビー部の主将をしていただけあり

その突進力はいまだ健在で、凄まじい。

更に34歳の時、社長にスカウトされ

モケポンとして、レベル100まで育っていた事もあり

攻撃力も半端ない。おまけに

髪でコーティングしていないハゲ頭による頭突きは

頭蓋骨と言う凶器で直接殴っているような物。

ダメージは計り知れない。

 

何? 記憶は消えたけど

あばらが折れたらそれ切っ掛けで

ピカチュウにやられた事を

思い出すんじゃないか? だと?

だ、大丈夫である。社長は寝相が悪く

ベッドからよく転げ落ちては

あばらを折っているのだ。なのでこの骨折も

電撃で記憶がおかしくなっている事もあり

その時の事だと勘違いしてくれるに違いない。

究極に安心なのだ。

 

ただ、少量の電流とはいえ

水をかぶった状態では分からない。

しかし、電力会社で上司が水をかぶった状態で

戦いは決して起こる事はないので

安心して見られるアニメなのだ。

 

ところで、社長はあっけなく負けた様に見えた。

だがそれは違う。社長の選択肢が

正しければピカチュウは負けていたのだ。

・・ただそれだけだった。

詳しく解説しよう。

 

基本的な事を言うが

モケポンには物理技と特殊技がある

攻撃が上がれば強くなる物理技と

魔法攻撃的な意味合いを持つ特殊。

この数値が上がると強くなる特殊技の2種類である。

 

ピカチュウの技構成を思い出してほしい

ゴールデンサンフラッシュ以外は攻撃依存で

特殊依存の技が見事忘れ去られている。

それは、猫も小判は物理依存。攻撃が高いと

小判のダメージが上がるのだ。

小判自体の威力は、技の中でも最低ランクなので

ドーピングで力を極振りし

出来るだけ高速周回出来る様に社長が調整したのだ。

リーグで小判の威力を高める為だけに攻撃特化の

普通のトレーナーは育てない

変態型の育成をされたピカチュウだが

普通に育ち覚えていく技は

特殊技の方が多いピカチュウ

社長は、101で覚える技も、特殊依存と推理したのだ。

確かに100以降のレベルアップを誰も見た事は無い

チャンピョンになった社長ですら未知の世界だが

ピカチュウの成長を、林で出会ったレベル3から

ずっと見てきた彼だから、こう確信したのだ。

 

彼の反射技エイトジムバッジリフレクションは

3つの反撃パターンを自分の意思で

選ぶ事が出来る。

 

一つはカウンタアー型

物理の攻撃を受けたダメージの2倍を跳ね返す

 

一つはミラアーコート型 

特殊の攻撃を受けたダメージの2倍を跳ね返す

 

最後はメタルバアースト型

物理特殊関係なしに受けたダメージの1,5倍を跳ね返す

 

3番目はお返しする威力は低めだが

どちらが来ても跳ね返す事が出来る為

比較的安牌であると考えられる。

だが、社長はメタルバアースト型を

使用した事は一度もない。こんな物に甘えていては

勝負師の勘が鈍るとの事だ

彼は確信していたのだ。初見とはいえ

本来、特殊技を多く覚えるピカチュウ

派手なエフェクトと共に、放とうとしている姿を見て

物理技はぜってえ無えぜ。と・・!

ここでいきなり物理を覚える筈はない。

過去の経験を思い返し、全てを賭け

ミラアーコート型の一点張りを行った。

その結果、物理攻撃を行ったピカチュウ

無傷だったのだ。

カウンタアー型メタルバアースト型の

どちらかで待ち構えていたら

逆にやられていただろう。

ピカチュウは3分の1で彼を制したのだ。

 

社長は、ピカチュウを必要以上に分析した上で

負けてしまったのだ。彼の賢さが

深読みをしてしまい判断を見誤った。

 

「その俺様の勘が外れるたぁ大したもんだぜぇ?」

 

彼はこう言っていた。彼は勝利を確信していたのだ。

が・・ダメージを受けたのは自分だけ・・

相当悔しかった筈。だが、最後は江大を称賛し

倒れていった。

小さないさかいから発展した激闘であるが

憎みあっていても、共に長き間

戦ったパートナー。心の深い部分では

お互いを信頼しあっている事の表れであろう。

 

何ぃ? 江大自身が殺ちぇと言っていたであるだと?

信頼しあっていないじゃないかであるだとぉ?

た、たたったた確かに言っていたな。その上

私の記憶が正しければ、確殺とも言っていた。

だ、だが、これは必殺技の口上で、殺人予告ではない。

必殺技の口上でやっつけろとか倒せでは

やはり何と言うか生ぬるい気がするのだ。

無言で頭を輝かせ頭突きするだけでは地味であるし

ただの酔っぱらいの親父達の喧嘩としか見て貰えない。

それでは視聴者としても余り面白みもないし

力も出ない。

だが、そこに口上をつけ足せばガラッと変わる。

視聴者のテンションを向上させてくれる。

そう、口上があるからこそ気分は向上するのだ。

 

ああ・・またである・・私とした事が

またも語り中に上手い事を言ってしまった・・

どういう訳か抑える事が出来ぬ

語り部は性質上決して表に出る事は無く

わき役に徹せねばならぬと言うのに・・

・・すまぬ。

 

 まあ多少発動までに時間が掛かってしまうが

口上を述べている間は敵は

絶対必ず終わるまで待ってくれているから問題ない。

もしも、ここで手出ししたらそいつは悪役業界から

爪はじきにされるのは言うまでもない。

これは暗黙の了解なのだ。

 

「お前をやっつけろと輝き叫ぶぅ」

 

どうだろう? やはり、少し迫力が足りない・・

必殺技感が足りない。どうせ言うなら

羞恥心を完全に捨て

中途半端でなく声を張り上げ格好よく決めたい。

まあ、江大の口上もまだ粗削りな部分もあり

頭が光る事と、社長を殺す事にフォーカスを

当てすぎて、華麗な口上とまでは言えなかった。

だが、回を重ねていく内に口上のクオリテーも

上がるので心配ない。

 

因みに製作者も、毎回口上を変えて

お届けしていく内にネタが尽き

考えた末、視聴者のアイディアを募り

放送するようになったのだが、これが大当たり。

子供たちは、休み時間に一生懸命考え

放課後ポストに走りはがきを投稿する。

もしも、その口上が採用された瞬間

オープニングに投稿者の名前が大きく出るので

学校内のヒーローになるのだ。これもこのアニメが

人気を手にした理由の一つになるだろう。

何? 今時ポストで投稿は古いんじゃないのだと?

そうなのだ。スタッフもパソコンや携帯で

投稿フォームを作ればいいものを

敢えて1970年代のスタイルでの葉書のみの募集。

これが、逆に今の若い世代には新鮮味を与えたのだ

お陰で沢山の応募があったと言われている。

 

しかし、社長の口上。あれも余り迫力がなかったな。

あれは、悪い例の見本である。

まだ若いという事もあるのだろう。

 

「ぜってえ」

 

と言う単語が多すぎる。

私なりの口上という物に対する解釈は

様々な言葉で彩り作り上げる言葉の芸術。

使用者の語彙力がダイレクトに求められる。

相手を言葉のみで、委縮、戦意喪失させる

ある種の魔法。

その点は、彼はまだまだ素人である。

まあ、ピカチュウにつられて

 

「負けねえぜぇ?」 

 

と始めた口上。咄嗟に出た言葉の中では

良くやった方なのかもしれぬが・・

 

 

言葉には【言霊】が宿ると言われている。

それは言葉に宿る魔力。効果は様々であるが

良い言葉には、良いエネルギー

悪い言葉には、悪いエネルギーが宿っているとされる。

その言霊を引き出すには

やはり強い言葉を使う方がよいのだ

故に、やっつけろよりぶっ潰せ。

ぶっ潰せよりは、殺ちぇがより強い言霊を引き出せる。

江大は最上級の言霊を宿した

殺ちぇという言葉を本能的に使ったのだ。

 

それに、その程度の事ができぬなら

結局うだつの上がらぬ平リーマンそのもので

どうあがいても人気アニメにはなれなかった。

彼がヒーローとして上位に君臨しているのは

あの口上あってこそなのだ。

やはりここは殺ちぇが正しいと思う。

それに殺ちぇという響きは、凄くかわいいし

Tシャツのロゴにプリントされていても

違和感もない。それ程に

親しみ易い言葉だし、問題ないだろう。

言うには言う。それは、より良い言霊を得る為だ。

だが、それでも実際には命は奪わない。

安心してほしい。

 

このアニメ。何故か同世代の中年層には受けず

小中学生の人気を手にしている。

 決して主題歌の歌詞に某電気鼠と同じ名が

入っている訳ではなく

当然2020年が鼠年だから

便乗しちゃえと言う訳でもない。

 

 その中年男性の禿げてても

かつらだけは着けないという生き様や

内面でなく、頭頂部が物理的に美しく輝くという

シンプルなタイトル。

そして、上司でも間違いは正す為殺す勢いで

戦う勇士を見せてくれるピカチュウ

アリサを含む小中学生達を虜にした。

そして、いずれ自分も中年になる事を

このアニメを通して知り、中年とは何かを学習し

より良い中年ライフを送る事が

視聴する事で学習できる。

そして、視聴した子供は、若さ故に

横柄だった態度も、何かを悟った様になり

次第に柔和になる。

その効果から、教材として学校の授業でも

使われる程で、多くの国民に認知されたアニメだ。

そこから小中学生達が共感しただけという事を

念を押しておく。

決してここで言うピカチュウとは

 

「ピカピカ~」

 

と鳴き左吐士の後を付いてくる

黄色い鼠の怪物ではない。

これだけは、これだけは信じてくれ。

 

全く・・アリサがあんな鼻歌を歌ったが為に
3話(約2万文字)にも及ぶ説明を入れる事になるとは
人生一体何が起こるか分からぬものであるな・・
全く、語り部使いの荒いお転婆幼女である・・

ぬふぅ、少し語り疲れて来たな
・・まあ私も語り自体は嫌いではないし
一知半解のままで読者様方を
置いてけぼりにはしたくは無い。
それに、ピカチュウと言う言葉は
色々な世界に広く知れ渡っている為
ここまでしっかり説明しないと
とんでもない誤解になるのではないか?
という懸念もあり、念入りに説明しておいた。
これだけしっかり説明しておけば
あのピカチュウではないと
分かってくれると確信している。

そう、もう既に皆さんは

ピカチュウ

と言う言葉を聞いた、その脳裏には
ハゲ頭の赤ちゃん言葉で喋る正義感に溢れた
中年男性の事しか思い浮かばない筈である。

お分かりいただけただろうか?

そうか分かってくれたようであるな
ありがとう感謝している

 

ここまでお読みいただきありがとうございます

次週の木曜に次を投稿しますが

こちらに行けばすぐに続きが読めます

https://novelup.plus/story/200614035

https://ncode.syosetu.com/n3869fw/

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