ラインハルトのアムリッツァでのビッテンフェルトの処遇からみるラインハルトの欠点
こんにちは!
毎週大人気放送中の銀河英雄伝説で気になる描写がありましたのでそのことを書こうと思います!
13話のアムリッツァのラインハルトのビッテンフェルトの処遇は正しかったのか?
簡単なあらすじ
アムリッツァ会戦は原作一巻、ノイエ版12,13話の話になります。
イゼルローン要塞を手に入れた同盟が次の選挙の勝利を狙う政治家たちの思惑で帝国側の領地に「民衆の救済」という名目で出兵を行います。
が、そのことはラインハルト側にはお見通しでラインハルトの作戦により同盟は歴史的な大敗をしてしまいます。
勝利を重ねていき完璧な包囲網を敷くラインハルトでしたが、部下のビッテンフェルトのしくじりにより、ヤン達同盟軍をすんでのところで逃がしてしまいます。
完璧な包囲網だったのにビッテンフェルトのしくじりにより完全勝利の機会を逃したラインハルトはビッテンフェルトに自室の謹慎を命令します。
しかし、キルヒアイスの説得によりビッテンフェルトの責任は問わないことにラインハルトはするのでした。
ラインハルトとキルヒアイスの両者の人となりがよりわかる名シーンですね。
このシーンをオーベルシュタインはNO2不要論をさらに思う様になり、のちのちの展開の伏線となりうるシーンです
では、改めてこのラインハルト決断は正しかったのでしょうか?
そもそもアムリッツァでの帝国の目的について
同盟の目的は帝国領に侵攻し、ルドルフの圧政に苦しむ民衆を救済すること。つまり、帝国領侵攻です。
帝国においてのこのアムリッツァの目的は「同盟の侵攻を止める」ただこれだけに尽きます。
もちろん、戦死者を出さない、限られた戦力で勝利をするなどもあるとは思いますが、とりあえずの目指すべきゴールはそれです。
もちろん無傷で成し遂げたらそれは称賛されるでしょう。しかし、目指すゴールは決してそこではないのです。
ラインハルトは出世を重ねたいという強い思いがあります。完全勝利に固執することは自然なことかもしれませんが、「目的はそこじゃない」感がやはりありますね。
ラインハルトに向かい打てと命じた将兵も誰も「帝国領内に侵入してきた同盟軍を一人残らず殲滅しろ」と言っておりませんし…
アムリッツァでのラインハルトはビッテンフェルトと同じように功に焦り、不必要な身内の犠牲を行おうとしました。それと同じ現象が将であるラインハルトにもあったのです。
キルヒアイスはそれを察し、すぐに動いたのでしょう、ビッテンフェルトのためではなくラインハルトのために。
もし、ビッテンフェルトに責任を負わしていたら
キルヒアイスはラインハルトにビッテンフェルトの責任を問うことについて以下点を踏まえながら説得しました。
- ・怒りを抱いているのはビッテンフェルトではなくラインハルト自身ということ
- ・これからラインハルトには門閥貴族の戦いがある。敵を作る真似はよくない
ラインハルトはキルヒアイスの弁を認め、「自分が間違っていたこと」、「ビッテンフェルトの責任は問わないこと」とキルヒアイスに約束しました。
その後、ビッテンフェルトは変わらず任務についているのでその通りにされたのでしょう。
が、これがもしビッテンフェルトの責任を追及していたらビッテンフェルト及び黒色槍騎兵艦隊は無傷でいられたとはいえません。
ラインハルトの「オーディンに帰還した際に責任を問う」ということはもしかしたらビッテンフェルトの命を言っていたかもしれません。
副官が黒色槍騎兵艦隊の歴史を閉じるつもりか、とビッテンフェルトを止めたのはまさに命がけだったのでしょう。
家意識が強い中、ビッテンフェルトの家にも傷を残す、ということも考えられます。
キルヒアイスの言う通りビッテンフェルト側にラインハルトの不信感が溜まることはありえますね。
ラインハルトの欠点について
キルヒアイスはラインハルトの作戦を聞いた時、すでにこうなる危機感はあったのでしょう。
ラインハルトの一番の欠点は「自身の才能に見合わない視野の狭さ」にあります。
ビッテンフェルトを処罰してビッテンフェルト側から不興を買うと想像できなかったのも、その視野の狭さからくるものでしょう。
視野の狭さに対してで言うと、14話で王位継承候補のザビーネとエリザベートについて語る場面でも見受けられます。
年端も行かない少女を道具にし味方を募ろうとする門閥貴族に対しラインハルトは皮肉交じりに「あの少女たちはいったい何人もの婿をもつつもりだ」と語っています。
が、政治の道具にされているというでは姉のアンネローゼ様と同じ。
アンネローゼ様の境遇と比べずにただ門閥貴族の小娘だからと皮肉交じりに言うラインハルトにキルヒアイスは無表情で返します。
おそらくキルヒアイスはこのザビーネとエリザベートに「可哀そう」と感じており、ラインハルトの皮肉にのれないのでしょう。
そして、その視野の狭さが後々のラインハルトの障害になるのもキルヒアイスはわかっているはずです。
おそらく今まで窘めるのはキルヒアイスの役目だったのでしょう。ただ今回はどうしても二人の目的を果たすためには犠牲にしなければいけなかった。
その複雑な心境が無言だったのでしょう。
まとめ
ビッテンフェルトの責任の追及は戦果と比べかなり大きいものであることが予想され、そこから見えるラインハルトの欠点は「才能に見合わない視野の狭さ」にあります。
キルヒアイスはラインハルトの視野の狭さを埋める大切な存在だったのですが、オーベルシュタインのNO2不要論でキルヒアイスの立場が危ういものになってしまった感は否めません。
ラインハルトにおいてキルヒアイスの存在ってとても大きなものだったんだな、と感じ入られずにはいられない名場面なのでした!!!