お金と数字と温泉を考えるブログ

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『リアルおつり投資』をやってみた感想

マネーフォワードと連携し、自分の使った金額の端数をお釣りとして投資できるサービスで「トラノコ」というものがございます。いわゆるロボアドと言われる類のもので、お金を投資してしまえば、あとは自動的に投資をしてくれます。
このサービスはこれまでカードや電子マネーなどの現金でない利用代金をお釣りとして投資することが出来ましたが、この度金融庁との実証実験で、実際のお金を投資するサービスが試行的に開始されました。『リアルおつり投資』です。
prtimes.jp

現在、都内の一か所で実証実験をしているとのことでしたので、実際に行ってお釣りを入れてみました。その感想と、個人的な今後の見立てを書いていきたいと思います。

都内の一等地に…

お釣りを入金できる機械があるのが丸の内。久しぶりに東京駅に行きました。普段丸の内なんて行かないので緊張しました。

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丸の内の一角にある
写真のスペース内に入金用の機械が置いてあります。すぐそばにはセブンATMが数台。そういえば最近セブンATMが代わったと思ったんですが、すぐ近くにセブンATMの歴史が書かれていました。現在が4代目だそうです。
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入金用の機械。金具部分にお釣りを入れる
上記写真の機械を使って入金をします。入金方法はこんな感じ。
①トラノコの画像をタップ
②バーコードを『トラノコアプリ』から読み取り、機械にログインする
③入金する
④『トラノコアプリ』に反映
初めてだったのでアプリをアップデートしたり多少もたつきましたが、特に難はなく使用できました。
使用後に気になったことを書いておきます。

使用シーンは沢山ありそう

使ってみて思ったこととしてはまず、使用するシーンは多く存在するな、と感じました。

入金用の機械で『nanaco』や『edy』へチャージすることも出来ました。現金をチャージする時は必ず財布を開くわけですから、要らない小銭は入金してしまえば良いですよね。これまで小銭を寄付していたのを、投資に回せるわけです。

Felica機能を持つサービス、例えば『Suica』や『Pasmo』のチャージ機械の一機能として提供することも可能かと。

『トラノコアプリ』を使える人は、現金入金は恐らくしない

一方で、入金をさせる際に『トラノコアプリ』を立ち上げさせるのはイマイチかなと感じました。

というのも、アプリを使ってお釣り投資が出来る人は、多少なりともネットリテラシーがあり、お金の使い方が現金から電子マネーへと変わっているはずだからです。
(マネーフォワードで情報連携するので、現金を持つことをなるべく控えるでしょう。)

現金入金する層はターゲットが異なります。
そのためトラノコアプリではなく、現金入金専用のもっと簡単なアプリが必要でしょう。iPhoneのタッチ決済並みに簡単なものが良いと考えます。

『トラノコ』を使うなら、少額のおつり投資では損失を出す

これが一番気になっている点なのですが、『トラノコ』は月額300円かかるサブスクリプションサービスです。株式投資はせいぜい7%がリターンと言われていますので、月額300円、年間3,600円を回収するために必要な投資額は
3,600円÷7%=51,428円です。
しかもこれは良い相場だった時なので、相場が悪くなればより大きな投資額が必要です。

前々から思っていたのですが、お釣り投資というサービスは金融弱者を食い物にしているのではないか?と思う時があります。

投資のリターンで一番差が付くのが販売手数料や信託報酬といった手数料です。そのことを知らないユーザーから、株高相場という好条件を利用し月額手数料をせ占めているようにも見えます。

尤も、トラノコのサービスページには利用金額が多くなればなるほど手数料が相対的に安くなる旨は書いてあるので、後はどれくらい企業がユーザーに対して手数料を取っているかを示す誠意があるかどうか、それ次第だと思いますけどね。

(ちなみに、トラノコはプレスリリースで利用者の98%が運用収益がプラス*1と書いていましたが、これは月額手数料を除いた収益であり、投資額が少ないであろうトラノコサービスで月額手数料を加味して算出すれば、収益が出ている人はもっと少ないはずです。