レーシングスーツに身を包み、熱狂する君が美しすぎて(笑)。
先日、こんな映画を観ました。
『フォードVSフェラーリ』
1960年代半ば、アメリカ最大の自動車メーカー、フォード・モーター社から途方もない仕事を請け負った二人の男がいた。元熱血ドライバーのカーデザイナー、キャロルと、超人的なドライビングテクニックを持つケン。彼らに下された指令は、モータースポーツ界の頂点に君臨するフェラーリ社を、ル・マン24時間耐久レースで打倒することだった・・・
実際に伝説的レースとなった、1966年のル・マンを題材にしたストーリー。
爆走するエンジンのRPMに追い打ちを掛ける音楽のBPM。
ローアングルでぐいぐい攻めるレースシーンの映像が、ドライバーズシートさながらのスピード感で凄い迫力。
この映画、今年1月からシネコンで上映していましたが、もしもお近くのミニシアターなどでリバイバルがあれば是非ご覧になるのをおすすめします。『爆走!卓也君!!!』で、卓也君がシュミレ―タ―に乗りながら繰り返し口にしていた「実車のような挙動」を、まさに映像と音響で体験出来るはず。
私はいつも通ってる小さなシアターの地下スクリーンで観たのですが、ライブスピーカーによる特別仕様の音響設定で、床から体に伝わるエンジンの振動が生々しくて最高でした。
レースシーンが一番の見どころではありますが、同時に親子やバディといった人間関係を丁寧に描いたヒューマンドラマでもあるので、映画好きの方ならどなたでも楽しめますよ!
カーレースと言えば・・・
そう、卓也君だ。
以前CSで放送された『歌手・中澤卓也の道程』。
#1で、卓也君がカーレーサー時代を語っているところがあったけど、その中で特に印象的だったシーンがある。
それは、マシーンが高価で新車に乗ることが出来なかった自分が、雨天のレースで(いつも新車に乗っている)ライバルに初めて勝って嬉しかった、と話すところ。
新車ではない自分が勝てた理由として、雨で路面が濡れると車の性能ではなくドライバーの技量勝負になるから・・・そう説明する卓也君。
思い出を淡々とした口調で語る彼の冷静な表情の中に、当時の自分自身の闘志に対する矜持が窺える。
そして、そういった経験が、歌手になった今でも、彼自身を深い部分で支えるよすがになっているように見ている側には感じられて、それがなんだかとても感慨深い。
冒頭に書いた映画の中にも雨天のレースシーンが二度あって、その度に卓也君のお話を思い出しながら観ていた。
濡れた路面ってドラマチックで美しいと思う。
降りしきる雨をものともせず疾走する卓也君のカート・・・
想像しただけで震えがくるほど恰好良い。きっと、凄く上手だったんだろうな。『爆走!卓也君!!!』でも、初めて挑戦したF1のシュミレ―タ―で、テクニックとスキルを江口さんに褒められていた。
DDRで江口さんとカーレースの話をする時の卓也君、表情はわりとクールビューティなんだけど語り口が熱っぽくて可愛らしい。今とは違う世界に生きていた頃の彼を垣間見せられて、萌えるような胸がざわざわするような気もするけど・・・
でもまあファンとしてはそういうのも悪くないかな(笑)。
歌をうたってる彼を見ていて、ステージでレースの時のことをふと思い出したりはしないのかなあって考えることがある。マシーンと一体になって疾走する、息が止まるような緊張と集中。
エンジン音と周囲の騒めき。その先にある自分だけの孤独。歌手になった今も変わらないものがきっとあるに違いない。
歌に寄り添い歌の人物に自分をシンクロさせる時、彼の胸にはどんな感情が現れ、どんな風景が映るのだろう?
そんな、とりとめもない事を考えながら眺める彼の瞳は、何処かここではない世界を見つめるように潤んでいて、いつだって目が離せなくなってしまうのだ。
(最後まで読んでくださった方、ありがとうございました!)