うたうたいのバラッド | アオイロの恋

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唯一無二のダイヤモンド、中澤卓也君の魅力を語ります。

 

 

『おうち時間#10~おうちLive vol.5』


『おうち時間』の記念すべき10回目の配信は、歌手、中澤卓也の「今」が堪能出来る最高で最強のライブだった。


卓也君の説明によれば、今回はマイクとカメラが前回までとは違っているとのこと。素人なので機材のことは詳しくは分からないが、配信では画像と音声が全てなので、この部分の精度を上げることは重要だと思う。

 

配信終了後に江畑マネージャーさんは「手探りで始めた企画」とツイートされていたけど、限られた環境の中で、卓也君をより卓也君らしく見せるために、出来る限りの努力が成されていることは毎回凄く伝わってくる。


オープニングは恒例の『青いダイヤモンド』オンライン卓也コール付き(←これ大事)。間にカヴァーが二曲で、エンディングが『北のたずね人』。

いつも感じることだけど、配信は普通のライブ以上に構成が重要だから、たとえ短く感じても視聴者の集中が途切れない程度の時間がベストだと思う。シンプルな4曲の構成でトークも交えて30分程度だったら、それこそ年配者から小学生まで集中して見られる。

何かをやりながら見ているとしたら30分だとそれこそあっという間だから、また見直したくなるし、4曲だとセットリストが頭の中でイメージしやすく、繰り返し見るにしても視聴意欲が湧きやすい。本当に良く出来た合理的な構成だと思う。


以前、卓也君のコンサートに映像で出演された美川憲一さんが、「良い歌は愛情のこもっているお弁当と同じ」と仰っていたのをDVDで見たけれど、今回のライブを聴いていて私は、今この時期にこのようなかたちで耳にする卓也君のうたは「おみそ汁」みたいだと思った。

 

料理家の土井善晴さんも言われているように、おみそ汁というのは一つのお椀の中にいろんな具材が入っていて、また、どんなものを入れても成立する、シンプルかつ完成された最高の料理。みんな大好きで、これさえあれば豊かな気持ちになれる。これさえあればとってもあったかい。これさえあれば元気に生きていける。本当に、ファンにとっては卓也君のうたはこころのおみそ汁だなあと、しみじみとそんな風に感じられた今回のおうちLiveだった。


『紅蓮華』(ぐれんげ)LiSA
人気アニメ、「鬼滅の刃」(きめつのやいば)の主題歌。曲は知らなかったけれどアニメの存在は知ってた。いつだったか、ちらっと見た主人公の妹、禰豆子(ねずこ)ちゃんのヴィジュアルがかなり好みだと思った。小学生から同年代まで、ハマってる人が周りに多数。


卓也君は、この女性ヴォーカルが歌うロック調の曲を、『Pretender』に続き、自分自身に対する「挑戦」だと言っていた。

 

卓也君はこの「挑戦」という言葉をよく使うけれど、考えてみたら、ずっとポップスを歌ってきた彼が演歌歌手としてプロになったことそれ自体がとんでもない挑戦だったわけで、本当に凄い決断をしたのだなあと改めて思わずにはいられない。

しかし演歌にはクラシックと同じく歌唱技術が必要だから、これが攻略出来ればオールジャンルが歌えることになる。もともと高いポテンシャルの持ち主だった卓也君にとって、まさに鬼に金棒。結果的にポップスの表現力も上がっただろうから、めぐり合わせとはいえ、あまりにも合理的な現象に驚かされる。


ツイッターに、オリジナルのLiSAさんが歌うピアノヴァージョンのリンクを貼ってくださっている方がいて、すぐに聴いてみたけれど、ヴィジュアルも含めて圧巻だった。歌い終わって、「エモい」と呟くLiSAさんがとってもキュート。


「挑戦」どころか、卓也ヴァージョンの『紅蓮華』も素晴らしい出来で、私の好きな卓也君の声色が全て堪能出来るから、気持ち良すぎて意識がどっかへいってしまいそうになる。

 


『歌うたいのバラッド』斉藤和義
この曲をうたう前に、卓也君が今感じていることを言葉にしてくれたのがいつまでも印象に残っている。

「うた声で皆さんに元気とかパワーとか、勇気とかそういうものを届けてゆくのが僕の使命」。

そんな彼の言葉を聞きながら、そういえば今年の初春くらいにブログで「命がけでうたう」と書いていたことを思い出した。言葉も文字も、うっかりしているとつい軽く流してしまいがちなほど情報過多な昨今だが、それにしても「命がけ」も「使命」も、まだ24歳の青年が口にするにはあまりにも重い言葉だ。


この曲は、いつか必ず卓也君がうたってくれるに違いないと、皆がそう期待していたのではないだろうか。私個人としては、大好きなアニメ映画の主題歌として採用されているので、卓也君がいつか歌ってくれたら嬉しいと思っていた。


自分のことや周りのこと、いろんなモヤモヤした気持ちを抱えた音楽好きの高校生と、ダンスが大好きな人魚の女の子との交流を描いた名作『夜明け告げるルーのうた』(2017年公開)。ストーリーのラストで主人公が、人魚の鱗をピックに小さなギターを掻き鳴らしながら歌う渾身の『歌うたいのバラッド』は、是非卓也君に聴いてもらいたい。もちろんエンドクレジットでは斉藤さんの歌が流れる。


本当のことは歌の中にある
情熱の彼方に何がある?


卓也君は自分自身に問いかけるように、そっとこころに叫ぶようにうたう。オリジナルよりも落としたテンポでうたわれるバラッドは、集中して聴いているうち、ギターの音が消えて卓也君の声だけになるような錯覚をおぼえた。何だか不思議な感覚だった。


曲が終わった後、再び卓也君は語ってくれた。次の曲のチューニングと、21日に開催の「リミスタ」の大事な告知を江畑さんに言われるまで忘れてしまうくらいにこの夜の彼は饒舌だった。

「熱い想いがある」そう言った卓也君と同じく、彼の声に耳を澄ませた私達も、それぞれに熱い想いを共有したひと時だったと思う。


そんなわけで、今回最後に演奏された『北のたずね人』は、まるで映画のエンディングテーマを聴いているようだった。正直、私はこの曲にジーンとくるなんて考えてもいなかったから、自分でもちょっと驚きながらしみじみとしていた。

 

卓也君の声がいつもよりしっとり聴こえたのは、もしかしたら雨のせいだったかも知れない。でも、歌うたいの真っ直ぐな想いは、熱く強くこころに響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(最後まで読んでくださった方、ありがとうございます!)