慕情、月、雪、紅(くれない) | アオイロの恋

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唯一無二のダイヤモンド、中澤卓也君の魅力を語ります。

 

一人きりのソファが似合う、スニーカーの詩人。

 

 


歌ごころ#045

『サウダージ』ポルノグラフティ

この曲、今まで何度も耳にしていたと思うのですが、こういう歌詞だとは知りませんでした。卓也君の発音する言葉が高速で耳に飛び込んで来て、字幕を見ずとも額のあたりに一文字一文字が刻印されていくようです。

うたっている卓也君の口元をじ~~っと見つめるのですが、唇と、その奥に見え隠れする舌の動きがなんとも不思議な連動に感じられて思考が停止します。彼のうたを聴いて度々感じる、独特の発声の謎がこの歌唱の中にあるようで、なんとか探ろうとするのですが、やはり簡単には解けそうにありません。

 

卓也君が表紙を飾った「歌の手帖」12月号にも、発声法について語った箇所があって興味深く何度も読み返しました。今回の動画と合わせてイメージすると、ミステリアスな中澤卓也の魅力により深く嵌(はま)れそうです。それから、これは単なるイメージではありますが、動画を見ていて「氷の世界」がふと浮かんできました。もちろん若かりし陽水さん歌唱のです。


それにしてもМomokoさんのリズムセクションはやはりキレが最高ですね。思い切りも良くて爽快。卓也君のうたとも相性バッチリで大好きです。

 

ここのところ、初期の『歌ごころ』を聴いては、また最近のを聴いたりして行きつ戻りつしています。#08の「誰もいない台所」がとても好きです。歌詞が切ないですね。切ない歌詞をうたう卓也君を見るのは切なくてつい感情移入してしまう。それが表現としてのお芝居でもリアルでも自分としてはあまり関係ないです。曲にもよるかも知れないけど、うたってる時の卓也君は歌の主人公とシンクロしていて儚い。だから余計に心を持っていかれる。私は聴き終わった後しばらくこちらの世界に戻って来たくない時があるけれど、卓也君はどうなんだろう。

 


先日、子どもと映画館へ出掛けました。世間ではキメツが大流行りだけど、うちの子は血がダメなので私もずっと観たかった「羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)」にしました。小さい黒猫が経験する大きな冒険譚。とても面白かった。

最近、映画のエンディング曲を聴く度、卓也君のうた声が流れるのを想像してみるのです。

 

少し前、ドラえもんの最新作を観た時も、エンディングのミスチルに涙が溢れました。あの、心を狂おしくたまらなくさせるアウフタクトは、もう今は思い出すことのできない幼い魂の抜け殻のように先へ先へと逃げて捉えられない。いつか卓也君の声がスクリーンで聴ければと思う。

 


11月7日放送『人生、歌がある』。伍代夏子さんトリビュート。

どの歌手の歌も素晴らしかった。歌とこころが共鳴して流れる熱い涙。ああ、歌って生きてるんだなあとつくづく感じる瞬間でした。個人的には、堀内孝雄さんの「恋ざんげ」が印象に残りました。なぜあんなにしみじみと聴かせることが出来るのでしょうか?


卓也君は「満月」という曲。聴いているといろんな気持ちにさせられました。歌詞には情念が溢れているけれど、歌詞の世界を透かして、歌い手のこころがぼんやり見えてくるような、そんな感じがしました。卓也君は明るい太陽が良く似合う人だけど、表現者としての彼は冷たく光る月の孤独さや聡明さを感じさせます。


11月8日放送『新・BS日本のうた』。

卓也君は同じ新潟県出身、三波春夫さんの「雪の渡り鳥」を披露。股旅ものは彼の明瞭な声と相性が良いですよね。

最後のところ「抜けば白刃に血の吹雪」って、映像的で凄い歌詞。卓也君は一体どんな情景を思い浮かべながらうたったのでしょうか。私は市川雷蔵が最後に出演した時代劇のラスト、雪降る中の殺陣を思い出しました。市川雷蔵の青白い顔と雪の白さ。そして、もう今はこの世に無い魂を思い出させる残滓の赤。

対して、うたう卓也君の肌の色は、今まさに生き生きと脈打つ、血潮を感じさせる生身の白さでした。わずか数分の歌唱で立ち上がる鮮烈な歌世界に引き込まれましたね。

衣装の、ウエストをシェイプしたロングジャケットも素敵で、きれいなおみ脚が一層引き立っていました。

そういえば初めてTV画面の中に卓也君の姿を見た時、「なんて脚が真っすぐなんだ!」って感動したのを思い出します。

 

他には、森山愛子さんが歌った森高千里さんの「渡良瀬橋」。こんなに名曲だったなんて、当時は思ってもいませんでした。森高さんの作詞の才能を今更ですがとても感じます。もう新曲は書かないのでしょうか。

「憧れのハワイ航路」を歌った青山新さんはとても伸びの良い声が素晴らしい。水森門下生で、今は少し山内惠介さんに歌い方が似ている気がしますが、今後が楽しみで、ちょっと目が離せない感じですね。

 

 

↓怒涛の中澤ワールドが全開!!

 

 

 

 

 

(最後まで読んでくださった方、ありがとうございます!)