前回の続き ~ KGAの競技がどのようにして運営されるかという話。
今回はまず、試合の1~2ヶ月前に行われる「セッティング」について。
各競技を主催するにあたり、基本的には以下の流れで準備が行われる。
①セティング 競技の約1~2ヶ月半前
②前日チェック 競技の前日
③競技運営 競技当日
そこでまず①の「セッティング」について。
上述の通りこれは試合の約1~2ヶ月前に行われる。場所はもちろん試合会場となるゴルフコース。
平日の営業日、クラブハウスのオープン時間である6:30~7:00くらいに集合し、トップスタートのお客さんの前にスタートして18ホールを回るのである。
セッティングを担当するのは当該試合の正・副委員長と担当委員誰か1名の計3名。真剣に、でも和気あいあいの1日の始まりだ。
セッティング当日の主なアクション・決定事項は以下の通り。
1.使用するティーイングエリア、パッティンググリーン、距離等の設定
2.OB、ペナルティエリア、フェアウェイ、バンカー、修理地、人工物等の状態の確認
3.ホールロケーションの決定
4.ローカルルール、競技の条件等の決定
この日はグリーンキーパーさん、キャディさんにも同伴頂き、各種アドバイスを頂きながらセッティングを行う。こんな様子↓
なぜキーパーさんやキャディさんのアドバイスが必要か?
例えばあまりに難しすぎるホールローケーション、いわゆるピンポジだと進行が滞り、当日の試合運営に支障をきたす。(難しすぎて3パット連続。3組詰まって最終組の方は日没との闘い、なんて担当委員にとって悪夢以外の何物でもない。)
また、打ち合わせ当日に修理地があっても、2ヶ月後の試合当日にもそのまま修理地であるとは限らない。(例:芝の張替え等であれば生育が進む。)
そんなわけで、餅は餅屋、である。
そのコースを一番良く知るキーパーさん、キャディさんへアドバイスを仰ぎ、適切なピンポジ、修理地の設定等を決めていくのである。
特にスキルの高いキーパーさんがいるコースなどでは、キーパーさんにおんぶに抱っこ、、もとい、キーパーさんのアドバイスに“特に真摯に”耳を傾け、セッティングを進めて行く。
また、必要があれば、試合日までにOBラインの引き直しや、ペナりティエリアの変更なども丁重に依頼する。
なお、この「セッティング」は、我々も擬似ラウンドをしながら、コース内のチェックや距離の決定、グリーンの傾斜のチェックを行うことになっている。
が、この疑似ラウンドにも、委員長の意向によって「ほぼふつーにラウンドする派」「ティーショットとグリーンだけやる派」「グリーンだけ派」「人に全部打たせる派」などの各種会派が乱立している。
私はせっかくコースへ行ったのだからなるべく球を打ちたいと思うので、「ほぼふつーにラウンドする派」の委員長と一緒になった時は素直に嬉しい。
また、私は若輩であるということもあり「人に全部打たせる派」の委員長と一緒になった時には、私がその“打たされる役”をすることが多く、それもまた嬉しい。
だが、たまーに「スライスであの斜面にキャリーさせて、どこまで転がるかチェックして」とか、「3Wの低い球を打ってあの斜面を上りきれるかどうかチェックして*」とか、なかなかマニアックなオーダーをされる委員長がいるのである。
ハッキリ言って、試合以上に緊張する(笑)
*打ち上げのホールにおいて、もしその地点(仮想2打目地点)から3Wで斜面を上がり切るのが難しい場合には、ティーマークをもっと前に出す等、2打で打ち上げをクリアできような距離設定にするための確認。(その試合に出場するプレーヤーの平均飛距離にて設定する。)
以前に「3Wの低い球」のオーダーを受けた時、3発連続でどトップし、「はい、オッケー、サンキュー。大体わかったからもういいよ。」と笑顔でクビを切られたことがある。その日以来、3Wの低い球の練習をしてしているのだが、なかなかリベンジの機会がない。
とまあ、7時前に集合し、18ホールスルーでチェックラウンドをし、ランチをはさみ、その後ミーティング。終わるのはだいたい15時くらいであろうか。
このセッティングの楽しさ、それはずばり、「キーパーさんやキャディさんとの時間」だろう。
彼らは芝草のプロ、コースのプロである。
我々はKGAの競技委員としてお邪魔しているが、それ以前に“いちゴルファー”である。彼らから教えてもらうゴルフ場のこと、芝のこと、ゴルフ界のことは本当に楽しいし、勉強になる。
朝早くから楽な作業ではないが、この楽しみがあるので、いつもウキウキ気分でセッティングに向かう。
我々への対応も仕事の一貫とは言え、本来の業務でご多忙な中、キーパーさんにもキャディさんにもいつも非常に丁寧・親切に対応して頂いている。
本当にいつも有難うございます。そしてこれからもよろしくお願い致します!
なお15時くらいには終わるので、いつもはそのまま、まるで直行先から戻ったように何食わぬ顔をして会社へ行く。
別に悪いことをしてきたわけではないのだが、1日ゴルフコースで楽しい思いをしてから会社へ戻ってくるのは何となく気まずい(笑)
次回の「前日チェック編」へ続く
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