ブランド米づくり農家を初任給55万円に上げる作戦を考える

日本の米問題

アメリカや中国にくらべて、日本企業の給料が低い理由

政府財政出動で、お金を国民側へ送ると、関係ない民間給与までが上がるお話です。

日米中の大卒初任給です。

・ 月55万円 = アメリカ・中華人民共和国(月53万円説もあり)
・ 月22万円 = 日本
ふざけた差だ

この差は、新入社員の質でしょうか。

そう思い込むのは勝手ですが、実は政府の通貨発行量の差です。

アメリカ人や中国人は真面目に働いて、日本人がふざけて働いた差ではなく。

アメリカと中国は国内にお金を多く用意して、一人あたりの割り当てが多い。

より多額が市場でぐるぐる回るから、経済規模が大きくて景気がよいのです。

お金の発行量に、なぜ差がつくの?

政府は支出するたびに自国通貨を発行し、国民側へ送り込みます。

この知識が、政府側にあるかないかです。

政府の支出って、どこに払うの?

アメリカなら、IT産業や高速道路や航空宇宙産業に軍事です。工事業者やハイテク企業や武器メーカーに、政府主導や後押しでつくらせます。

中国も似て、新幹線やリニアモーターカーや、人民元のキャッシュレスシステムの整備が加わります。ニュータウン建設など都市計画も盛んでした。ゴーストタウンになっても、建設会社を通して国民側へお金を送り込むのに成功です。

古代エジプトのピラミッド方式に似ています。

日本だと絶対ノーと言い出す

日本だと「税金の無駄づかい」「僕らのお金を使うな」の勘違いでストップします。

日本人は、政府が出すお金が追加発行する円だと知らず、自分たちが働いて生んだお金を政府が奪い取り、偉そうに使ってみせる偽善だと、全く勘違いしている

中国でゴーストタウンができても、建設費は幽霊のように消えはせず、マネーストックを増やして新型マスクや化粧品や、自動運転車やらの新開発に回っています。

新開発の途中で失敗したニュースを、日本人は笑うだけでした。でも着々とお金は増えています。しかも続ければ技術が蓄積し、いずれ成功します。昔の日本みたいに。

中国共産党は、日本の昭和の繁栄と、平成の転落ぶりを、教科書としています。

単純に政府がお金を出すだけで繁栄する

政府の公的事業への出資を、日本も昔からやってきた

実は日本でも円を増刷して、国民がいる側へ送っていました。分野は一般道路です。

国道から市道まで、白線や横断歩道に、ガードレールや信号機や標識、歩道や街路樹など豪華に仕上げてきました。日本の道路は、一部に欠点が残っていればひどく目立って報道されるほど、全般にていねいに整備されています。

事故多発交差点とか、呪われた下りカーブとか

しかし平成に、白線が消えた途上国ふうの道が増えました。事故多発地帯も放置されがちです。「自己れば事故責任さ」の風潮で。

お金を増やし続けるべき財政を、1997年から逆に故意に減らしたからです。

国民の勘違いはこう。

国が無駄な道路をつくるから、金庫の一万円札が減って経済は悪化した ←全くウソ

国民は道路整備を省けばコストが浮き、景気が上がると勘違いして、こう言います。

「国民は政府に頼らず、自分のことは自分でやろう」。

「国を頼るなんて、給付金乞食だ」。

自立のすすめか?

政府は国民の代表者の集まりです。国民と敵対する勢力や、別の民族ではなくて。

「政府を相手にせず、自分ひとりで生きよう」は中二病です。

独立国の政府は打ち出の小づちを持ち、お金をボタン操作で増減する役目

「僕は国に頼らず自立してる」と胸を張る者は、勉強部屋の家賃を親が払っていると知らずに、生意気を言う子どもみたいですよん。

公共投資で民が潤うには、農業と林業の一次産業が有力

壊れた日本を修復するために公共投資を増やす時、最重要な分野は農業です。

新型コロナウイルスの騒動で、日本の食料危機に目覚めた方も多いでしょう。

コロナ自粛で通勤をやめて自宅待機した人は、お好み焼きをつくるなどして、スーパーの小麦粉の棚が長時間空っぽになりました。

小麦はほぼ全て輸入だから

輸出国がコロナ恐慌を予想して、輸出制限したのです。食料輸出国は立場が強い。

「小麦の次に米が消えれば、メシはどうなるの」と、嫌な予感がした方もいるでしょう。小麦を使うインスタントラーメンは、今も値が上がったまま下がりません。

日本のコメの存在はすごく心強かった

平成の人気カリスマご意見番は皆、こう言いました。

「外国の米を輸入すれば安いのに、お金をかけて作る日本人は馬鹿」。

「狭い国土の田んぼで、土地が広い外国に勝てるわけなかろう」。

「負けているのに続ける頭の悪いやつら、やめちまえ」。

費用対効果だけ考えればそうなる

コストパフォーマンスの損得基準は、食べる立場の気楽な中二病です。

主食を外国に依存すると死に瀕するか、輸出国に交換条件を押しつけられ、頭が上がらずツケを払う弱みも、コロナが気づかせました。

食料を依存する立場なら、領土を攻められても、差し出すしか選べません。他国に頼った例が拉致事件で、自力解決不能の弱みで、農業貿易で譲歩しか選べません。

日本が長く中国より強国だったのは、日本だけが作れる商品が多かったせいです。

稲作はやめると復活が難しいらしく

米は水源と水路のレイアウトが必要で、大面積だとやりにくいのです。

そんなことも知らなかったでしょ。

水田をつぶすと、土壌を改良し直す年月が必要で、再スタートは難しい。しかも高齢者が持つノウハウや微妙なコツは、ロストテクノロジーになっては遅い。

今90歳前後の昭和一ケタ世代の何割もが、米不足で死の淵を体験しました。

戦後の日本映画には、最大の喜びの表現で、白米をたくさん炊いてふるまうシーンがありました。食べすぎて、腹をかかえて幸せそうに倒れてみせる脚本だとか。

縄文時代から技術が蓄積し、最近の7年でも米の味は急に向上しましたね。ブランド米の順位が入れ替わり、高級コシヒカリが普通レベルになるほど品質も上がりました。

その米を公共事業にする?

米づくりへの政府出資です。政府がコメ農家に出資します。アメリカは小麦にそれをやっています。自動車を守るために、クライスラー社やGM社に出資しただけでなく。

今の輸入米ノルマはどうする?

GATTで米の最低輸入義務(ミニマムアクセス)が決められており、国内に常時米をだぶつかせて、多用途に活用するのがよいでしょう。余らせて捨ててよいのです。

アメリカの米も買い続けて、加工食品に使えばよいでしょう。今はデフレ不況だから、アメリカ製品を少ししか買わず、日本の貧困は海外も困らせています。

日本がGATTで発言力が弱くなったのは、緊縮財政と消費税増税で貧困化して物価が下がり、物づくりから転落した理由も大きいわけです。

緊縮財政で守りの姿勢に入った、その縮小のせいで相手に攻められています。

コロナ騒動で店から小麦が消えた一方、米は足りていたから食料パニックは回避できました。自国生産しない物資で、危険が身に迫った騒動でした。
Photo: westhyhyhy0によるPixabayからの画像