鬼熊俊多ミステリ研究所

鬼熊俊多のブログ。『名探偵コナツ』連載中!

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2024.4月期アニメの期待値

忘却バッテリー やりたいことはわかる。ただキャッチャーの彼がおふざけキャラ過ぎて話の進行が遅くて脱落しそうになる。押さえているところは押さえていると思う。ギャグ✕スポーツ✕青春

ワンルーム、日当たり普通、天使付き こういう状況になったらいいよね、という願望充足型アニメ。しかしヒロインは馬鹿じゃないとだめなのだろうか? 男は常に上から目線でいたいのだろうか?

怪獣8号 以前原作を数巻読んでたので見るつもり無かったんだが、友人がおすすめしてきたので見た。いい具合にストーリーを忘れていて楽しめた。おすすめできるアクションアニメ。タイガー&バニーが好きな人にもどストライクなはず。

転生貴族、鑑定スキル 主人公が鑑定スキルで優秀な仲間を集めて強い組織を作るみたいな話。主人公がひたすら強いっていうのに飽きてる人にはいいと思う。俺的には今季一番のおすすめ。

RE・モンスター ゴブリン転生した主人公がひたすら強くなってくというシンプルストーリだが意外と飽きずに見れる。なぜだろう?

喧嘩独学 外見至上主義の人が原作。やっぱりおもしろい。虐げられた主人公がユーチチューバーとして成り上がっていく話で、基本構造は外見至上主義と同じ。同じやつだけど違うやつをくれという視聴者の欲求に見事に答えている。韓国はドラマだけじゃなくアニメでも日本を凌駕することになるかもしれない。(アニメスタジオどっちか知らないけど)

出来損ないと呼ばれた元英雄 いつもの主人公です。いつものなろう系です。いつもの主人公です。さあ召し上がれ。すぐにお腹いっぱいになりそう。

龍族 明らかにハリーポッターが下敷きと思われる家族構成、前半のストーリー展開。一話のラストは良かった。

夜のクラゲは泳げない 女子の友情もの? まだ一話でよくわかってない。二人で成り上がってくのだろうか?

レベル2からチートだった元勇者候補 異世界転生アニメをゆるりとお楽しみくださいって感じなのかな? 冒険者になるし、魔族といきなり戦ってるけど、スローライフな雰囲気が漂っていて先が読めない、

変人のサラダボウル 原作の一巻読んでた。アニメの出来はいいと思う。異世界からヒロインが日本に転生してくるって話で、コメディドラマ。気楽に楽しめる良作だと思う。

オーイ!とんぼ 元プロゴルファーの目線で才能ある中学生ゴルファーの成長を見守るってコンセプトなのかな? とにかくおっさんがとんぼの凄さをこれでもかとモノローグで解説してくれるのでその都度、すごいんだなあとんぼは、と俺は思っている。


北風と太陽と彼女の推理

「ここのトイレマークってオシャレだね」
 トイレ前を通りかかったとき、由乃が言った。
 確かにそのトイレマークは独特だった。
 だが、それをオシャレと感じるかどうかは人それぞれだ。私にはシンプルすぎて工夫が足りないように思えたし、マークの用途を成さないのではないかと危惧さえした。
 ここは最近できたばかりのショッピングモールで、建物全体のデザインからしてシンプルだった。むき出しのコンクリート、暗めの照明など、引き算の美学という奴をあちこちから感じた。
 目当ての店を回って一時間後、また同じトイレの前を通りかかると、騒ぎが起きていた。「違うんだ! そんなつもりじゃなかった!」
 そう弁明する男が複数の女から袋だたきに遭っていた。
 整った顔立ちではあるが、黒の短髪で好青年といった印象だが、真っ赤なジャケットを羽織っていた。赤みがかっているとかでなく原色の赤で、とても派手だ。見た目はともかくその行動から判断して、この男は悪趣味だ、と私は思った。
 遠巻きに見ている人に事情を聞くと、男が女子トイレに入り、それを見とがめた一人の女性が大騒ぎすると、それに同調した複数人で殴る蹴るの暴力を男に対して加え始めたらしい。
「間違って入っただけなんだ!」
 男は叫んだ。
「わざとらしい言い訳だよね」
 由乃が呆れたように言った。
「間違えて入った可能性は否定できない」
「え?」
「見て。このトイレマーク。男子トイレの方は青で、女子トイレの方は赤。でも、形自体は同じ。色が同じだったら判別できない」
「でも、人ってとっさに形より色で判断するものだよね?」
「一般的にはね。そこの袋だたきに遭ってる人、一つ聞かせて」
 私は袋だたきに遭っている男に声をかけた。
「え、何?」
「その服、素敵ね」
「あ、ありがとう。ごふ」
 男は袋だたきに遭っている最中だ。
「何色かわかる?」
「さあ? 友達がプレゼントしてくれたものだから」
 それがわからない理由にはならない。
「というわけよ」
 と私は由乃に向き直り、その背中を押すと並んで歩き始めた。

 由乃が確認するように聞く。

「つまり、あの人は色盲だったってこと?」
「そう。赤と青の区別がつかなかった」
「それだったら間違って入っちゃっても仕方ないよね。ところで――」
「何?」
「――助けなくていいの?」
「大丈夫。あの男、すべて急所はよけてる。ただ者じゃない」
「そういう問題?」
「急所を外せるほどの手練れなら、逃げようと思えばいつでも逃げられる。それでも逃げてないってことは、何か目的があるから」
「え、どんな?」
「たぶん――」
 私は珍しく、ふつふつと怒りがわいてきていた。いろいろな事件に遭遇して、その多くは殺人事件だったりして、世の中にはいろいろな人がいるとわかってはいたが、まさかこんな奴がいるとは思わなかった。
「――あの状況を長く楽しむため」
「へ?」
 さすがに由乃もびっくりだ。
「なんで?」
「世の中にはいろんな趣味を持った人がいるってこと。悪趣味も趣味のうちってことで納得するしかないでしょ」
 私は自分に言い聞かせるようにして言った。
 でもなぜこんなにも腹立たしいのか? あれだけの能力――複数の人間から暴行を受けているのに致命傷を避ける行動ができる能力を持っているのに、持っているからか? その能力をあんな悪趣味なことに使うことに腹が立っているのだ。


ミステリックボーイ・ミーツ・エキセントリックガールズ

 名探偵コナツ 第75話
 江戸川乱歩類別トリック集成(75)
 【第六】その他の特殊トリック
 (2)錯視
 【色盲トリック】

 名探偵コナツ 第74話  江戸川乱歩類別トリック集成(74)

「だから私はあなたに告ってない! それなのに告ったとか言わないでくれるっ? そんな噂を広められたら迷惑だわ!」
「なんでそんな嘘言うんだよ? 確かにぶっきらぼうな言い方をしたのは悪かったよ。だからこうやって謝るために声をかけんたんじゃないか」
「だから告ってないって言ってるでしょ!」
「確かに君は僕に告ったんだ」
「あなたが大声あげたせいで人が集まってきたじゃない!」
 私もその一人だ。その前から二人の会話の内容はある程度聞こえていた。ちなみに新田洋介より広江恵梨香の声のほうが大きい。
「ごめん……。でも君が嘘をつくから……」
「じゃあ、いつ?」
「へ?」
「何時何分何秒に私があなたに告ったの?」
「そんな子供みたいな――」
「いいから答えなさいよ」
「それは……、今日の昼休み、校舎裏だよ。食事が終わったすぐ後だから、十二時二十分ぐらい?」
「その時私は妹の美野里と一緒にいたわ」
 美野里とは恵梨香の妹だ。二人は一卵性の双子で同学年だ。
「他に証言してくれる子もいる。ちょうど私達が話しているとき通りかかった人がね」
 恵梨香がそう言うと、野次馬の中から証言者が数人出てきた。
「そんな――」
 新田は茫然自失だ。
「そういえば、さっき声をかけてきたとき、他に好きな人がいるから断ったとか言ってたけど、本当はやっぱり私のことが好きなんじゃないの?」
 嘘つき呼ばわりされたショックで立ち尽くしている新田洋介を見ていられなくて、私は割って入ることにした。
「ちょっと待って。今の口ぶりだと恵梨香が告白したのは本当みたい」
「なんで?」
 恵梨香が私を睨みつけた。
「本当はやっぱり、なんて告白してなければ言わないでしょ?」
「ただの言葉尻でしょう」
「言葉尻って言うなら、好きだったんじゃないのっていうのも告白したからこそのセリフだとも受け取れる」
「だからそれはさっき新田が因縁つけてきたときに言ったからよ」
 私は恵梨香のアリバイの証言者たちに詳しく話を聞いた。
 証言者たちは一様に恵梨香と美野里が話しているのを見た、と証言した。
 時間は十二時二十分、場所は化学室の出入り口。
 そこから校舎裏に行くまでに十分はかかる。恵梨香のアリバイは一見、完璧だ。
 だが、単純なトリックが使われたと私は直感した。
 化学室に面している廊下は日当たりが悪くて暗いし、化学室自体も使用していないときはカーテンがしてあって暗い。
 私は恵梨香と美野里、二人の姉妹が行ったトリックについて説明を始めた。
「化学室に入ってすぐのところに鏡を置いて、廊下に立っていた美野里が自分の姿を映し込んで、姉の恵梨香と自分の一人二役を演じた。声も見た目もそっくりだから成立するトリックね。恵梨香は振られたときのことを考えてそうやってアリバイを作った。」
「なんの証拠もないことをぬけぬけと……!」
 恵梨香は見るからに憤っていた。
美野里に聞けばわかることよ。彼女はあなたほど気が強くないから」
 私は冷静に言った。
 恵梨香と美野里、二人とも見た目も声もそっくりだが、性格は正反対で美野里は気が優しかった。
美野里まで巻き込むんじゃないわよ! そうよ。私が告白した。美野里は私に付き合ってくれただけ」
 恵梨香は荒ぶった。
 いよいよ人が大勢集まってきたとき、その中からおずおずと美野里が姿を現した。
「ごめんなさい。私がお姉さんに頼んで私のふりをして告白してもらったの」
 みんな目が点となった。
 いくら気が弱いからってそこまでやってもらうか? という呆れからだろう。それと、その結果みんなの前でそんな恥ずかしい事実を姉を守るために告げなければならなくなった本末転倒感も手伝って、その場をなんとも言えない空気が支配した。
 だが、姉を助けるために恥を忍んで人前に出てきた美野里はやはり優しかった。
「え、あれって、美野里ちゃんのふりをしてたの?」
 と新田洋介が恵梨香に真顔で聞いた。
「そうよ。そっくりだったでしょ? それなのに全然そう思われてなかったのは私の演技力が未熟だったせいね。それで私が告白したなんて思われて、すごく屈辱的だわ」
 事情を理解した新田洋介は美野里に向き直った。
「あの、じゃあ美野里ちゃんが僕を好きってこと……?」
 そうまっすぐに問われて、美野里がうつむいた。
 新田洋介がぐっと両拳を握った。
「僕も好きです」
 美野里は顔を上げた。驚きと喜びで目が輝いていた。
 おー、と周りから歓声が上がると、拍手が続いた。
 拍手の音が廊下に響き渡る中、恵梨香は満足そうに妹とその彼氏を祝福の表情で見ていた。
「良かった。本当に良かった」
 心底喜んでいる様子の恵梨香だったが、やがて、はたと、腑に落ちないようにつぶやいた。
「でも、なんで私がダメで美野里ならOKなのよ?」
 それは性格だろうな、と私は冷静に思った。別に恵梨香の性格が悪いってことではなく、好みの問題ということだ。

 

 名探偵コナツ 第74話
 江戸川乱歩類別トリック集成(74)
 【第六】その他の特殊トリック
 (1)鏡トリック


ミスハラ探偵の人格を疑う推理

オススメ、ネットフリックスドラマ

ザ・グローリー 韓国の復讐物。前半かなり陰鬱な雰囲気だが、復讐を始めると面白くなる。

サバイバー 主人公がアメリカ大統領に転生する話、と考えると、とてもラノベ的だがリアリティがしっかりしていて大人も子供も楽しめる。