ごく平凡な冴えない少年が紆余曲折あってバンドマンとして成功する話だ。
昔漫画で読んだがアニメがやっていたので見始めた。
やっぱり面白い。
名作である。
主人公は努力で成果を掴み取っていく。
斉藤さんという変わり者の指導でギターと水泳が上達、中学の最後の方では学校のヒーローとなる。
そして、ここがちょっとずるいのだが実は歌の才能があることが判明、バンド内でも重要な存在となっていく。
主人公なしではBECK(主人公の在籍するバンド)の成功はありえないというレベルだ。
主人公が入らなかったらこのバンドどうなっていたんだ? と if の世界が気になる。たぶんずっとぱっとしなかったんじゃないかと思う。
テクニック的に上手いと思ったのがライバルの設定だ。
敵はバンドマン?
シンプルに考えればそうなるが、違う。
もっと近い存在だ。
クラスメイトのいじめっ子。嫌な奴で目をつけられた主人公はいじめられる。
パシリにしたり金を巻き上げたり暴力を振るったりする。そしてギターが上手い。
このギターがうまいというのが、設定的にうまい。ギターが上手くなければライバルではなく、ただの邪魔者だっただろう。ギターがうまいことで主人公のライバルたり得たのだ。最後に互いを認め合い、主人公はいじめっ子を許すのだ。
主人公の友人曰く、「根は悪い奴じゃないと思うんだ」そうだ。いや、根は知らないが、かなりひどいことしてたよ? 現実にあれをやられて、自殺する奴だっているだろうし、精神的に傷つけられて人生を棒に振る奴だっているかもしれない。根が悪かったとしても、人に危害を加えない人間の方が百倍良いと思うのだが。
まあ、嫌なことをしてきた相手でも許してしまえる主人公の優しさ表現としてはありだろう。作者はそういう理想的な世界を描いているとも言える。
それに、こいつがいたから話が盛り上がったのは認めないわけにはいかない。
次のライバルは芸能人。恋のライバル的要素が強いキャラクターだ。いじめっ子が退場したらすかさず恋のライバルをクローズアップしてくるのがうまい(初期の頃から出ていたがそれほど大きな存在ではなかった)。
ストーリーを盛り上げるためにはライバルが必要だ。この作品はそのずらし方がうまい。バンドマンではなく、ギターのうまいいじめっ子、歌を歌うのが本業ではないタレント。 グレイトフルサウンズという屋外イベントでそのタレントと直接対決する。燃える。まだその回はアニメで見てないので楽しみだ。
animation BECK soundtrack “BECK”
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