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懐かしの競走馬たち

あまり取り上げられることのない思い出の競走馬をきままに語ります。

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息の長い活躍をした名スプリンター~パドトロワ

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プロフィール

パドトロワ

2007年4月20日 牡馬

父  スウェプトオーヴァーボード

母  グランパドドゥ

母父 フジキセキ

厩舎 鮫島一歩(栗)

35戦9勝

主な勝鞍 アイビスサマーダッシュ(G3)、キーンランドC(G3)、函館スプリントS(G3)

 

競走生活

JRA

2歳:2戦1勝 未勝利

3歳:7戦2勝 さくらんぼ特別(1000万下)、500万下

4歳:8戦3勝 オーストラリアT(OP)、UHB杯(OP)、心斎橋S(1600万下)、スプリンターズS(G1)2着

5歳:7戦2勝 アイビスサマーダッシュ(G3)、キーンランドC(G3)

6歳:5戦1勝 函館スプリントS(G3)

7歳:6戦0勝

 

2歳秋の新馬戦を3着でデビューし、2戦目の未勝利戦を逃げ切って初勝利を挙げます。

3歳になり500万下を2戦目に勝ち上がると、橘S(OP)で3着と好走し、NHKマイルC(G1)に挑みますが16着に大敗してしまいます。芝1600mだった新馬戦も3着ながら1秒3差であったように1600mは長いと判断され、8歳時にダ1200mの東京スプリント(G3)や芝1800mのエプソムC(G3)に挑むまでは一貫して芝1400m以下のレースを使うことになります。

次走のさくらんぼ特別(1000万下)を1番人気に応え、早め先頭から勝利し、準オープンに昇級し、休養にはいります。秋の準オープンでは好勝負に持ち込むも道頓堀S(1600万下)6着、桂川S(1600万下)3着と勝ちきれず、再び休養にはいります。

4歳になり、2戦目の心斎橋S(1600万下)を勝ち上がると、続くオーストラリアT(OP)で接戦をものにし、オープン初勝利を挙げます。2か月休養した函館スプリントS(G3)は6着となりますが、UHB杯は1番人気に応え、逃げ切って勝利し、本格化を窺わせます。キーンランドC(G3)をタイム差なしの3着と好走するとスプリンターズS(G1)に参戦します。9番人気と人気はありませんでしたが、4角先頭から逃げ込みを図り、あわやの場面を演出し、カレンチャンの2着と激走します。さらに香港スプリント(G1)にも参戦し、この年を終えます。

5歳を迎え、春雷S(OP)7着、福島民友C(OP)6着、函館スプリントS(G3)4着とタイム差は0秒4から6差とあまりないものの馬券に絡むことができませんでした。つづくアイビスサマーダッシュ(G3)は7番人気に人気は下がってしまいますが、外枠から押し切り重賞初制覇を飾ります。さらにキーンランドC(G3)も逃げて接戦をものにし、重賞連勝となりました。迎えたスプリンターズS(G1)は4番人気に推されますが、ロードカナロアのレコード勝ちの前に8着となります。暮れに京阪杯(G3)に参戦しますが、15着となり、鞍上の安藤勝己騎手はこのレースで馬を動かせなかったとして、騎手引退を決意することになりました。

6歳になり、半年ぶりの京王杯スプリングS(G2)は14着に敗れますが、2戦目の函館スプリントS(G3)はこれまで同様に2戦目の変わり身を見せ、2番手から逃げ馬を捉えて重賞3勝目を飾ります。しかし、このレース以降は、ダ1200mの東京スプリント(G3)や芝1800mのエプソムC(G3)にも参戦するなど陣営も試行錯誤しましたが、2桁着順が続き、7歳の夏で引退となりました。

血統構成

スウェプトオーヴァーボードアメリカで走り、メトロポリタンHなどG1を2勝しています。種牡馬入り後は、その父エンドスウィープの後継として輸入され、スプリンターズS2勝のレッドファルクス東京大賞典2勝、帝王賞のオメガパフュームなどを輩出しています。

母グランパドドゥは中日新聞杯忘れな草賞を制した中距離馬でした。繁殖入り後は本馬の他には2勝したキングドラゴンを輩出しています。

母の父フジキセキは大種牡馬サンデーサイレンスの初年度産駒として朝日杯3歳Sを制し、弥生賞も制して3冠の期待が高かったものの屈腱炎で引退となりました。種牡馬入り後はダートG1を7勝したカネヒキリ、G1を3勝したストレイトガール皐月賞イスラボニータなど多くの活躍馬を輩出しました。

 

私の注目ポイント

なぜ私がパドトロワを取り上げたかをご紹介します。

1.人気薄でのスプリンターズS2着や重賞3勝

5歳のスプリンターズSで9番人気ながら2着とあわやの場面を見せましたが、非常に驚いた記憶があります。2走前のUHB杯は逃げて強い内容でしたが、まだ重賞は敷居が高いのではないかと思っていただけに、思っている以上に強い馬なのかもしれないと思うようになりました。

しかしながらその後凡走が続いていたため、フロックだったのかもと思っていたアイビスサマーダッシュで7番人気ながら重賞初制覇。さらに直線1000mは特殊であり、たまたまかと思っていた次走のキーンランドCも3番人気で重賞を連勝しました。

さらに7歳になり衰えたかと思えた函館スプリントSを6番人気で制しています。

個人的には予想との相性が悪かったですが、激走されてもパドトロワなら仕方ないかと思った記憶があります。

 

2.パワフルなレースぶりの母系

母母母のベリアーニはRisen Starの子を宿して輸入され、母母であるスターバレリーナを産んでいます。スターバレリーナローズSを制し、エリザベス女王杯では3冠がかかったベガを差し置いて1番人気に推されました。Risen Starアメリカ2冠馬でSecretariat×His Majestyと中距離色が強く、スターバレリーナも中距離での活躍が目立っていました。

母のグランパドドゥも短距離よりの産駒が多いフジキセキ産駒ながら、中日新聞杯忘れな草賞を制するなど中距離で活躍しました。

ベリアーニの一族からは先行して粘ってオークス3着となったオリーブクラウンやスプリンターながら斬れるというよりもズンズンと差してくるアグネスラズベリ東海Sを勝ったアンドゥオールを輩出しています。

本馬も力強く先行して粘るというところは、この一族という感じがいたしましたが、アイビスサマーダッシュを勝ち、キーンランドCでレコード勝ちするなど、母系の特徴は残しつつも種牡馬のよいところも引き出すという血統かと考えています。

3歳下の従弟にあたるロゴタイプローエングリンのスピードを受けつぎ、先行して粘るというレースぶりでG1を3勝しています。

 

3.エンドスウィープスウェプトオーヴァーボードの後継種牡馬

エンドスウィープフォーティナイナーの後継としてサウスヴィグラスラインクラフトといった短距離馬だけではなく、スイープトウショウアドマイヤムーンなどの中距離馬も出した名種牡馬でしたが、11歳と早世してしまいました。

その後継としてアメリカで走っていたスウェプトオーヴァーボードが輸入されました。父エンドスウィープ同様にスプリンターズS2勝のレッドファルクスや本馬のような短距離馬だけではなく、東京大賞典2勝、帝王賞のオメガパフュームやステイヤーズSのリッジマンといった中・長距離馬を輩出しています。

本馬も2頭の後継として年間48から68頭の種付けを実施するなど人気を得ています。 現在地方競馬と合わせて5連勝したダンシングプリンスなどの活躍が期待されます。

 

 

 

 


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