足の付け根が痛い!ある日目覚めたら激痛で起き上がることも寝返りを打つこともできない!
こんな経験ありますか?
実は、私カキラリストのたかだっちは3年前、突然そんな目にあいました。
自分の身体に何が起こっているのか調べてみると、日本人の多くの方が股関節の痛みに悩んでいることがわかりました。
整形外科での受診後、日常生活のケアを怠ると人工股関節になる可能性が高くなりますよと言われた私が調べた結果です。
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1)股関節の痛みと原因は?
・長く座っていて歩き出すときに不安定な感じがする
・階段の上り下りの際、足の付け根がズキンと痛む
・床から立ち上がる時に足の付け根が痛む
・長く歩いていると足に鈍い痛みが増してくる
・寝返りをするときにピキッと痛みが走ることがある
・就寝中、足の付け根にズーンと重い痛みを感じながら眠っていることがある
こういう症状に思い当たる方がいたら、それはひょっとしたら先天性臼蓋形成不全かもしれません。
臼蓋形成不全とは、簡単に言うと足の骨の付け根と、足の骨がはまっている骨盤の部分のサイズ感があっていないということです。
サイズ感が合っていない、つまり帽子と頭のサイズで例えると、この場合は帽子が浅く頭に乗っかっている感じなので風が吹いたら脱げて飛んでいきそうになる状態。帽子が飛ばされないようにぎゅうぎゅう被り続けると帽子のふちが傷む、または頭に合っていないので擦れて頭が痛くなる。そんなところでしょうか。
これを股関節の話に戻すと、骨盤の方は変形し骨が棘のように出っ張ったり、足の骨との間にある軟骨が擦れてすり減ってきます。時間が経てば経つほど最初はなんでもなかった痛み(=変形)がどんどんひどくなることにつながるのです。この痛みが出る状況を変形性股関節症と呼びます。
変形性股関節症はこのようにもともとの股関節の形状が原因で引き起こされる場合だけでなく、外傷や単なる老化、特に原因のない場合でも起こってくることが分かっています。また圧倒的に男性に比べて女性がなりやすいことも知られています。これは、女性のほうが骨盤が広く、かかる負担が大きいためといわれています。
このほかにも、股関節の変形をおこすものに関節リュウマチ(免疫システムの影響で股関節の潤滑油を作り出す部分が炎症を起こし変形してゆくもの)があり、人工股関節の手術を受ける患者のうち、70~80%を変形性股関節症、10~20%を関節リュウマチが占めているそうです。
また、大腿骨頭壊死症(何らかの理由で血流障害が起こり骨の一部が壊死するもの)、骨粗鬆症、坐骨神経痛、腰痛など、さまざまな原因が股関節の痛みを引き起こすことがあるので、日常生活で上記のような症状があるときは一度整形外科を受診することが大切です。
なぜなら、このような痛みはいつか勝手によくなるだろう、と放置しても自然によくなることはほとんどないからです。
2)股関節の構造と働き
では具体的に股関節の構造と働きを見ていきましょう。
図のように正常な股関節は、寛骨臼のソケットのような部分の中で、球状の大腿骨頭がくるくると動きます。私たちの体の中では最も大きな関節で、歩くときには体重の約3倍の力がかかるといわれています。
もともと、骨と骨の摩擦を和らげるために寛骨臼と大腿骨頭には関節軟骨があり、クッションの役目をしています。また、関節は関節包という袋に包まれていて、その中には潤滑油の役目である関節滑液で満たされています。そしてこの関節はとても丈夫な繊維でできた靱帯で連結されていて大きな負荷に耐えられるようになっています。それが様々な要因で崩れると痛みが起こってきます。
私たちは普段何気なく立ち、歩いていますが、上半身の動きや重さを支えバランスをとってくれているのが股関節の働きです。カメラの三脚は3本の足で支えていますが、2本の足で支えるとなると途端に難しくなります。それを股関節はなんなくこなしています。これは実はとても大変なことで、走ったり跳んだり、座ったりするときにも重要な働きをしますので股関節に支障が出ると、日常生活の様々な場面に制限がかかってきます。また深く足を曲げたところから一気に伸ばすような動き(しゃがんでいて立ち上がる、など)も負担が大きいことが想像できますね。症状が重くなり高齢化すればするほど、ロコモティブシンドロームやサルコペニア、フレイルなど、それは深刻な事態につながっていきます。
3)人工股関節手術
では、股関節の変形や痛みが進み、いよいよ手術を受けることになったら、どのような手術になるのでしょうか?変形度や年齢に応じて骨切り術、 人工股関節置換術などが行われます。
ここでは人工股関節置換術についてみていきましょう。
大腿骨頭を切断し金属やセラミック、ポリエチレンなどでできた人工股関節を骨に固定します。下図参照。
手術の流れとしては、1か月前から準備として術後の出血のためにあらかじめ自己血採血や検査があり、入院して手術は2時間~3時間程度、術後保存しておいた自己血の輸血や感染症予防などを手当てが行われ、手術後2~3日から歩行訓練等、日常生活に必要な動きのリハビリを開始、その後約3週間~1ヶ月程度で退院という流れになるようです。
この手術で、痛みがなくなり、自転車や車の運転は退院後数ヵ月でできるようになり、水泳やゴルフなどの運動、ハイキング程度の歩行も可能になるため、日常生活の質の向上、筋力低下や骨粗鬆症の予防にもなるといった多くの恩恵がもたらされるとともに、脱臼や感染の危険、長い年月(一般的な耐久性能は約20年といわれています)が経過すると緩みが生じ、入替え(再置換)の手術が必要な可能性がでてくることになります。
4)痛みを放置するとどうなるのか?
ここまで読み進めてくださった方ならもうお分かりですよね。
日常生活のちょっとした痛みが、ただの筋肉痛や長時間の姿勢保持による一時的な痛みであれば自然と治ってしまいます。
ですが、いつまでも続く痛み、痛みに強弱があって何となく放置している状態、時々傷むだけ、などは股関節の変形が始まっているのかもしれません。
いったん変形が始まったら、それ以上進行しないようにする注意と、適切な治療が必要になってきます。
30代 痛いけど痛いなと思ったらすぐ消えるし大丈夫、大丈夫。40代 痛いことが多いけどこの頃疲れてるからだろうし、まだ若いから大丈夫、大丈夫。50代 心配になって病院行ったけど手術は怖いし我慢できないわけじゃないから大丈夫、大丈夫。60代 なにもせず放っておき続けたら手術しかないといわれた。
こんなことがないように、適切な受診と、日常生活で大きな負担がかかる股関節の動作を減らせるように、フロア(畳や絨毯の上)に直に座る生活より、椅子に座る生活に変えるなどの工夫をしながら今までの習慣から大きく方向転換する必要があるのです。
5)予防・改善の方法は
自分自身が臼蓋形成不全である、という方はもちろん、いまのところ痛みの原因は見当たらないが体重を管理し、筋力をつけてください、などとお医者様から言われたら何をしましょう。
先ほど書いた、床生活から椅子生活へ変えることや、動きも負担の軽減になります。
股関節が悪いから、、、発想はそこがスタートになると思いますが実は違うんです!
人間の体はとてもよくできていて、それはひとつのチームのようで、弱い選手がいれば強い選手もいて、なおかつそれぞれが努力することでチームとしての実力を、つまりからだ全体の機能を上げていくことができるのです。
股関節の働きのところで、上半身の動きや重さを支えていると書きましたが、もしその上半身の動きが悪いと股関節はどうなるでしょうか?そうです、余分な力を出して頑張らなければいけない股関節は負担が大きいのです。上半身がスムーズな動きをしてくれるだけで、股関節への負担は今より軽くなり変形への影響が減るのです。
上半身と下半身の関係をもう少しご説明します。そうすれば自然と予防や改善法が見えてきます。
上半身の重さは体重の70%といわれています。体重60㎏の大人なら約42㎏(そのうち約5㎏は頭だけの重さ)が股関節に直接乗っかっている重さになります。
さてここで、もし背骨が一本のまっすぐな棒状の骨だったら?と想像してみてください。
立ったり座ったりした時の衝撃はそのまま重力がかかってからだに伝わります。トンカチでくぎを打つようなものです。ですが実際は背骨は一本の棒ではなくS字カーブを描くような形にいくつもの骨が連なってできています。そしてそのS字カーブがちょうどコイルが伸び縮みするように衝撃や重力を分散するような役目を果たしてくれているのです。もしコイルのような形の釘があったらトンカチで打つのは相当苦労しそうです。つまり、背骨が姿勢の崩れからS字カーブを描けなくなったら股関節にかかる負担はまっすぐな釘がどんどん刺さるように、大きくなるのです。
上手に上半身を使うことが、ひいては股関節の変形を食い止めることにつながるということが少しは見えてきたでしょうか?
では、どうやったら上半身が上手に使え、S字カーブを保つことができるのか?
日々、歪まない人間はいません。それは生活の中での動きは左右非対称な動きの連続だからです。ですが毎日リセットしていかなければその歪は大きくなるばかりです。小さなこどもは、夜寝ている間に「寝返り」で実はリセットしています。大人はこどものように激しく寝返りを打つことはありません。というかできないのです。だったら自分でリセットするしかありません。
リセットの仕方は意外に簡単です!
まずは胸にいっぱい呼吸を入れ、ろっ骨の間を広げたり縮めたりして胸郭を整えていきます。
ろっ骨と背骨は関係なさそうに見えて実は密接な関係があります。ろっ骨がうまく広がったり縮んだりしたら接続する背骨の動きがよくなり姿勢が整いやすくなるばかりでなく、血流が改善され、神経の伝達力もアップします。
その次に、その二つがしっかり整うと、別名 股関節挙筋とよばれる筋肉を働かせることにより重くのしかかる股関節の負担を軽減することができるようになります。
自分でやるのはちょっと大変だけど、長く痛みを我慢するのは嫌だ、手術しかないといわれてしまうその前に生活に取り入れ、自分で自分の痛みの予防、改善を実践してみませんか?
ろっ骨の動かし方、背骨の整え方、股関節挙筋を効果的に使う方法などを楽しいレッスンに組み込んでいるエクササイズがあります。じぶんではちょっと、という方はお近くの教室に体験に行ったり、解剖学のワークショップに参加するのもいいかもしれません。
日々のコツコツとした努力で手術を遠ざけ痛みの少ない毎日を送りたいものです!
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