「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 その20」の続きです。

パリの西約80kmのところにある、
セーヌ川沿いの地ジヴェルニー。

モネはここで晩年を過ごし、
庭に池を作り、睡蓮や柳の木を植え、
日本風の太鼓橋を架けて、
「睡蓮」の連作を描きました。


ロンドン_モネ
モネ「睡蓮の池」(1899年)

モネは、沢山の浮世絵を自宅に飾っており、
その日本趣味から、池に太鼓橋を架けることを
思いつきました。

画面の中央少し上に太鼓橋が描かれ、
その向こうには柳の木があります。
池の周りには草が茂り、水面には多くの
睡蓮が咲いています。
欄干にも草場にも、光が反射しています。

欄干や柳の葉、木々の緑、水面などに
紫が効果的に配されています。


「睡蓮」の連作は、最初は、この作品のように
太鼓橋を中心とした構図だったそうです。

しかし、1900年代に入ると、池に浮かぶ
睡蓮の花のみを描く構図になっていきます。

910年代から1920年代になると、睡蓮などの
具象性は失われ、色彩や絵の具の渦に
変化していきました。


「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 その20」でご紹介した
ドガも、今回ご紹介したモネも、「印象派」と
呼ばれます。

モネは、自然の光と色彩を描くことに
興味を持っていましたが、
ドガはそうではなく、人間を描くことに
興味を持っていたように思います。

同じ「印象派」でも、画家により
関心や作風は大きく違うのですね。

「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 その22」に続きます。

「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」のオフィシャルサイトはこちら


ランキングに参加しています。クリックをお願いします。

美術館・ギャラリーランキング