早朝に急いで起きて、みんなの食事の用意をする。

結局、妹夫婦と子供2人は祖父母の8畳の日本間に布団を2階から降ろして、皆で寝たらしい。祖父母のことだから、どうせ私たちの悪口三昧だったろう。何を言われようと、今は父の病状が心配でほかの雑音は聴こえない!

 

父に朝食を持っていっても食べないし、処方された薬も飲まない。困っていると叔母が来て、父に薬を飲むように強く勧めているが、絶対に飲まない。父に何で薬を飲まないのか聴いてみると、毒薬が入っているとか・・・ぶつぶつと何とか言っている。

 

 

父の関心したところは、病気なのに妹夫婦から買った本棚は25万円以上もする。こんなに高額なんだから分割にしてもらった方がいいと母が提案しても、父は言うことを聴かずに一括で払おうとして母に

現金を渡している。

 

 

父は長男だから、兄妹にはいつも優しい!

母の実家の方には、父は比較的ないがしろに近い状態にしている。

 

 

父はお酒を止めたのはよかったが、飲まなくなったら、兄妹たちのいいなりになっている気がするのだ。

 

お酒を飲んでいた頃の父は、皆が父に気を使っていた。酔っぱらうと、物凄く怖かったから近寄れなかった。

今までは、お酒のパワーを使って自分の弱さを隠していたのだろうか? 

 

 

突然、叔母が私の部屋に来て「昨日、来ていた服は地味過ぎるよ!おばちゃんたちくらいの年ならちょうど良いけどね!」ほら!またまた我が家の私の私物を狙いに来た。私は「これは父に選んで買ってもらったんです!」と語気鋭く言い放ってやった。

 

 

私がお菓子や牛乳などにバニラエッセンスを使っているところを見た叔母は、興味津々で私の傍に来てバニラエッセンスの使い方を聞くので、例えば牛乳のなかにバニラエッセンスを数滴垂らして、泡立て機でよく泡立てるところまでやって見せた。気にいったらしく、帰ったらやってみると言っていた。

 

 

叔母たちは、明日帰るらしく、私に話があると叔母夫婦はいうのだ。

深夜3人で応接間に座り、まず叔父が「お父さんを速く医者に診せてもらった方がいいですよ!最悪、自殺するという危険もありますから入院させてあげた方がいいですね」私はそれを聴いて、そういう危険があることを改めて考え直してみた。

 

 

叔母は「お爺ちゃん、お祖母ちゃんがいたから、不良になったの?」と驚くようなことを今さら聞いて来た。実は、それもあるけれど、私が学院に入った時点で取り合えずは終わったと思っているので「そんなことはまったくないですよ」と微笑みながら答えた。

 

 

翌朝になると、祖父はやけに私に優しく明るい笑顔を向けてくれる。

昨日の叔母との話が、もう伝わっているんだなと感心するはで、可笑しくなって、吹き出しそうになっている私だ。