一日、この部屋で寝転んでいるわけにもいかないので、マミさんと一緒に散歩でもすることになった。断食道場から、しばらく歩くと田畑ばかりだが、なんだかのんびりできそうな気がした。

 

私はマミさんから、セリカちゃんの夢は何なの?と聴かれて困ってしまったけれど、誰にも話していない夢のようなものは実はあった。マミさんに私の叶わないと思うけれど、夢について話した。

以前、化粧品店でバイトしたことは話していた。資生堂へ月に1回は研修に行かせてもらっていた。そのときから考えていたのは、もう一度

メイクの勉強をしたい!だから、メーキャップアーティスト学院という専門学校に通い、特殊メイクも習ってみたいんだ。そこを卒業したら、プロのメーキャップアーティストになるためにそういう関係のプロダクションに所属して、芸能人やお芝居をやる人たちにメイクをしてみたいの!

 

マミさんは、少し涙目になって凄い凄いじゃない!それだけの壮大な夢がしかも、鮮明にはっきりとしているのなら、それに向かって進んでみたらいいんじゃない!凄く嬉しかった!私は今まで自分の思ったことを父や他人に否定され続けてきたので、始めて私のことを認めてくれた素晴らしい人。マミさん!

 

マミさんも夢があった。コーセーで働きながら、お金を貯めてコーセーのお店を出したいという。しかし、コーセーで相当な位置に昇らなければ叶わぬ夢で終わる。でも、それで引き下がるマミさんではなかった!美容業界でデビューすることを望んでいた。美容業界でデビューした方が速いだろうとも言っていた。マミさんの夢は現実に近いから、きっと夢は叶うだろう!私はまだ行動にも移していないので、叶わぬ夢のひとつだろうが!

 

この時、始めて私は自分には実は夢があってそれを心の何処かで実現できたらいいなと思っていることに気付いたのだ。マミさんが私の眠っていた潜在能力を刺激してくれたことで、潜在能力が目覚めたのだと思う!マミさん!ありがとうございます!

 

 

私とマミさんは、お互いの夢に酔いながら、断食道場へと帰っていった。明日、マミさんは帰ってしまう! 悲しいなあ~!寂しいな~