片道切符?銀行員の出向について解説

金融
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銀行員の多くが他社に出向することはご存じでしょうか?

某テレビドラマでも、子会社の〇〇証券に出向、とかいうセリフが出てきますよね。

銀行の出向ってどういう意味なの?と疑問をお持ちの方に、銀行の出向について解説します。

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銀行員の出向の意味

一般的な出向の時期

銀行も会社であることは変わりません。偉くなればなるほど、ポストは限られてきます。

銀行では50歳くらいまでに、役員になれない人は出向する人がほどんどです。

45歳くらいになると、第2の人生と向き合う「研修」を受けさせられます。

その後、ほどなくして、人事異動が順次進められ、銀行に残れない人は外部への出向を命じられるのです。

出向先のランク

出向先も多岐にわたります。銀行のグループ会社や取引先になることが多いですが、この出向先毎に暗黙のランク付けがされていることが多いです。

銀行で実績を残してくれた優秀な人材だけど、仕方なく放出せざるを得ない場合は高ランクの先に役員として出向となりますが、逆にそうでもない場合には、一般の中小企業の取引先での経理部長ポストに出向となります。

一般的には、100%出資子会社の中核グループ会社であれば、良い出向です。出向した後に、転籍しても給与水準はあまり変わらないですね。一方で、中小企業へ出向となった場合には、転籍後にはその会社の給与水準となりますので、給与水準は半分あるいはそれ以下となります。

残念ながら、すでにこの時点で銀行から切り離された「片道切符」です。

銀行から出向したあとの転籍

銀行から出向している時点では、給与は銀行から支払われます。1年あるいは2年程度経過すると、転籍となり、出向先に完全移籍します。銀行は退職して、出向先の社員として働くわけです。

この時点で銀行とは完全に切り離されるので、銀行に直接的に面倒を見てもらうことはありません。

給与水準も大きく変わりますので、銀行員時代の給与水準から下回ることが大半です。場合によっては半分以下となることもあります。

50歳までに多くの銀行員にこうした運命が待ち構えているのです。

銀行員は50歳までに片道切符の出向となる

銀行員には良い出向もある

経験を積ませる前向き出向

銀行員には第2の人生を決めるような片道切符の出向だけではありません。

若手や中堅行員にとって経験を積ませる前向きな出向もあります。

有力な取引先や官公庁へ出向し、銀行にはないものを得てもらい、それを持ち帰って銀行でさらに活躍してもらう狙いで出向させるケースもあります。

こうした出向を命じられる行員は出世コースに乗っている可能性が高いです。

銀行は期待できる人材には惜しまず投資をして、将来銀行の成長に貢献してくれるよう、育てていきます。

前向き出向は躊躇なくチャレンジする

前向きの出向は、いわば「武者修行」のような意味合いがあるわけですから、出向を命じられた行員は思い切ってチャレンジすることが求められます。

本人にとっても、これはチャンスだと前向きにとられるマインドが必要でしょう。

出向先では、銀行で覚えたルールや常識が通用しないことがほとんど。グループ会社でない限り、アウェー状態です。

そうした環境がむしろ、新しい発見となり、刺激となり、本人に成長をもたらす結果となることが多いです。

そして、出向から帰任すると、本部の花形部署に配属されることが多いです。

ただ、出向先でスキル・ノウハウを身に付けてしまったために、自ら銀行にもどらず、転職したり、独立したりする人も中にはいますので、銀行側も出向者に対するケアを怠らないようにしなくてはなりません。

良い出向は、前向きにチャレンジする

出向待ちにならないために銀行員は何をするか

出向待機所とは

片道切符出向の場合には、いきなり出向するよりも、事前に伏線があることが多いです。

営業や現場の第1線から、事務部門や検査部門など、やや地味な部署へ異動してから出向となることが多いです。

異動した先は「出向待機所」となっている銀行も少なくないと思います。

周りからしても、その部署への辞令が出たら、「〇〇さんもついに出向か」と囁きあうのも銀行あるあるでしょう。

自ら主体的にキャリア形成できるか

出向待機所辞令が出たとしても、自らがどのようにふるまうか難しいところも多いでしょう。

いま30代や40代前半の人にとって、10年以内に迫ってくる現実です。

それまでに自ら主体的にキャリア形成できるか、改めて自らの「力」を見直しておく必要があります。

気が付いたら遅いです。先回りして、銀行でどのようなキャリアパスを目指すか。

転職も視野に入れる必要もあると思います。

そのために、自分に足りないものは何か。強みは何か。自分を冷静に分析しておく必要があるでしょう。銀行員人生は思っているより短いことを現実として受け止めなくてはいけません。

銀行に頼らず自分主体でキャリアを決めていく時代

まとめ

銀行には、「片道切符の出向」「良い出向」があることを解説しました。

銀行員にとっては、ほとんどの人が通る道です。

大事なことは毎日を無駄なく自己投資できるかだと思います。

バンカーとして極めて出世街道を進むもよし、自ら見極めて新しい道を進むのもよし。

会社から一方的に命令されて望まない出向はつらいです。最近では出向受け入れ先も減っていますので、出向すらさせてもらえず、リストラになることもあります。

そうなる前に、自ら手を打っておくリスク管理能力が必要です。

銀行員の皆さんそれぞれの選択ですね。

最後までお付き合いありがとうございました。

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プロフィール

この記事を書いた人
Terry

新規事業企画担当として日々奮闘。日本の金融業界の動きや世界の金融の潮流、銀行員お役立ち情報などを発信しています。

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