若僧ひとりごと

禅やら読書やら研究やら

ほんの少しずつ部屋を綺麗に。

2020-03-30 21:38:51 | 掃除
どうして部屋が汚くなるんだろう。

僕はずっと部屋を片付けるのが苦手でした。いや、今でも十二分に苦手です。
修行道場ではそこまで汚くなりませんでした。修行の同期からは汚いと散々罵られましたが、自分の中では奇跡的なほどに綺麗でした。

それはなぜかというと、そもそも物が少ないからです。最低限の着物と薬用品を持っているだけなので、そもそも散らかしようがあまり無いのです。それでも汚いと言われていた僕は相当だったのだと思います。

道場からの修行から帰ってくると、部屋にあるのは雑多な物たち。汚す余地はいくらでもあります。
一回綺麗にしたところですぐに汚くなります。

自分で自分の部屋が嫌いになっていきます。

物をそもそも少なくすれば良いのですが、なかなかそうもいきません。捨てる意志が足りないだけなのかもしれませんが。


そんな僕でも、今は多少片付けができるようになっています。何をやっているかというと、「5コ片付ける」のです。
一日に一回、部屋の物を少し片付ける習慣を作る。5コだけで良いのです。出しっぱなしにしていたペンだったり、しまい損なっていたカバンだったり、不要になったプリント類だったり。とりあえず、5コ片付ける。

僕はなんとなく語呂が良いので「5コ片し」と呼んでいます。

それだけでは、もちろん綺麗になることはありません。これの大事なことは、まず片付けるという行動を起こすということなのです。とりあえず5コ片付けていきます。いつやっても良いですが、朝ご飯の後はどうでしょうか。家に帰ってからとかにすると、何かする気にならないですから。

片付け始め、1,2,3,4,5とやっていきます。すると気づくはずです。これも片付けなきゃ。あれも片付けなきゃ、と。そこからは基本的に自由です。どれだけ片付けても、もちろん5コでやめても。ひとまず最初のハードルをできる限り下げておくことが大切になってきます。

部屋を見て、「これを完全に綺麗にしなくては…!」と意気込むと、途端にやる気を失いますよね。小さいことから少しずつやっていくのです。
以前に読んだ掃除に関する本の中では、動かずにその場でやれる片付けをするというものがありました。あっちにいってこれを片付け、こっちに行ってはまた片付け、とやるのではなく、ひとまず机の上だったら机の上、クローゼット周辺だったらクローゼット周辺と、場所についても限定してしまうと楽になります。

まめな人は大丈夫なのでしょうが、僕のようにズボラなくせに完璧主義という、ひねくれた性格をしている人間にとっては片付けを始めるという最初のハードルがやたら高く感じてしまうのです。

もう一つ、大事なことは「記録をつける」ことです。個人的にはバレットジャーナルというやり方が気に入っているのですが、とりあえずはその日にやるべきこと、つまり5コ片しをやれたかどうかを書いていきます。できたらチェックをつけ、できなければバツをつける。バツをつける時は赤とかの方が一層目立って良いかもしれませんね。でも極力バツがつかないような目標に設定すべきです。

この考えの参考になったのは、『小さな習慣』という本です。ここでは寝る前のちょっとした時間で達成できるような形で習慣を設定しなさいということが書かれています。部屋の片付けも同じです。小さなことをとりあえずこなせるようにしていく。実際に片付けなくても、ちょっと本棚の本を整えてみるとか、そうした、本当に小さなことから始めていけば良いのだと思います。


「それができれば苦労はしないよ」と言われるかもしれませんが、大事なのは苦労ではなく、工夫です。まずは掃除の本でも、このやり方でも、なんでも良いから自分で試してみる。それがダメだったら、じゃあ自分にはどういうやり方が向いているのを考えていきます。

何かのやり方を自分に当てはめてそのまま大成功という人はあまりいないのではないでしょうか。「うまくいく」と言われて出回っているものの大半、ほぼ全てが「その成功者にとって最適化されたやり方」だからです。それを育った環境や持っている遺伝子(神経質さは特に遺伝しやすいと言われています)、性格や能力が違う人間がそのまま使おうと思ってもできるはずがありません。

大事なのは素朴に言われているトライ&エラー、PDCAサイクルというようなものです。まずはやってみるのです。そしてうまくいかないから俺はだめだ、ではなく、俺にはどういう形だったらできるのだろうかを考え、工夫し、再挑戦することです。


こう言いながら片付けをさぼってしまうこともやっぱりあります。そしてそうなると記録もつける気にならなくなってくるんですね。堕落でしか無いと思ってしまいますが、これも一つの学びです。「さぼってしまったけれど、しっかり記録につけておこう」と思うことにより、記録にちゃんと汚点を残し、次の日からの戒めにしておきましょう。

自戒を込めて。

どうか明日はほんの少しでも、良い自分になっていますよう。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿