「裏南海の勇者ZERO」バロン覇道伝 | デモス瑠偉のLEGOブログ「暗黒世代より愛をこめて」


南海の勇者外伝「裏南海の勇者」
のさらに外伝

「裏南海の勇者ZERO」バロン覇道伝

※今回は珍しくセンシティブな表現も多発しますので
苦手な方はご注意ください。


「裏南海」での壮絶な抗争より、時は昔…
南海の王「ロジャー海賊団」が登場するよりさらに昔
海賊同士の血で血を洗う覇権争いが繰り広げらていた時代。
エスコーラ軍を擁する某国の植民地にて…



「最近は孤児も増えたよな」
「今時珍しくもねぇさ、海賊の覇権争いの巻き添えも多いし
 海軍だって民間人なんかお構いなしだもんな」
「さっさと「一番強い海賊」が決まっちまえば少しは落ち着くんだろうが…」
「あの黒バンダナのガキには関わらねぇ方がいいぜ。
 ケンカにドロボウ、ギャンブルとなんでもありの札付きのワルガキだ」
「なんでも「バロン」と名乗ってるようだが
 あだ名は「シニスター」…「邪悪」ってとこさ」
「そんなワルガキなのかあいつ…おいこっちに近寄んじゃねぇぞ」



「キミたち、お腹がすいてるようだね?
 良かったらこれ食べないかい?」


「………」


「ごめんね、バロンはほどこしは受けないんだって」


「そ、そうかい?遠慮しなくてもいいんだけど…」


「………」


「いこ、バロン」


「あぁ…」



「あのガキはエスコーラ海軍将校のおぼっちゃまのジョニーか」
「格差もくるとこまで来たねぇ」



後に「キャプテン・バロン」改め「バロン王」と呼ばれる男
そしてその宿敵となる「キャプテン・ジョニー」改め「義賊忍者ジョーンズ」
後に「裏南海の大抗争」の中心となる二人の男の邂逅であった…



「見てバロン、アレ…」


「……ったくしょうがねぇな」




誰か助けて~~!!


弱虫のクセにオレらに逆らうからだ!!


「…………」


なんだてめぇは?お?



オレのシマで勝手な真似すんじゃねぇ!!


なんだこのガキ顔に似合わずつえぇぞ!?



「あ、ありがとう!キミたちは…」


「アタイはアンだよ、それでこっちはね」


「………バロンでいい」


「僕はスライブーツ!
 東洋からの流れ者だからよくいじめられるんだ…
 ねぇバロン、僕を弟分にしておくれよ!
 キミみたいに強い男になりたいんだ!


「そういう性分じゃねぇな……」


「バロンったらちょっと強いからって
 すぐ油断するとこあるから、先生には向いてないかもね?
 ほっとけないんだ、なんだか」


「言ってくれるぜ……なんだあいつら!?




おい小僧ども、なかなか気骨があるじゃねぇか


ひいぃ、海賊!?


「ハラくくらねぇとな…」


「そう緊張なさんな!どうだ小僧、俺らと来てみねぇか?
 どうせみなしごだろ、ここで地べたを這いずるよりか
 俺達と「大海の夢」を描こうじゃねぇか


大海の、夢……?


こうして「マジックドラゴン海賊団」に拾われた三人。
厳しく貧しいみなしご生活で培われた
バイタリティでバロンはメキメキと頭角を現し
スライブーツとアンもまたその隠れた「戦闘の才」をここで開花させていく。


さらに時は流れ…

マジックドラゴン海賊団のエース
通称「ベビーフェイスキラー」として知られるようになったバロン。
相棒のアンとスライブーツとともにその顔に似合わぬ
情け容赦の無さと強さより海賊や海軍に恐れられる存在となっていた。

そんなある日、日常茶飯事となった抗争の中にて。


チッ、エスコーラの連中の小型船が取り付いてやがる!!


「ヒェ~、本隊の大型船に気を取られてる隙に!?」


「気を付けなバロン!あの緑、そこらの海軍兵とは一味ちがう!!」



「私こそがエスコーラ海軍の若き切り込み隊長ジョニーである!!
 …ベビーフェイスキラー、今日こそ捕まえてみせるぞ!


やってみろよ…!!


この戦いでバロンらは初めての敗北を経験する。
そしてマジックドラゴン海賊団はジョニー率いる船団により
全員が捕まり投獄されることとなった…


ところでこの城「使いまわしのさらに使いまわし」じゃね…?








尺の関係で即脱獄じゃああああああ!


展開はやいなオイ!!
「ジョニーのガキが不殺にこだわるからこういうことになるんだ!!」
「いいや全員やっちゃえやっちゃえ~い!!」


ぐおぉ!?


お頭!?


「お前たちだけでも脱出しろ、止まるんじゃねぇぞ…
 オレの剣を持っていけ!


…すまねぇお頭!!行くぞてめぇら!!


犠牲を出しながらも船着き場に辿り着いた
三人を待ち構えていたのは因縁の相手ジョニー!!


脱走とは聞いていたが…もうこんな所にまで!?


オマエと遊んでる暇はねぇ!!



なっ!?左手を犠牲にしてまで!?


手に刺さったまんまじゃ、突き専門のその剣は使えねぇなぁ!?

(この時の傷が元で後に左手はおなじみ「フック義手」になることとなる)


や、やられる!?


そうはいかん!!


危ないバロン!!




BANG!!




アン!? ちくしょう、なんでかばった!?


「ちょっとばかし強いからってね、すぐ油断するんだから…
 昔からほっとけないんだよアンタは…」


と、とにかく早く逃げなきゃ!!増援がバンバン来る!!


ちくしょう…アン死ぬな!
 海賊なんてのは、自分が生き残る事だけ考えりゃいいってのに…!!」



こうして小舟一隻で三人のみが脱出に成功する…
そして壮絶な漂流の果てについに
無人島に辿り着いたバロンらであったが…




「見えるかアン、辿り着いた、助かったんだ…
 ここが俺達の新天地…おいアン!!


「バロンの兄貴…アンはもう…」


…………



「なぁスライブーツ…いつかこの島を拠点に
 天下ってのをとってみせようぜ」


「できるかなぁ、僕たちに…」


「できるさ…この島にはアンが眠ってる。
 「大海の夢」の続きは俺達で描くんだ…!!」


海図にも無い島、ここが後に裏南海バロン軍の最大拠点
「バロンアイランド」と呼ばれる孤島であった。



ここから先はいよいよ尺が無いので巻きでいくのだが
この島の先住民族「マグマ族」と抗争となるも
その気骨と強さから認められ
「マグマ族の領域には踏み込まない」という約束で共存へ。


そこに一般モブ海賊らが襲来、マグマ族の領域に誘い込み
共闘する形でこれも撃退し配下に。
これこそが後のキャプテン・バロン「バロン海賊団」の成り立ちであった。


そしてこの孤島周辺の海域はいつしか
南海の王者「ロジャー海賊団」や海軍らに
駆逐された海賊たちが流れ着く「裏南海」と呼ばれる魔境となる。
海賊同士の抗争に勝ち抜き「裏南海の海賊王」となったバロンは
南海に勢力を伸ばしてきた東洋の「クロニンジャ軍団」と提携し
宝集めと略奪、香辛料や果物などの売買で荒稼ぎした資金で
爵位と地位、そしてエスコーラ軍の一部の指揮権さえも金で買い
「裏南海の覇者バロン王」とまで呼ばれることとなるのだが
それはまた別のお話というか
前に七話ほど使って長々とやったアレである…


………



ぬわーっはっはっは!!

 どうだったかねワシの立身伝は!?
 しっかし後半のダイジェスト感エグいなオイ!!
 今回で「裏南海」に興味を持ってくれたという
 キサマは本編も要チェックじゃぞ!!」


しっかし時の流れはザンコクでゲスなぁ!!




おわり




あとがき!!
今回のあとがきはホントに長いのでガチで読み飛ばしてOKです!!
「裏南海の勇者」最終話のコメ欄にて要望があった
「バロン王の若い頃の話」および「裏南海のスピンオフ」
やらさせていただきました!!

単独時間軸の前日譚であり、そして元ネタの「世界の冒険」
からかけ離れすぎている所もあり単発で終わらせたかったので
なかなかのダイジェスト感が出てしまい本当に申し訳ない。
「裏南海」本編が王道海賊物語とかけはなれたハチャメチャさだったので
こっちは割と「海賊ものの王道」な成り上がりストーリーとして仕上げました。
ジャンプマンガ並のムリヤリ後付け過去設定なので
ツッコミ所はどうか笑って許して!!

xxxさんより「バロン王の若い頃の話」というアイディアをいただいた際から
「バロン顔ってヒゲモノクル無しだと割と正統派ニッコリ顔だし
 意外と主人公映えするかもしれねぇ」と思ったりもしてたので
実際やってみるとまぁ中々悪くないかなと!
若バロンのイメージは本家南海の「ウィル」の闇バージョンで
顔は「レゴムービー2エメット顔の裏面」を使っています。
かわいげなニッコリ顔亜種ながらいい不愛想フェイスでしょう!!
ぶっきらぼうな若バロンが唯一「笑顔」を見せた場面があの場面…
という物悲しさエモさが今回のオリスト最大のこだわりポイントです!!(地味!!)
まぁその反動でおっさんになってからは隙あらば
「ぬわーっはっはっは!!」と豪快に笑うおじさまになってしまうわけですが!!
いやぁ時間のザンコクさがより浮き彫りになりますね!!
(というか変わり果て具合でいえばスライブーツのがヤバい)
このZEROを観た後にまた裏南海本編を見返してみると
また違った楽しみ方ができるかもしれません!!なんて言ってみたりして…

本編中でのピピン姫への異常な執着も多感な時期にアンを喪った反動なのかもしれません。

今回は流石に最初から最後までシリアスで通そうと思いましたが
おふざけが手癖になってしまっていて無理でしたね。
まぁ僕作オリストにしては珍しくハードというか暗い話だったので
緩急材として丁度よかったかもしれません!!
作ってる間にアンやマジックドラゴン海賊団らに
愛着がわいてきたりもして、後半の展開は作りながらかなり心苦しくもありましたが
ここは心を鬼にしなければ「裏南海本編」に繋がらないので…
ちなみに「裏南海」の海賊&海軍にヨロイ装備が多いのは
ヨロイ装備率の高いエスコーラの領域に近い海域を舞台としているからなんですねぇ。

んで時系列を整理するとこの「裏南海ZERO」のだいぶ後
「本家南海の勇者」時系列の「初期俺南海」での
「ロジャー海賊団にワイルドゴメス海賊団大敗北事件」
からのいわゆる「イケメン三銃士戦役」があり
その後海軍の特殊部隊「ジョニー船団」が裏南海入りして
「裏南海第一話前半」のくだりに
その後ジョニーがバロンに敗北→修行している一年の間に
脱獄したワイルドゴメス海賊団が裏南海入りするも
バロン軍に大敗北し配下入り(尺の都合でカットされたので今話しました)
その後は「裏南海本編」があってそこからまただいぶ後の
時間軸になってRisky様らを筆頭とする「ヤフブロ南海」
という流れになりますねぇ!!
こうして振り返るとワイルドゴメス海賊団超弱いな!!


また非公式裏設定として「裏南海」のジョニーバロンらが
「世界の冒険」のジョニーバロンらの先祖であり
またかなり前にやった宇宙シリーズ外伝「スペースバロンVS宇宙保安官ジョーンズ」
またしても彼らの子孫というのがありまして。
俺世界観設定における「世代を超えた長い因縁のはじまり」を描けて
いやぁ実に充実した気分です。

それでは今回はこの辺で!!

 

 


レゴ(LEGO)ランキング

にほんブログ村 その他趣味ブログ LEGOへ
にほんブログ村