PARIS RIO STORIES

外出禁止令を機に書き始めたパリのバーマンのお話。

🇫🇷現地より〜フランスの外出禁止令が本日解除

5月10日。55日間のフランスの外出禁止令が終わる日の前夜、夕方から振り続く雨はますます強くなっていた。すっかり習慣となった20時の医療者達へのエールも今日は雨音にかき消されて聞こえない。外を見ると街路樹が波打つように揺れ大粒の雨が真横に降っている。沢山の人命と日常を奪っていったウイルスなど全て洗い流したい、そんな人々の思いが乗り移ったかのような雨だった。
 
3月14日、マクロン大統領が国内全ての飲食店の無期限営業停止を命じた際に”移民は解雇されるのでは”と不安がよぎったが一時的失業手当を支給するという国の補償により救われた。
 
思えば今回の件での仏政府は国民の不安が大きくなる前に先回りで保証を打ち出してきた印象を受ける。先の見えない不安というの段階的に大きくなっていくものらしく、素早い対策と補償は人々安心感を与えてくれたと感じる。
 
5月11日の明日から大型デパートや飲食店を除きほぼ全ての会社やショップが再開する訳だが今後パリのレストランに人が戻って来るのにどれくらい時間がかかるのだろう。僕自身、開業を目標に飲食業に従事しているのでそこが一番気になるところだ。
 
再開してもきっとしばらくはテラス席に人が集中するのだろう、そう思って携帯ニュースを見ていると思わず”オッ”と声が出てしまう記事が目に飛び込んできた。タイトルには“この夏、パリの30の主要な道路がおっきなレストランになるよ!”とある。

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https://www.atabula.com/2020/05/09/les-30-rues-parisiennes-qui-pourraient-devenir-un-grand-restaurant-cet-ete/
 
パリ市長の粋な計らいとも言うべきか飲食店やシェフ達を守る為、パリ市内の人の集まる30箇所の道路を通行止めにしてテーブルを並べレストランにする予定のようだ。もちろんレストランの道路使用料は無料だ。

これなら室内感染の不安も払拭出来ていつもと違う雰囲気を演出できる。夏は23時くらいまで明るいのでテラス大好き仏人がアガる要素満載である。パリジャンを呼ぶには「ここで食事してる私イケてる」感の演出は必須と聞いた事があるが、レストランを助けるという大義名分と期間限定の特別テラス席がうまく刺激して人が集まるのではないだろうか。
 
お客様の笑顔に再会できる希望と払拭仕切れない一抹の不安を抱えつつ、市長の策がパリに人が戻ってくる起爆材の一つとなる事を期待したい。
太陽に照らされる仲間とお客様の笑顔を楽しみに、パリは今日も「たゆたえども沈まず」⛵️

 

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