Piggy's Delight

Chapter 3: 毎日食べたいグリーン野菜とそのヘルスベネフィット

【Chapter 3: 毎日食べたいグリーン野菜とそのヘルスベネフィット】

f:id:piggyinkitchen:20201110024126j:plain

こんにちは、piggyです♩
前回は「赤の野菜」についてヘルスベネフィットをご紹介しましたが、今回は、緑の野菜です!
Chapter 1, 2をまだの方は、こちらから読めます☟

おそらくみなさんも「野菜は体にいい!」と口をそろえて言うかと思います☺
いろんな文献で、野菜と健康について「野菜を積極的に摂ることで慢性的な病気リスクを低下させることが可能」と述べています✨

その中でも今回は緑色の野菜をメインに、抜粋した研究データなどを基にざっくりと話していきますので、よければ最後まで読んでくれると嬉しいです🐷!

◎緑の野菜◎

など、挙げたらきりがないくらいたくさんありますね。
野菜それぞれが持つ効能は、いろいろありますが、まずは緑の野菜全体から見て、私たちの健康にどんなベネフィットがあるのか下にまとめてみました。

◎効能◎

  • 肌荒れ防止
  • 免疫力の向上
  • 腸内環境を整える
  • 炎症抑制作用
  • 慢性的な病気のリスク低下(心臓病・糖尿病・脳梗塞脳卒中脳出血など)
  • 精神的疲労からの回復
  • 脳機能の向上

など、その効能は多岐にわたります。

循環器系疾患
あるコホート研究のメタアナリシスでは、野菜の中でも特に、緑の葉野菜(スイスチャード、ほうれん草、からし菜など)が、最も循環器系疾患のリスク低下と関連があると報告されています。

ガン
また、野菜には抗酸化物質やビタミンC、Aが多く含まれていることから、フリーラディカルからのダメージを抑え、私たちの身体を守ってくれます。(=炎症抑制作用)
この抗酸化物質はガン予防にいいとされています。
ノンスターチーベジタブル(レタス、葉野菜、ブロッコリー、チンゲン菜、キャベツなど)は数種類のガンから守ってくれる働きがあるという報告もあります。

精神的疲労回復
緑の葉野菜の多くには、葉酸という微量栄養素が多く含まれています。この葉酸は、神経伝達物質でハッピーホルモンであるドーパミンセロトニンを生成するのに必要な栄養素です。この栄養素を野菜から摂取することで、ストレスを改善したり、精神的疲労から回復するのを手伝ってくれます。
また、緑の野菜を積極的に摂取することで、認知度の低下を遅めてくれる効果もあるので、高齢者の方は特に緑の野菜を食べることをおすすめします。


ここで少し、面白い研究結果をご紹介したいと思います。
2019年にFood Chemistryが、緑の野菜が持つ鉄分の生物学的利用能の推定を公表しました。これは、in vitro digestion/Caco-2 Cell modelを使用して行った実験で、ブロッコリー、ピーマン、ほうれん草、キャベツ、ケールの5種類の野菜が実験対象です。
実験では、フェリチン反応のデータから鉄分の生物学的利用能を算出し、Fructose 1,6-biphosphateというグルコース生成過程に必要なエンザイムを追加。その結果を基にどの野菜が1番鉄分利用が可能かデータを出す、という実験です。
結果☟

  1. キャベツ
  2. ブロッコリー
  3. ピーマン
  4. ケール
  5. ほうれん草

の順に高かったそうです。
Fructose 1,6-biphosphateが鉄分の吸収率を高めることがわかり、結果的に、キャベツが一番、生物学的利用できる鉄分の源と言えると述べています。

 

次に、私が抜粋するぜひ毎日の食事に取り入れてもらいたい、栄養豊富な緑の野菜を細かく見ていきたいと思います。

まずは、代表格であるこちら!

ほうれん草

f:id:piggyinkitchen:20201110165902j:plain
ほうれん草は、微量栄養素が豊富、かつ、いろいろな料理・ジャンルにおいて人気なお野菜です。
主な栄養素とその機能

  • ビタミンA(カロテノイド)
    脂溶性ビタミンで肝臓で貯蓄される。
    B-カロテンは抗酸化作用が非常に強く、フリーラディカルからのダメージから身体を守ってくれる。主に、肌や目の健康に効果あり。
  • ビタミンC
    水溶性ビタミン。体内では生成できないため、食事から取り入れる必要がある。
    ビタミンCは抗ヒスタミンで抗酸化作用を持っているため、炎症を抑制する働きがある。ヒスタミンはアレルギー反応や免疫システムとネガティブに関係しているため、ヒスタミン食をすると、アレルギー反応のような肌のかゆみ、赤み、発疹、吐き気、頭痛、などが出る場合がある。
    コラーゲンの形成にとても重要な栄養素で、筋肉や、血管、体内組織の整合性を維持するのに必要。特に、動脈壁の弾力を維持するのに、このビタミンCの重要性があるため、ビタミンC欠乏は動脈硬化やその他の循環器系疾患と関連があるとされている。
  • ビタミンK1
    ビタミンK1は脂溶性ビタミンであるビタミンKのひとつで肝臓に直接運び込まれ、主な機能は血液凝固作用。
  • 葉酸
    妊娠中に重要な栄養素!
    ビタミン12と共に細胞分裂やDNA異常形成から守ってくれる。さらに、赤血球の形成やエネルギー生成にも携わっているため、貧血や免疫システム低下の原因の一つともいわれる。また、脳の働きにも葉酸がかかわっており、葉酸摂取はうつ病や不安症予防に効果的。
    妊娠中や、妊娠を望む女性は特に気をつけたい栄養素で、胎児の神経管閉鎖障害を防ぐため、葉酸の積極的摂取が望まれる。
    ※欠乏症と気づくまでに約6~9ヶ月かかると言われている。
  • ビタミンE
    脂溶性ビタミンで非常に強い抗酸化作用を持つ。
    性ホルモン生成、老化防止、生理の不調予防、貧血予防(溶血性貧血・鎌状赤血球貧血)、心臓病予防などの働きがある。
    膵臓や肝臓、胆のうの働きが低下すると、ビタミンE欠乏になりやすい。
    ※一般的に、動物性食品に含まれるビタミンEよりも、植物性食品のビタミンEの方が凝縮されているため、効率的に摂取が可能と言われている。
  • ノンヘム鉄
    ヘモグロビン生成を助け、酸素を体内細胞に取り込む。ビタミンCが鉄分の吸収率をアップさせる。また、ビタミンB12葉酸も、鉄が細胞内に取り込まれるのに必要な栄養素。鉄分の低下は細胞内の酸素の低下にもつながっており、エネルギー生成ができず、疲労の原因ともなっている。
  • マグネシウム
    カルシウムと同様に、マグネシウムは筋肉の収縮に関わっているため、心臓機能を維持するのに重要な栄養素。
    リラックス効果(=不安症状やハイパーアクティビティ、不眠症の軽減)
  • カルシウム
    骨の健康や心臓機能維持、血液凝固、神経伝達、痛みの軽減に必要なミネラル。
    カルシウムとリンの割合が大事!
    リンは消化器官内でカルシウムと結合し、カルシウムの吸収を妨げる性質があるため、リンの過剰摂取はカルシウムの吸収を低下させることとなる。
    ※カフェインとの摂取もまた、カルシウムの吸収を阻害するので注意。
  • カリウム
    カリウム電解質のひとつで神経伝達や筋肉の収縮に重要な役割があり、また、腎臓機能の維持、水分バランス、酸・アルカリバランスの維持、アミノ酸からのプロテイン生成、筋肉を作ることなどにも関わっている。

※加熱処理されたほうれん草よりも、生のほうれん草からの方がより多くの抗酸化物質を摂取することが可能。

効果

  • 老化防止
  • 肌荒れ防止
  • 糖尿病リスク低下
  • 循環器系疾患リスク低下
  • 貧血予防
  • 骨粗鬆症リスク低下(骨の強化)
  • 虫歯予防
  • 風邪予防
  • ストレスの軽減
  • リラックス効果
  • ムードコントロール
  • 目の健康促進(白内障予防など)

料理アイディア

☆ほうれん草のバルサミコサラダ
☆ほうれん草でグリーンカレー 

ケール

f:id:piggyinkitchen:20201110170005j:plain
主な栄養素とその機能

  • ビタミンA
  • ビタミンB6
    ビタミンB6はタンパク質合成、赤血球合成、脂質や糖質の代謝に大切な栄養素。自然な利尿作用を持っており、水分バランスを維持してくれる。また、B6は、睡眠、ムード、ストレス、食欲のコントロールをする働きがあると言われている神経伝達物質セロトニンレベルを上げる。
  • ビタミンC
  • ビタミンK
  • マンガン
    マンガンは、タンパク質の消化やグルコースコントロール甲状腺機能、健康な骨の形成、健康な関節維持、ドーパミン合成に重要なミネラル。また、抗酸化性酵素(SOD)をアクティブにするためにはマンガンが必要。
    ※リン過剰(ソフトドリンクや加工食品)やカルシウム過剰(牛乳)は、マンガンの吸収を阻害するので注意。
  • カルシウム
  • カリウム
  • マグネシウム
  • 葉酸
  • 食物繊維

ケールなどアブラナ科の野菜には、プラントケミカルであるグルコシノレートを含んでいて、このグルコシノレートは植物において、外からのダメージからの防御作用があります。研究では、このグルコシノレートが私たちの体内でも同じような働きをすると言われています。
アブラナ科野菜を咀嚼、包丁で切る、調理することで、グルコシノレートを2つの成分(イソチオシアネートとインドール3カルビノール)に分解します。これらは、1)炎症過程を阻害、2)ガン細胞の成長と拡散を妨げる、3)健康な細胞の形成に関与していることから、ガン予防や心臓病の予防に効果があると言われています。

効果

  • 便秘予防
  • 肌荒れ防止
  • 風邪予防
  • 虫歯予防
  • ガン予防
  • 心臓疾患リスク低下
  • 関節炎予防
  • 骨の強化
  • コレステロール値の低下
  • 目の健康維持
  • 糖尿病リスク低下
  • 脳疾患リスク低下

注意点

  • 甲状腺
    ケールにはゴイトロゲンという、ヨウ素甲状腺に取り込むのを阻害する物質を含んでいます。つまり、ゴイトロゲン過剰⇒ヨウ素欠乏⇒甲状腺ホルモン低下⇒甲状腺低下症⇒甲状腺腫を引き起こす可能性があります。
    特に、生のケールは、加熱処理されたケールよりもゴイトロゲンレベルが高いため、甲状腺低下障害をお持ちの方は、加熱処理のケールを少量摂取に押さえておいた方がいいと思います。
  • IBS過敏性腸症候群
    ケールには私たちの身体では消化できないラフィノースという糖分を含んでいて、腸の不調につながります。特に、IBSの症状(下痢や便秘)をひどくさせる場合があるので、IBSをお持ちの方は注意が必要です。また、腸内で消化されずらい繊維質の高い野菜の摂取も症状悪化の原因ともなります。

料理アイディア

☆ケールとほうれん草のマフィン(上記参照)

☆ケールチップス

芽キャベツ

f:id:piggyinkitchen:20201110170127j:plain
主な栄養素とその機能

  • ビタミンA
  • ビタミンC
  • ビタミンE
  • ビタミンK
  • 葉酸
  • マンガン
  • 食物繊維
  • コリン
    レシチンの基本成分で、体内での脂質利用の手助けをしてくれる。
    神経伝達物質であるアセチルコリンの前駆体であるため、正常な神経系機能に重要な栄養素。また、肝臓や胆のうで、脂質代謝をスムーズに行うためにコリンが必要で、コリン欠乏によって脂質が肝臓内に溜まり、代謝をブロックしてしまう。
    アミノ酸グリシンからコリンの合成が可能だが、動物由来の脂質や砂糖の過剰摂取でコリン欠乏を引き起こす可能性がある。
  • オメガ3
    詳細は過去記事でお願いします☟

  • 硫黄(Sulfur)
    メジャーな抗酸化物質のグルタチオンの一部で、抗酸化作用を持つ。
    タンパク質合成に関与し、肌、髪、爪、骨、コラーゲンの生成に必要。硫黄の持つ解毒作用によって、老廃物(ヘビーメタル、ニコチン、農薬、薬剤など)の排出を促す。

効果

  • 炎症抑制作用
  • 風邪予防(免疫力の向上)
  • 肌荒れ防止
  • 老化防止
  • 血液凝固作用
  • 整腸作用
  • 便秘予防
  • 血糖コントロール
  • 認知機能低下予防
  • 心臓病(心筋梗塞心不全など)のリスク低下

料理アイディア 

芽キャベツのおすすめな食べ方は、オーブン焼き♩
オリーブオイル、ブラックペッパー、ピンクソルトだけで味付けしてオーブンに入れて焼くだけです。
香ばしくて、甘くて普通のキャベツよりも私は大好きです!

今回は少し、内容がヘビーだったかなと思いますが、ここまでお付き合いいただきありがとうございます!
私たちの身体や健康は、文字や数字で表せられるほどシンプルではなく、研究もまだまだ追いついてない部分が多いくらいとても複雑で未知な世界なので、この情報を参考にしながら、自分に合った食事方法や、お野菜を見つけていただけたら、と思います☺

 

何か質問などあれば、いつでもメッセージしてくださいね!
よろしくお願いします。

-piggyinkitchen-

 

 

REFERENCES

  1. C. Sauvaget, J. Nagano, (2003), Vegetable and fruit intake and stroke mortality in the Hiroshima/Nagasaki life span study, Stroke, 2003;34:2355-2360, https://doi.org/10.1161/01.STR.0000089293.29739.97
  2. Wang X, Ouyang Y, et al, (2014), Fruit and vegetable consumption and mortality from all causes, cardiovascular disease, and cancer: systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies, The British Medical Journal, 2014; 349 :g4490
  3. Conrad, Z., Raatz, S. & Jahns, L., (2018), Greater vegetable variety and amount are associated with lower prevalence of coronary heart disease: National Health and Nutrition Examination Survey, 1999–2014, Nutrition Journal, 17, 67., https://doi.org/10.1186/s12937-018-0376-4
  4. Wiseman, M. (2008). The Second World Cancer Research Fund/American Institute for Cancer Research Expert Report. Food, Nutrition, Physical Activity, and the Prevention of Cancer: A Global Perspective: Nutrition Society and BAPEN Medical Symposium on ‘Nutrition support in cancer therapy’. Proceedings of the Nutrition Society, 67(3), 253-256. doi:10.1017/S002966510800712X
  5. Lydia A. Bazzano, Tricia Y. Li, Kamudi J. Joshipura, (2008), Frank B. Hu, Intake of Fruit, Vegetables, and Fruit Juices and Risk of Diabetes in Women, Diabetes Care, 31 (7) 1311-1317; DOI: 10.2337/dc08-0080
  6. Short R., (2006), Vegetables may slow cognitive decline in older people. The British Medical Journal, 2006;333(7575):936.
  7. I. Rodriguez-Ramiro, C. Dell'Aquila, J.L. Ward, A.L. Neal, S.F.A. Bruggraber, P.R. Shewry, S. Fairweather-Tait, (2019), Estimation of the iron bioavailability in green vegetables using an in vitro digestion/Caco-2 cell model, Food Chemistry, Volume 301, 125292, ISSN 0308-8146, https://doi.org/10.1016/j.foodchem.2019.125292.
  8. Harvard T.H. Chan School of Public Health, https://www.hsph.harvard.edu/nutritionsource/food-features/kale/

  9. Harvard Health Publishing Harvard Medical School, https://www.health.harvard.edu/staying-healthy/chopped-uncooked-spinach-offers-more-antioxidants

  10. Blekkenhorst, L., Sim, M., Radavelli-Bagatini, S., Bondonno, N., Bondonno, C., Devine, A., et al, (2020), Cruciferous vegetable intake is inversely associated with extensive abdominal aortic calcification in elderly women: A cross-sectional study. The British Journal of Nutrition, 1-9. doi:10.1017/S0007114520002706