木曜日がやってきた。



ボスとのミーティングでは、同僚が言っていたように、



今はコロナのパンデミックで全てが保留状態で、詳しい話はHR( Human Resources 人事・総務) に聞いた方がいい。
(私の)入学条件、年齢のこととか考慮されるかもしれないし…

今はほとんどがテレワーク中だからメールで問い合わせした方がいいよ




微かな希望を抱えて、HRの担当者に切実に訴えるメールを送った。

すると直ぐに返事がきた。

長々と送ったメールにすぐ返事が来るのはあまりいい予感はしない。



ごめんね
パンデミックで全ての休暇は保留となります



たった2行で沈下させられた。




親友には、もしStudy Leaveが許可されないならそれは諦めろという意味として受け入れる、と話していた。



その日の夜、家族には



夏のクラスはやっぱりStudy Leaveは取れなかった。このまま、夏のクラスも辞めることにする。


そう伝えた。





どんな決断もサポートすると言っていた娘達なのに、何故かシーンと皆、無言になってしまった。




ちょっとしてから長女が







ママ、本当にそれでいいの?


ドッキーン






本当に音がしそうだった。
何でドッキリしたんだろ?
長女、何で聞く?




うん、そう




小さい声で答えた。






一度は辞めると言ったものの、長女の一言でまた「本当にいいのか?」考え出した。





長女は見抜いていたんだろうか?
私が後悔するって。





一晩考えて、考えて





強制終了のせいにするのは逃げじゃないか?

「仕方ない」って。

いつか振り返った時に、

「私はやりたかったけど、Study Leaveが許可されなくてできなかった」と、

「満足できる人生にならなかったのは私の決断ではなく状況のせい」と、

自分の人生に責任を取ることから逃げているだけじゃないのか?


試験にパスできなくて単位が取れなかったと、傷つくのが怖い?




正直、Study Leaveが許可されないと知って僅かながらホッとした部分もあった。
もう、胃に穴が開きそうなほど考えなくていい、と。
一瞬、解放されて心が軽く感じた。



見透かされたように次女に言われた。



ホッとした?
なら、それほどやりたいと思ってなかったってことかもよ



そうなのかも?



何がなんでも、この職業が「好き」でやりたい気持ちより、今のある程度恵まれて楽な生活を大きく変えるのが怖い気持ちが強かった。


両親のことも、学校へ行くことで3年間は十分に会える時間が取れなくなってしまうことをきっと後悔すると、心のどこかで気付いている。




だけど、進学の道を今ここで完全シャットアウトするのはやっぱり本心じゃない気がする。

始める前に諦めるって、自分の性格から言って耐えられるか?

何も頑張らずに、諦めきれる?




なら、やれること全部やって辞めたい。





パートタイムで優雅に楽に勉強するのが理想だった。体力的にも精神的にも。経済的には打撃だけど。

それが無理なら最後の手段、
フルタイムで仕事しながらやるオプションがある。


勉強と仕事の両立…体力的に不安はある。
前回の30代とは違う。

けど、やってみないとわからない。




午後3時までオンライン授業。
夕方のシフトは3時30分から。家から職場まで車で15分程度だからギリギリいける。

夜勤は午後11時30分からだけど、体、キツすぎ。
絶対、朝寝てしまう。なので夜勤は却下。

夕方のシフトなら、時間的には可能だ。





勉強する時間は…絞り出すしかない。





2ヶ月間、夕方のシフトに入れて貰えるかボスに頼むことにした。



金曜日の朝にメールを送り、検討してみるとの返事がきた。
昼に電話が来て、夕方のシフトへ変更したと連絡がきた。

お、やる事早っ!




けっこうギリギリで話をしたのに苦言するわけでもなく、私の要望を受け即座に行動してくれたことは感謝しかない。

今の職場もそう悪くないのかもしれない。











これから死に物狂いの2ヶ月間が始まるのかという思いはある。

でも、気持ちはスッキリして晴れやかだ。
ただストレスから解放されて、軽くなったのとは違う。

自分で選択し、納得しているからだ。



難しいかもしれないけど、新しい目標ができてやる気が出てきた。
なんせここ数年は目標難民だったから、何かを頑張ることに飢えていたようだ。


まぁ、始まってからどうなっているかはわからないが。すぐに悲鳴をあげたりして(汗)


やれるだけやって単位が取れれば良し、取れなくてもその時は諦めがつく。




だって、逃げの選択はしなかったから。









改めて、家族に報告した。
長女も次女も、喜んでいた。



Determination だね
やってみて!
でも 無理はしないで!
お手伝いするよ!



嬉しい言葉が飛び交った。





旦那はやれやれ…という顔で私を見た。








まずは一つ、目の前の課題に「済」マークをつけた。



最終的な決断は、その後だ。