こんにちは。きちんと記事にしないまま、
ネーベルホルン杯の終了を迎えてしまった種子島ぴーです。
男子だけ、軽く振り返っておきたいと思います。
ネーベルホルン杯は、ドイツで開催される「チャレンジャーシリーズ」の一つです。
今回が52回目と歴史もあり、例年であれば、日本の選手が表彰台に乗っていました。
が、今年は日本スケート連盟は、選手のチャレンジャーシリーズへの派遣を中止。
ですので、今年の大会を引っ張る注目選手は、
男子はイタリアのマッテオ・リッツォ、ラトビアのデニス・ヴァシリエフス。
そして、地元ドイツのポール・フェンツも期待されていました。
女子で試合を引っ張ると思われたのは、スイスのアレクシア・パガニーニ。
地元ドイツのニコル・ショットも、台乗りが期待されていました。
今回の大会開催について、ドイツの運営は、
「大会中止でフィギュアスケートが人々の目に触れられない期間が長くなると、このスポーツは忘れ去られてしまう。サッカーが国民の関心を集める国で、競技人口の少ないスポーツは注意を払われなくなる」と話しました。
関係者は、リンクで演技&練習中以外は、
マスク着用を義務付けられていました。
今回、デニス・ヴァシリエフス、アレクシア・パガニーニ、ポール・フェンツ(合宿のみ)と、注目の教え子を率いる人気ものステファン・ランビエール。
大会前のランビ先生インタビュー概要
ネーベルホルン2020の大会初日です。
大会の状況は例年とは違いますが、戻ってこれたのは大きな喜びです。
スケーターはみんな、やっと大会に出て演技を披露できること、ジャッジの前で演技ができることにとても興奮しています。とてもいい雰囲気です。
思うに、スケートへの情熱は、コーチであっても選手であっても同じです。コーチとして最も大切なことは、その情熱を選手と分かち合い、彼らを教育し、上達に導くことだと思います。そして、スケーター一人ひとりに適した方法を見つけること。私のきょうの役割はそこにありますが、とても楽しんでいます。
デニス・ヴァシリエフス選手のインタ概要
(自宅待機期間中は)本当にストレスフルでした。大会に向けてすばらしい準備期間を過ごせて、いい感じに持っていけましたが、長い間、氷の上に出ることができなくて、キャリアの中では最も長い期間だったので、なんというか、感情が揺れているというか(笑)。ポジティブな感情としてはものすごくワクワクしているのですが、不安を感じるネガティブな面もあるんです。
このように話していたデニスですが、SPの演技を見てまず思ったのは、「うまくなっている!!」ということでした。
音楽は、ピアソラのタンゴ。
もともと音楽性を感じるスケーターでしたが、
タンゴにコンテンポラリーダンスのような動きも加わって、
新しいデニスを見た思いでした。
作品としては、ダントツに楽しめたのですが、ジャンプの失敗で5位に!!
コンビネーションジャンプが入らなかったのも、痛かったですね。
当初の予想としては、優勝がマッテオ君で、2位がデニスと予想していたので、
5位スタートは驚きでした。
優勝が期待されたマッテオ・リッツオは、
マッテオパパ振付のアンドレア・ボチェッリの『Romanza』。
音楽は申し分なく美しい。が、それほど世界観もなく…(すみません)
ジャンプがまだ整っていないようです。
が、4回転は回避しましたが、ルッツのセカンドにループを跳ぶコンビネーションを冒頭に持ってきたのは、おおっ!!と思いました。新鮮!!
最後のフリップが、今後4回転になっていくのかな?
トップに立ったのは、ポール・フェンツ!!
ドイツ皇帝らしい堂々とした たたずまいで、
4回転トゥループを危なげなく決めました。
本当は3回転トゥを付ける予定だったらしいですが、単独になったので、
続くルッツに3回転トゥを付けました。
着氷がぐらつきましたが、コロナ明けのシーズン初戦でこの攻めの姿勢!!
全体的に安定した演技で、小さくガッツポーズも出ました。
気になったのは、SP2位のイタリア ガブリエル・フランジパーニでした。
ブノワリショーさん振付、ジュニアから上がってきたイタリア期待の選手です。
演技の仕上がり具合も気合と勢いも、マッテオ君をしのいでおり、
見え方としては、マッテオ君、まずいのでは?!
そういえば、くら寿司!!
日本選手が出場しない中、一人気を吐く「くら寿司」の広告が、
やたら視界に飛び込んできました。
コロナ禍前にスポンサーとして名乗りを上げていたので、
「日本選手が出場しなくても義理を通す」ということであれば、まさに日本の心。
ガブリエル・フランジパーニは、
フリーでも、4回転ジャンプ2本を組み込み、
スコッチのグラスを飲み干す風のコリオも入りながらの
気合の入った演技で2位に。
芸術面でもマッテオ君より点数が出ていました。
コーチはダニール・グラスールと同じロレンツォ・マグリコーチてす。
フリーのマッテオ・リッツオは、
グレイテスト・ショー・マンより『フロム・ナウ・オン』。
よーし、のりのりで行こう!!
と思ったけど、まだ調整途中なのかな…という感じです。
ボーカル曲を、1曲丸々アレンジもせずに使うって難しい‥とも感じました。
ジャンプが決まってくると、盛り上がるのかな。
このメンツでフリー7位は、マッテオ君らしくないです。
らしくないといえば、大トリに登場したポール・フェンツ。
2回転ジャンプを入れ過ぎて、というか足にきたのか??体力を消耗したのか、
最後は音楽が終わる前にフィニッシュして、スピンもレベル2に…
フリー8位で、表彰台を逃す総合6位となってしまいました。
残念!!
優勝したのは、デニス・ヴァシリエフス選手でした。
フリーの技術点は、ガブリエル・フランジパーニに及びませんでしたが、
“一人アイスショー”状態のプログラム・コンポーネンツで他を圧倒しました。
コリオシークエンス、素敵!!
ジャンプのパンクが気にならないくらい、見応えがありました。
ジャンプは、冒頭の4回転と3Aが決まって、SPより精度高し。
きっと、ランビ伯爵が、秘密の言葉をささやいたのでしょう。
ランビ伯爵は、高志郎くんが先日のスイスカップに出たときも、
SPのジャンプはすべて失敗してしまいましたが、
フリーで検討したら抱きしめて本当に喜んでいたので、
コロナ禍を乗り越えての教え子の初戦を、
温かく見守っているのがわかります。
は~昌磨の初戦では、どんな反応を見せてくれるのかしら♡
終わってみれば、一番安定していたのは、ガブリエル・フランジパーニでした。
イタリアのジュニアチャンピオン。
オリンピックにからんできそうです。
こうやって選手たちの初戦を見ると、
ロシアのアンナ・シェルバコワやコリヤダ君みたいな完成度の
演技を見せることが
どんなに大変で驚異的なことなのかがわかります。
昨日帰ってきたら、absoluteskatingさんのインスタにて、
デニスのインタビューのLIVEをやっておりました。
おめでとう、デニス!!
ドイツアイススケートユニオンは、
11月26日から29日まで、ドルトムントでNRW杯を行う予定だそうです。