その求められるハンドメイドに頭を痛める人も多い中、
洋裁大好きチビハルママは、
待ってました！とばかりに大手を振って、
大規模手芸店へと意気揚々でいざ発進ーーー！
春に相応しい粋な計らいで、生地売り場の最前線には「入園グッズコーナー」なるものが設置されており、周囲は らしき親子でひしめきあっている。
すると買い出しメモを片手に材料を物色する私の耳に、どこぞの親子の会話がサラサラと流れ込む。
「○○ちゃん、どの生地がいい？」
「うーんとね、この○○の絵が描いてあるのがいい！」
…たったこれだけ、
これだけなのだが…
ここには我が親子との決定的な違いが如実に現れている
そうか…
みんな子供の好みに合わせて生地を選ぶんだ…
どんな凄いのを作っちゃおうかと私はバッグや上履き袋、スモックetc…のデザイン画まで描きあげ、ウキウキで着陸したのだが、
私には…
自分の子供がどんなのを欲しているのか…
まるで分からない…
あらゆる物事に興味が薄く、これといって「1番！」が見当たらないチビハルに、どんなに凝ったグッズを作っても、
それはただの自己満足で終わるかもしれず、
「お気に入りの生地でママが手作りしてくれた！」
そんな親子の幼稚園グッズには、到底手が届かないような気がした…
そうか…
発達障害児特有のこだわりを持つチビハルは、
頑張って作っても拒否反応すら示しかねないのだ…
私にとって1日居ても飽きぬパラダイス、
常にハイタイムを提供してくれる“手芸店”において…
人生初の「気落ち」であった。
そんな中でも何とかチビハルが興味を示しそうなデザインを考え、いそいそと仕事に取り組んだ。
キルトで作った幼稚園バッグには大きく幼稚園バスをアップリケし、4つの窓からはチビハル、アンパンマン、ドキンちゃん、バイキンマンが覗いている。
バスの周りには、カエル、ヒヨコ、蝶、蜜蜂を配置した。
上履き袋には大きな消防車をアップリケ、運転席にアンパンマン
上履きにはパトカーと救急車の絵を描き、左右が分かるように、上履きを揃えて置くと一体となるようインソールにゾウさんを描いた。
またカカトに引っ張りやすいよう紐も付けた。
スモックには布用の染料で、パトカー、救急車、消防車、バス、チビハルの名前を大きく描き、
ポケットにはアンパンマンとバイキンマン、
アンパンマンは「チビハルFIGHT！」
バイキンマンは「チビハルSMILE！」
そんな台詞を横に添えた
人一倍 幼稚園で苦労するであろうチビハルに…
せめてものママからの応援メッセージだった
また凝ったグッズを作る事で、
クラスメートの一人でも
「チビハルくんのいいなぁ！」
そう我が子に声を掛けてくれたら…と
切ない願いもこめての事だった
誰よりも遅れていても…
幼稚園では一緒に居てあげれない…
こんな事くらいしかしてあげれないママは…
一針一針に思いをこめた
だがこうして出来上がった幼稚園グッズを眺めるていると…
ど〜にもやり過ぎた感は否めない。
どなたかがブログに綴っていた
「障害児を持つと幼稚園の行事が嫌でたまらない、どうかどうか目立たないで〜！と毎度冷や汗タラタラ」
そんな言葉が思い出されて来た。
この幼稚園グッズを身につけたら…
むしろ悪目立ちしてしまうかもしれない…
突如湧き上がった不安が
儚き期待をあっという間に追い越していく
儚き期待をあっという間に追い越していく
ママの頑張りは…
子供の為というより、ママが過度の安心感を得る為の独り善がり…？？
子育てをしていくにあたり1番陥ってはならないトラップが、足元でフラッシュする
嗚呼、神様お願い
どうかどうか
アウトサイダーチビハルを…
見捨てないでいてプリーズ
どうかどうか
アウトサイダーチビハルを…
見捨てないでいてプリーズ
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