空の彼方から押し寄せる

連れ去られた記憶たちよ

 

懐かしい匂いを纏い

黄昏とともに 私を闇に溶かしていく

 

そのまま一緒に消してくれ

 

溺れていく 私の口から溢れる気泡

あまりにも私が重すぎて

記憶が空へと帰ってしまう

 

 

遠い街

景色も凍る暗い夜

 

まるでセピア 白い記憶が落ちてくる

肩に触れて 沁みこむ冷たさ

 

「さびしい」

 

微かな声は 雪に消えた

 

 

 

 

 

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