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    • 2020.05.16 Saturday
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    パウロの回心 赦される心と赦す心

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      前回の投稿からかなり間が空いてしまいました。今日はパウロの回心について皆さんと考えてみたいと思います。

      回心する前のパウロ、すなわちサウロは熱心なファリサイ派であり、イエス様の弟子たちの迫害者であり、殺人さえも犯していました。使徒言行録にはその様子が何度も書かれていますし、それはパウロ自身の言葉としても語られています。。最初の殉教者であるステファノの殺害にもパウロは関係していたようです。

      人々は大声で叫びながら耳を手でふさぎ、ステファノ目がけて一斉に襲いかかり、 都の外に引きずり出して石を投げ始めた。証人たちは、自分の着ている物をサウロという若者の足もとに置いた。 人々が石を投げつけている間、ステファノは主に呼びかけて、「主イエスよ、わたしの霊をお受けください」と言った。それから、ひざまずいて、「主よ、この罪を彼らに負わせないでください」と大声で叫んだ。ステファノはこう言って、眠りについた。 サウロは、ステファノの殺害に賛成していた。(使徒言行録7.58−8.1)

      サウロは家から家へと押し入って教会を荒らし、男女を問わず引き出して牢に送っていた。(使徒言行録8.3)

      さて、サウロはなおも主の弟子たちを脅迫し、殺そうと意気込んで、大祭司のところへ行き、 ダマスコの諸会堂あての手紙を求めた。それは、この道に従う者を見つけ出したら、男女を問わず縛り上げ、エルサレムに連行するためであった。 (使徒言行録9.1−2)

      「わたしは、キリキア州のタルソスで生まれたユダヤ人です。そして、この都で育ち、ガマリエルのもとで先祖の律法について厳しい教育を受け、今日の皆さんと同じように、熱心に神に仕えていました。 わたしはこの道を迫害し、男女を問わず縛り上げて獄に投じ、殺すことさえしたのです。」(使徒言行録22.3−4)

      サウロによるイエス様の弟子たちについて、どのように子どもたちに伝えるかは、その子どもの年齢や正確、発達段階に合わせてあげてください。特に、パウロがイエス様の弟子たちを殺していたという点に関しては、慎重であって構わないと思います。大切なのはパウロがかつて迫害者だったという点を伝えることです。

      パウロがいじめっ子だった、悪意でイエスの弟子たちを迫害していたわけではないという点も重要です。パウロは熱心なファリサイ派で、イエス様の弟子たちを捕らえ、福音宣教をやめさせることが正義だと信じていたわけです。この点を詳しく説明しようとすると、イエス様とファリサイ派の価値観の違いを説明することにもなるので、子どもにとっては非常に難しい話になってしまいます。

      ・旧約聖書には沢山の決まり事が書かれている。(例があった方がいいなら、ルカ2章の、イエス様が神殿に連れて行かれる際の「山鳩一つがいか家鳩の雛二羽」の根拠がレビ記12章に書かれていることを紹介してもいいでしょう。山鳩二羽は、貧しくて子羊が買えない人のための規定なので、イエス様の家庭が裕福ではなかったことの説明にもなります)

      ・ファリサイ派は、その決まりを全て真面目に守らなければいけないと考えていたグループで、少しでも決まりを守れない人を「罪人=悪い人」だと批判していた。
      ・イエス様は「神様、自分、そして周りの人を愛する(=好き嫌いではなく、大切にする)」ことが一番大切だと教えていた。決まりを守れなかった人のことも責めなかった。
      ・だからファリサイ派の人々は、イエス様と仲間達のことを「守らなければならない決まりを守らない悪い人たち」だと考えていた。

      ということが伝わればよいと思います。子どもたちは大人よりも融通が利かない面があるので、「ルールを守る」ことにも厳格です。「ファリサイ派の方が正しいんじゃないか」という子どももいるでしょう。それを頭ごなしに「違う」と否定するのではなく、分かち合いの機会として大切にしましょう。誰でも悪いとは分かっていてもついいけないことをしてしまうことはありますし、「急に具合が悪くなって遅刻してしまった」など、どうしても決まりが守れないこともあります。そんな例を挙げる、子どもに挙げてもらうとよいでしょう。そして、「もし自分が割ることをしてしまった場合、絶対に赦してもらえなかったらどう思うか」を一緒に考えるとよいでしょう。

      そんなサウロの下に、しかもサウロがイエス様の弟子たちを捕らえに行こうとしていたその時に、復活したイエス様が姿を現します。このパウロの回心の場面、使徒言行録9章1〜20節は、丸々読んでもよいと思います。ここでイエス様がパウロに語るのはこれだけです。

      「サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか」(使徒言行録9章4節)
      「わたしは、あなたが迫害しているイエスである。 起きて町に入れ。そうすれば、あなたのなすべきことが知らされる。」(同6節)

      ここで重要なのは、イエス様がサウロを全く批判していない点です。「よくも私の弟子をいじめてくれたな」とか「そんなことは今すぐやめろ」とは言わないのです。ただ「起きて町に入れ。そうすれば、あなたのなすべきことが知らされる。」とだけ言います。つまり、サウロがこれまで犯した過ちではなく、サウロにこれからしてほしいことだけを伝えるのです。

      この点に関する分かち合いが、このテーマの中心になると思います。過ちをとがめられる、叱られるのと、「これからこうしてほしい」と伝えられるのでは、どのように気持ちが違うか、どちらが嬉しいか、どちらの方が「よし、やろう」という気持ちになれるかを、じっくりと子どもたちと分かち合ってください。そして、「これから自分がどうすればいいか」という方向に持っていくことも大切です。なぜ、迫害者であり殺人者でさえ合ったサウロが、最大の宣教者であるパウロに生まれ変わることができたか。それは、罪をとがめられたからではなく、むしろ、それを責められることなく、イエス様に必要とされたからなのです。

      パウロとイエス様の弟子たちの関係も見ていきましょう。使徒言行録には、パウロと弟子たちの出会いがこのように書かれています。

      サウロはエルサレムに着き、弟子の仲間に加わろうとしたが、皆は彼を弟子だとは信じないで恐れた。しかしバルナバは、サウロを連れて使徒たちのところへ案内し、サウロが旅の途中で主に出会い、主に語りかけられ、ダマスコでイエスの名によって大胆に宣教した次第を説明した。それで、サウロはエルサレムで使徒たちと自由に行き来し、主の名によって恐れずに教えるようになった。(使徒言行録9.26−28)

      このように、最初、イエス様の弟子たちはパウロを恐れていたようです。自分たちを迫害し、仲間を殺していた人物なのですから、すぐに信用できないのは当たり前です。自分も殺されるかもしれないと思うでしょう。どうやら回心が本当だと分かっても、かつてパウロがしたことを考えれば、赦せない、仲間には入れたくないと思うに違いありません。しかし、弟子たちは、最終的にはパウロを仲間として認め、受け入れました。この点に関しても、「自分や自分の友達をいじめていた人が『今まで酷いことをしてごめんなさい。仲間に入れてください』と言ってきたらどうする?」という問いかけをしてみましょう。「赦せない」「友達になれない」という答えが返ってきても、それを受けとめてあげましょう。そして「イエス様の弟子たちも最初はそうだったんだよね」ということを振り返りましょう。

      そして、今度は、子どもたちにパウロの立場になって考えてもらいましょう。自分がいじめていた、悪いことをしてしまった人に謝りたい、仲良くなりたい。その時、相手がどうしてくれたら嬉しいかと。「神の愛によって私たちの罪は全て赦される」という喜びを知ることは私たちの信仰の中心です。そのためには、「イエス様に赦された罪人の立場になって考えてみる」ということが必要になってきます。

      「罪人」という言葉は重いので使わなくても構いません。子どもが自分を責める、自分は悪い人間だと考えるようになるのは絶対に避けなければなりません。子どもに罪を反省させることではなく、赦される喜びと、赦すことの大切さを学ぶことが目的ですので、そこは大人が十分注意すべきです。子どもが、教会に行くこと、信仰を学ぶことは怖いことだと感じてしまっては本末転倒です。まずは大人が自分の失敗談や、それを赦されて嬉しかった体験を話し、子どもが話しやすい雰囲気を作ることもふさわしいことでしょう。

      前回、今回と、使徒たちとパウロの回心についてお話しいたしました。「聖書」というと偉人伝のような立派な人のお話ばかりが書いてあるというイメージを持っている子どもも少なくないでしょう。しかし、そうではない、欠点もある、失敗もする人たちが、イエス様と出会い、イエス様から赦されて変わっていくことが書かれているのだということを分かってもらいましょう。そして、イエス様は自分たちのことも愛しているのだという喜びを、大人の側が自信を持って伝えましょう。使徒たちやパウロがそうだったように、叱られるという恐怖ではなく、赦されるという喜びによって、自分の罪を反省し、謝る心が育まれると思います。

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