中今〇ノ丞の「まあるく生きる」

人生をどう生きたらいいのか、一緒に考えよう

内掌典に生涯を捧げた宮中女官  高谷朝子さん 2

 

みなさんこんにちは、中今〇ノ丞です。

 

前回に引き続き、宮中祭祀を司る掌典職内掌典(ないしょうてん)として、

1943年から2001年まで57年間も皇室に仕えられた「高谷朝子」

さんのご紹介です(高谷さんは2018年に亡くなられています)。

 

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(出典:宮中賢所物語)

 

 

この内掌典とは、皇居内にある宮中三殿賢所皇霊殿、神殿)という、皇居の

中でももっとも神聖な場所・賢所(けんしょ・正式にはかしこどころと読む)の

御用を勤められる女性のことです。

 

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高谷さん「この賢所は、神様がおいであそばすところでございます。

一年を通じて、歳旦祭(さいたんさい)、神嘗祭新嘗祭(しんじょうさい・

にいなめさい)、また皇霊殿の御祭など、年間二十数回の御祭があり、その時々

に御上(天皇陛下)、皇后陛下東宮両殿下(皇太子殿下・妃殿下)が御拝(

ごはい)あそばされます。また毎月一日、十一日、二十一日、には旬祭

おこなわれ、毎月一日の旬祭には御上が御拝あそばし、掌典職(しょうてん

しょく)の方々がご奉仕されます」

 

「平安の昔から変わらないしきたりの中で、今日まで途切れることなく

続けられてきました御祭の数々が、いまも昔のままの姿でおこなわれて

ございます」

 

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〇ノ丞)解説:まず「~あそばす」という言い方は、いわゆる御所ことば

ともいわれて、室町時代から使われてきたものです。これは天皇皇后両陛下

のみならず、皇族方などの上流階級の間で使われていましたが、戦後からは

衰退してしまいます。現代の感覚からは少しわかりずらいところがありますが、

この御所ことばは目上に対する敬う気持ちが入っておおりますので、私はその

まま書きたいと思います。

 

次に毎月一日の旬祭は、神社では朔日ともいわれ、この日は各神社でも

月次祭という祭典が執り行われ、国家の安寧と国民の幸せを祈られます。

 

同じように、毎月一日は皇居においても天皇陛下は束帯姿で祭祀をされて、

国家の安寧と平和を御祈念されるのです。

 

また掌典とは男性神職のことを言います。

 

 

  ~3に続く~

 

 

 

 

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